俳句添削道場(投句と批評)

ピンクよっちゃんさんの添削最新の投稿順の12ページ目

「緑蔭に前脚上げる神馬像」の批評

回答者 ピンクよっちゃん

添削した俳句: 緑蔭に前脚上げる神馬像

久田しげき様
更衣の句の添削、ありがとうございました。
「船料理」の件、ご指摘の通り私が京都の食文化に無知でした。船料理は川の魚を主に供するものなので、それに連なるものだろうと、調べもせずに思い込みました。
大変申し訳ありませんでした。
しかし自らの間違いを認めた上で「料理」か「貴船」どちらかの語を省く事を再度ご提案させていただきます。やはり仲居さんの描写が入るスペースが必要と考えますので。
前置きが長くなりましたが今回の御句、緑蔭のさわやかな陰と神馬像の勇ましさを対比させたものと読みました。
写生句の味わいも感じられるのですが、久田様の志向はそれとは違うのではないかとも思います。もっと神馬の勇ましさを感じさせるものが欲しい、さらりとし過ぎているのではないかと思いました。

点数: 1

夕立過ぎ昨日のカレー温める

回答者 ピンクよっちゃん

添削した俳句: 夕立のあと温めるカレーかな

この句に、そこはかとない哀感を感じてしまうのは私だけでしょうか?
『温める』に注目しました。
私だけの感覚かも知れませんが、カレーはたいてい夕食として作るもの(?)、だとすればこのカレーはその日の昼や朝作られたものではない。とすれば、この句の主体は昨日のカレーを温めている。と、勝手に想像しました。
で、それを書いてペーソス度を上げようと…
的はずれだったらすみません。

点数: 1

「踏み出して径は遥かへ夏野ゆく」の批評

回答者 ピンクよっちゃん

添削した俳句: 踏み出して径は遥かへ夏野ゆく

カッコイイですが既視感があります。
Jポップの歌詞のような。
踏み出さなくてもいいし、径は遥かでなくてもいいです。
月並み。失望しました。
次作に期待します。

点数: 3

「梅雨迎え短い髪や坊主狩り」の批評

回答者 ピンクよっちゃん

添削した俳句: 梅雨迎え短い髪や坊主狩り

『坊主狩り』という印象的なフレーズが目にとまり、読ませていただきました。
この『坊主狩り』を字義通りに受け取れば、通称「坊主頭」と呼ばれる極端に髪の短い人たちを、あるいはやや蔑称的に「坊主」と呼ばれる僧侶たちを、捕らえてまわるか殺してまわるという事になり、それはそれで大変興味深い景ではあるのですが、句全体を見てもコメントを読んでも、そのような禍々しい行為に結びつくものは何もなく、これはもしかしたら単なる「坊主刈り」の書き間違いではないかしらんと思い至りました。
その前提で推敲案をいくつか提示させていただきます。

「梅雨に入り坊主頭の気持ち良し」
つゆにいりぼうずあたまのきもちよし

「入梅や短髪さらに坊主刈り」
にゅうばいやたんぱつさらにぼうずがり

「短髪を坊主刈りへの梅雨入かな」
たんぱつをぼうずがりへのついりかな

「短髪を坊主頭に刈る梅雨入」
たんぱつをぼうずあたまにかるついり

四句目は中七から下五への句またがりになります。
梅雨入(ついり)は俳句独特の言い方で日常では使われません。
推敲されるときの参考にしていただければ幸いです。
お名前とコメントから察するに外国の方でしょうか?もしそうであれば、日本語の習得とともに、俳句をおやりになるのは素晴らしい事だと思います。楽しみながら頑張って下さい。陰ながら応援させていただきます。

点数: 1

「雨降るや芒種に肥の畑閏う」の批評

回答者 ピンクよっちゃん

添削した俳句: 雨降るや芒種に肥の畑閏う

よろしくお願いします。
厳しくというご要望なので、ちょっと辛口でやらせていただきます。
季語の『芒種』は二十四気の一つ、今だと六月六日頃ですから、まさにタイムリーですね。本来これが主役となるべきですが、この句はそうなっていないと思います。
降る雨、芒種、肥(私は肥料だと思いました肥◯◯という穀物の意味だったらす済みません)、畑(しかも潤っている)次々と出てくる情報をイメージするだけで、読者は疲れてしまいそうです。
読み手の頭の中には、句の最後の景が残りますから、(この句の場合は潤っている畑)読者にしてみれば「さて、この畑が潤っているのは雨のためなのか、芒種のためなのか、それとも肥料のためなのか?」となってしまいます。「この句は結局なにが言いたいんだろう」と。
そうならないためには、まず情報の整理が必要だと思います。
ほとんどの場合、芒種は畑で行われますから『畑』は省けます。(厳密には稲の芒種もありますが田植え関係は他の季語がありますので、ここでは麦の芒種と考えます)
句の文脈からすると芒種が畑を潤したとも解せますが、表現として不自然さがありますので、雨の水分と肥料の養分で潤っているとしましょう。

「雨と肥の親しむ土に芒種かな」
あめとひのしたしむつちにぼうしゅかな

雨と肥料がいい具合に混じった「豊かな土」を読者にイメージしてもらい、最後にその土に(畑に)種を播いている姿が残るというわけです。
「潤う」は詩的なのですが、ありがちな言葉なので違う表現にしてみました。
提案句の良し悪しは別として、原句で使われている言葉、作者がイメージした映像を最大限活かしたつもりです。
少しでも参考にしていただければ幸いです。

点数: 2

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