俳句添削道場(投句と批評)

ハオニーさんの添削得点の高い順の3ページ目

月明を絵本と眠る我が子かな

回答者 ハオニー

添削した俳句: 秋月夜えほん枕に夢の中

お初にお目にかかります、ハオニーです
仕事が遅くなってしまうこと、よくありますよね

手直しの句は、この句意に近づけるようにしています
句意を見てすぐに「我が子」は入れようと決めました

そのときに問題となることが2つありました
一つは、秋の季語である「月」もしくは「月夜」に「秋」とつける必要はないということです
句意に「月の光が照らす」とあるので、「月明(げつめい)」という月明かりを意味する言葉を私は採用しました

もう一つは、枕も夢の中も「眠る」というイメージがかぶっていることです
句意には枕も夢の中も書いていなかったため、「眠る」で問題ないと判断しました

今回、「開かれた絵本」「眠っている我が子」「月明かりが照らしている様子」など、ここに焦点を当てて強く描こうと出来るところがたくさんあります
スケッチをすることをイメージすると、月明かりという形状の曖昧なものを本気で描く人もいれば、絵本という小さなものに全力を注ぐ人もいます

ただ、こういう場合は人物に焦点を当てると非常に楽です

先に「月明を」として月明かりの空間を描きます
次に人物と動作とものを入れます
「絵本と眠る我が子」
最後は俳句らしく「かな」と詠嘆してみます
これで一応句意はおおかた入ったと思います

点数: 5

湿気寒や担々麺に滾る赤

回答者 ハオニー

添削した俳句: 秋湿り担々麺の美しき赤

どうしてでしょう
この字面では辛いもの大好きな人が担々麺に感激しているように見えます
質問にも答えつつ、詳しく考察してみます

美しきを「はしき」と読んでいいのか?
いろいろな辞典を探しましたが、名前辞典に「美」を「はし」と読んでもいいとありました
名前辞典にあったのですから、人名への使用例もけっこうあったのでしょう
愛しきから美(い)しきは来ているようです

この句は取り合わせ?
この場合は取り合わせで、秋湿りで一度切れていると読むしかないでしょう
「秋湿り担々麺」と連体形で読むとは絶対に有り得ませんから

問題点と対策
しかし「秋湿り」では状況説明で終わっている感じがします
調べてみたところ「湿気寒(しけざむ)」という、ほぼ同義の季語がありました

「美しき」がこだわりかもしれませんが、ここを少し変えて「辛さ」や「目の前にしたときの熱さ」をしっかりと想像させることができます

基本スキル 対比
寒いことを季語で表現し、担々麺のHotな感じを出します

湿気寒や担々麺に滾る赤

外は寒いはずなのに、汗かきながら担々麺をすする人が見えてくるかもしれません
辛そうな担々麺に怯んで神妙な顔つきをしている人が見えるかもしれません
読み手が「私がこれを食べたら辛いのだろうな」と解釈してくれるよう託しました

ここから先は実験段階
担々麺は黒だと言われたとき用
→湿気寒や担々麺に沈む黒
担々麺は汁なしが普通と言われたとき用
→湿気寒をまぜゆく担々麺赤し
湿気寒が感じられるなんて店が寒い、店が狭いと言われたとき用
→(考え中)

点数: 5

「クリスマス乱れる心彼の横」の批評

回答者 ハオニー

添削した俳句: クリスマス乱れる心彼の横

心乱れっぱなしのハオニーです
初めて手ほどきをさせていただきます

彼の横になんであんな奴が!?
という怒りとか不安とかの気持ちは、説明を聞いてきちんと伝わりました

しかし、俳句だけでは「彼の横に誰がいるのか?」分からないことが問題点です
彼の横に作者自身がいて、彼の何気ない一言に動揺しているとも考えられます

改善策はいろいろあります
「見知らぬ女」がいると素直に言う方法を...

彼といる見知らぬ女クリスマス
とすれば、なぜ心が乱れたのか知らしめることができます
これで心が乱れないならば肝っ玉が太いです

と、ここまでは腹胃壮様とほぼ同意見です
ここからが私の本領発揮です

俳句に慣れてくると、自分なりのシナリオを折り込み、一句を濃厚なものにする方が多くなります
具体的に試してみましょう

見知らぬ女に彼を取られそうなのに、ただ黙っていられますか?
結婚を約束して、「指輪」まで渡してくれた彼ならば、「修羅場」となっても黙って見ているはずがありませんよね
興奮していて、周りのことなんて気にする余裕もないはずです

指輪のみ光るクリスマスの修羅場

修羅場という言葉に引っ張られ、「指輪のみ光る」という言葉が皮肉に感じられるかと思います

もし、傷口を開くようなことがありましたらごめんなさい
この添削依頼をなさった句はノンフィクションだと思ったのです

点数: 5

「足早なバレンタインの日の車窓」の批評

回答者 ハオニー

添削した俳句: 足早なバレンタインの日の車窓

足早なバレンタインの日の車窓

酔いどれ様はモテたのですね
モテないことが面白いハオニーです
ひねくれものの私には、こういった素朴な句は出来ませんっ!

感想を...
「車窓」と名詞で終わらせたのは、読み手の想像を促す余白をきちんと用意しているので、とてもいいことです

「足早な」は「車窓」にかかるのでしょう
スピードがけっこうあるように感じます
男は浮かれ、女は早く渡したい...渡さなければならないという心理描写をなさっているように考えました
「足早な」はきちんと能力を発揮しています

はっきりと分かる切れを無理に入れないところは、バレンタイン特有の雰囲気を大切になさっているのだなと認識しております

気になりつつ、理解したことが2つ...
描きたかった光景は2月14日の朝の光景なのか、それとも夕方の光景なのか、おそらく間違ってはいないでしょう
私は朝の光景だと思いました

「バレンタインの日」は傍題である「愛の日」の方が短く言えるのですが...
表記上目立つようになさったのでしょう

愛の日でやってみました(添削ではなく余談かもしれません)
颯爽と行く愛の日の車窓かな
少しひねって
颯爽と行く愛の日の1号車

点数: 5

「枯芒主を探す秋田犬」の批評

回答者 ハオニー

添削した俳句: 枯芒主を探す秋田犬

「主を探す」を指摘しないといけないのは確かです
「主を探す」というのは、作者自身の脳内にあるストーリーです
そのストーリーを想像させたのは、犬のどのような様子や行動によるものなのか...
上を目指すならばそこを描くべきです

枯芒という季語は、そういった様子を詠んだとのことですから、私はそこに手をつけません
しかし、「すすき」という季語の傍題を見て、一番近い季語を厳選するのは必要かと思います

枯芒でもいいですが、「芒原」で場所だとハッキリ分からせた方がよさそうです
「芒」はひらがなを敢えて使います

首回りは禿げ秋田犬すすき原

捨てられたのなら首輪を取られたはず
首輪をしていたのならば首回りは毛があまり生えていないはず
そこを切り取りました

これなら、「もしかしたら主を探しているのかも」と感受性の強い読み手は想像してくれるかもしれません
そのように読み手を楽しませるよう、描写を調整するのが俳句の腕を磨くということなのです
別の句になってしまったかもしれませんが...

点数: 5

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