「子供らのスリッパ揃え春うらら」の批評
回答者 イサク
添削した俳句: 子供らのスリッパ揃え春うらら
こんにちは。
御句にとって避けられない「春うらら」の件
◆初心者さんが歳時記も見ずに使っているように感じれば、私は指摘します。このサイトに限れば、ベテランでも指摘します。初心者さんが「春うららは俳句
の世界で季語
として認められている」と勘違いしては気の毒なので。
「春うららは歳時記にはなく、一般的に季語として認められていません」などコメントでフォローがあれば別です。
◆私は無季あるいは季重なりの句も成立していれば認める立場なので、「この句は季語として認められていなくても【春うらら】がベストなんだ!」という確固たる信念をもって作句しているならば、そういう句として鑑賞します。
◆某所スリッパ兼題を出した選者先生Aは「春うらら」の句を選にとったことがあります。
◆某いるか様が引用リンクを張った選者先生Bは、句の中で季重なりが上手くいっていれば選にとることが多いですが、歳時記の記載を重要視しているためか「春うらら」を否定するコメントが目立ちます。
◆某選者先生Cは「春うらら問題」と発言したことがあり、その先生は「将来的には季語として認められる可能性はある」という趣旨の発言しています。つまり「今は季語としては微妙」と思っているようです。
◆歳時記に掲載のない実験的な「新たな季語」を許容するかどうか、私の周辺には許容派が多いです(ネモフィラ・ジェラート・911など)。もちろん、その言葉が季語として機能して、動かないことは俳句として大前提。この立場で「春うらら」を「新たな季語」という観点で見ることは可能です。
以上前置き。
で、御句そのものの話。
私も「うららか」で置き換え可能な句なのでは?と思います。「うららか」の中にある「春」の感覚で十分に感じますし、敢えての「春うらら」が狙い過ぎにも見えます。
中七「揃え」の連用形止めが緩く感じるなどもありますので、いろいろ整えれば「春うらら」が生きる形もあるのかもしれません。
・うららかや子のスリッパは揃わない
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