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流血御伽伝グリム 赤ずきんと魔銃の騎士の批評の返信

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流血御伽伝グリム 赤ずきんと魔銃の騎士の批評(元記事)

 まず先に謝っておくと、俺も五月末に自分の狙っていた賞の締め切りに出したばかりなので、ちょっとSAN値低めの状態でこの批評を書いています。
 また、締め切り云々に関係なく、やや趣味の問題に近い部分で十二田さんの作品に『ちょっとこういうとこ苦手だな~』という部分があり、出来る限り趣味の事については『趣味の事です』と書きますが、やや辛口目の意見になるかも知れません。申し訳ない。

 その上でもう一つだけ。作品内容には関係ないですが、『批評依頼』にあげる場合は、賞応募などと同じ『ネタバレまで含めた作品全体のあらすじ』を付けることをお薦めします。書籍化作品についている『アオリ』のようなものでは、作品が分かり難いです。

 さて、本題。
 まず冒頭のモノローグが読みにくいです。情報に具体性が無いうえに、やたら滅多ら倒置法を用いるから、『何があるか』分かっても『何が起こってるのか』全然分からない。
 あとこれは個人的な趣味ですが、クトゥルフネタと混乱したモブのセリフ以外で『筆舌に尽くしがたい』とか『名状しがたい』とか『えもいわれぬような』とかいうのは良くないと思う。それを文章にするのが我々の仕事です。
 あとこれも俺の読解力の問題かもしれませんが、『お前の飲んだワインは、俺の喰った婆の血で造った』という言葉に、『一回婆さんを咀嚼した後ゲロって作ったのかな?』と思いました。文章そのものが説明的過ぎて、ポエミーな感傷よりも生理的嫌悪感が出ます。

 前の作品でも指摘しましたが、一章冒頭から『赤いフードの付いたコート』というやたら長い名詞節が短い間隔で連打されています。前にも書いた通り、『別の言葉で言いかえる』などの方法を取らないと、読みにくいですよ。
 もう少し言えば『赤いフード』なのか『赤いコート』なのか『赤いフードの付いた赤いコート』なのかも分かり難いので、『フードの付いた赤いコート(フードはコートのパーツなので、恐らく赤い)』と書くのが親切かと。

 あと、『フードをかぶっている』のに『肩まであるブラウンの髪』という表現にも少し違和感。
 絵面的に見えないものは、無理に描写しなくても良いと思う。っていうか、今回の赤ずきんの場合『色気がある』という描写をしているので、何かの拍子にフードが取れて『○○はこの時ようやくカトレアの髪の毛をじかに見て、肩まで伸びているそれのウェーブ掛かった色気に一瞬見惚れた』みたいにした方が、ネタとして美味しいかも。

 描写が長いと感じる部分もチラホラ。『不敵な表情』と言ってしまえば『相手に全く怯むことなく挑みかかるような生意気な表情』であることは大体わかるので、かなり尺を圧迫しているように思えます。

 「少女はそれを払いのけて、男の懐に飛び込んだ。そのまましゃがみ込むと」という表現。懐に飛び込んだ時点で、しゃがんでません? っていうか、しゃがまずに懐に飛び込めるような身長差なら、しゃがまずとも足に組み付けるように思う。

 細かいですが『酔っ払いは度肝を抜かれた』が正しい表現です。『酔っぱらいは度肝を抜いた』だと、オッサンが誰かを驚かせたことになります。
 『盛大な溜息をついた』→『盛大に溜息を吐いた』地味ですが、日本語において『溜息』はサイズを測り得る物としては扱われないので、この場合『溜息』に掛からず、『ため息を吐く』という動詞に掛かります。

 ハンス登場のしばらく後、『ロゼッタは言った』のすぐ後のセンテンスで『ハンスとカトレアに出来上がった料理を届けて、ロゼッタはそう言ったのだった』と書いてあり最初の『ロゼッタは言った』はいらないんじゃないかと思います。

 これ、途中途中で書いてるんですが。『行方不明になった人間に会うことが出来るが、会いに行った人間も行方不明になる森』って、『会うと皆殺しにされる妖怪』と同じで、噂を伝える人間が居ない以上は成立しない噂話ですよね?
 その理論が存在する以上、初っ端からロゼッタが滅茶苦茶怪しいです。穿ちすぎかもしれませんが。
 作品の性質上、『意志を持ったバケモノの行動』というのがわかる訳ですが、だとするとロゼッタが伝えた噂話は余りにも断定形すぎる気がします。もう少し曖昧な噂話でも良いかも。

 『母の顔が上下に裂けた。それが化物が大きく口を開けているのだという事が、ロゼッタは分からなかった』この文章、読みにくいです。『母の顔が上下に裂ける。母に化けた怪物が大きく口を開けているというその事態が、ロゼッタには理解できなかった』などのように書いた方が良いでしょう。
 何が問題かというと、二文目冒頭の『それが化け物が』という文面が、読者を混乱させることになって居ます。主語が二つあるように見えるんですね。『が/を/に/は』などは出来るだけ連続しないように使い分けましょう。
 
 地味ですが。カトレアがロゼッタを追いかけるシーン。「アレだ! 稜線の向こう側!」と言っていますが、稜線(或いは尾根)というのは遠景で見た時に『山の頂点から麓/隣の頂までの線』を指す言葉です。
 尾根道、などという言葉もありますが、かなり大雑把な位置を表す物ですのでこういった使い方はよくないかと。

 「大したことねぇって――あ、あなた腕が」。ロゼッタを庇ったカトレアの腕が噛み千切られるシーン。口調が移ってます。『動揺して口調が移った』のであれば、地の文に書いた方が良いと思います。このシーンのロゼッタはパニックに陥っているので、明記しないと『キャラぶれかな?』と思われるかも。
 これは趣味の話ですが、カトレアがコートを着ている以上、『コートの腕部分ごと腕が食いちぎられる』→『コートの腕部分が無くて、(自分の)血を浴びたまま、真っ白でキレイな腕が再生している』というカトレアを対比的に描くことで、カトレアの色気と再生能力のグロテスクさを綺麗に描ける気がします。

 地味ですが。『化け物はその巨躯に似合わず軽妙な動きで』と書いてますが、『軽妙』ではなく『軽快』の方が良いかと。軽妙、というのは主に技術などに対する言葉です。

 カトレアが短剣からハサミに持ち替えるシーンが無く、大分違和感。
 あと、×『ハラワタをかっ捌く』→〇『腹をかっ捌く』ですね。『はらわたを引きずり出してやる』という言葉と混同しがちですが、『掻っ捌く』に『切り開く』という意味があるので、『ハラワタを掻っ捌く』は変です。

 『一瞬で間合いを詰めると右斜め上から大鋏を振り下ろす。ルーガルーは大きく横へ跳躍して躱す。
 そこへハンスの銃撃が襲う。
 カトレアの攻撃から逃げるルートを予測して、逃げ道を塞ぐように銃撃を加える。
 ルーガルーは身を捻って躱そうとするが、魔銃の弾丸は足先を掠める。ルーガルーの動きが一瞬止まる。
 そこへカトレアの斬撃が襲う。』
 カトレア・ハンスが怪物と対峙するシーン。現在形の文章を連打していて、読みにくいです。
 『ルーガルーに隙を与えまいとハンスは銃撃した』とか、『弾丸が足先を掠めて行った』『一瞬止まったルーガルーの動き。そこへカトレアの斬撃が~』のように、過去形・過去進行形・倒置文などを用いて、同じ文尾が連続しないようにしましょう。

 あとまあ、これは趣味の問題ですが。ハンスについて『銃撃』と書くなら、カトレアも『攻撃』ではなく『斬撃』や『打撃』にした方が良いと思う。特に次第に追い詰められていくシーンでの対比などでは、読みにくくなる要素です。
 もう一つ趣味の問題。『斬る』を多用する傾向にありますが、『切る』や『伐る』なども入れてバリエーションにすると、読みやすくなると思います。

 全体的に『○○な表情の××(人名)を~』みたいな文章は多かったけど、『××の表情が○○に変わる』系の文章は少なかったかも。両方使いこなせると、リアリティが出ると思います。

 取り合えず第一章まで読み、批評を書きました。締め切り明けの燃え尽き症候群が終わったら、二章以降も批評を書くかもしれません。いえ、多分書きます。6/17くらいまでには書きます。6/30が締め切りでしたよね?

流血御伽伝グリム 赤ずきんと魔銃の騎士の批評の返信

スレ主 十二田 明日 投稿日時: : 0

大野知人様、前作に引き続きコメントありがとうございます。

大野様の指摘されている点に関しては、もうその通りですとしか言いようがないですね。
改稿頑張ります。

どうにもこの作品、当初思ったよりもノッて書けなかったんですよね。本当は先月末までに書き上げるはずだったんですが、予想以上に筆が進まず……自分はファンタジーが苦手であると、今作を書いて自覚いたしました。
ただ書き上げた以上は、できる限りの事はしようと思います。

貴重なご意見ありがとうございます。
大野様の批評依頼もこれからお読みします。今しばらくお待ちください。

スレッド: 流血御伽伝グリム 赤ずきんと魔銃の騎士

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