「夜間飛行やすやす越ゆる天の川」の批評
回答者 イサク
添削した俳句: 夜間飛行やすやす越ゆる天の川
おはようございます。
「や」の韻がありますし、この並びで「やすやす」という単語選びは悪くはないと思います。とはいえ「易々」「楽々」はどちらも作者の主観・感想のようですので濫用注意ですね。
気になるのは
◆先に出ていますが「夜」という意味の重複は気になります。
先に出ている米米CLUBネタを使って
「浪漫飛行やすやす越ゆる天の川」
これでも夜飛ぶ飛行機が天の川を越えていく映像になってしまいますよね。
(なおじい様は知っているはずですので敢えて書きますが)
別々の単語での意味の重複は、
わずか十七音の中に、意味の重なる単語で音数を消費するのがもったいない、というのがその1。その音数を詩に使った方がいい、というものですね。
その2。季語「天の川」を信じれば夜の風景です。「夜間」とわざわざ【説明】を入れてしまっているということになり、どうしても【説明感】【受け手を信頼していない感】【(この句の場合)季語を信頼していない感】が出てしまいます。
とはいえ我々などある程度以上の年代では
「単なる夜のフライト」ではなく【夜間飛行】という単語に特別な感情を持つのでしょう。それは理解できます。
◆時間の長さ、が気になります。これも「夜間飛行とはやすやすと天の川を越えるものだよ」という説明感が出てしまっている理由になっていると思います。中七の「やすやす(易々)」という説明は、やはり難しい単語ではあるでしょう。
・当機いまやすやす越える天の川
(これはイマイチ)
・夜間飛行や易々越ゆる天の川
(詠嘆で切りましたが、リズムも字面も悪いですね)
・当機パリ便いま天の川越えてゆく
点数: 1