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武井トシヒサさんの返信一覧。得点の高い順2ページ目

元記事:転生勇者の詐欺師ライフ~勘違いで詐欺師として転生した頭脳最強元勇者、チート詐欺スキルで悪者を騙してざまぁする~の批評

武井トシヒサさん

先日は拙作への批評ありがとうございました。
貴作を最後まで読ませていただきました。テンポよく物語が進み、読後感もスッキリで楽しめました。特に、登場人物のキャラがそれぞれ際立っていて良かったと思います。
お恥ずかしいのですが、自分はいわゆる「なろう系」の物語はほとんど読んだことがないため(もしこの呼び名に抵抗があったらすみません)、見当違いの指摘をしてしまうかもしれません。その際は世間知らずのたわごととスルーしていただけると嬉しいです。

さて。「登場人物がそれぞれ際立っていた」と前述しましたが、惜しいと思えたのも登場人物についてです。
特にミウについて、彼女の「獣人」というプロフィールがほとんど生かされていないと感じました。猫系の獣人とのことですが、その最大の特徴である耳と尻尾の描写が、途中からほとんど消えてしまっていました。ミウが考える時の癖である「顎に右手を添える」を、「尻尾の先をいじる」とか「耳がピクピクと動く」などすれば、獣人らしさがより出たのではないかと思います。
それから、この世界では獣人は差別の対象で、だからこそでたらめな遺言書が有効になってミウは商会を奪われてしまったわけですが、この設定も、彼女が差別されている描写がほとんどないどころか、周囲の人々からは好意を寄せられ頼りにされているばかりなので、とても矛盾を感じました。差別対象の獣人の女の子が町の広場で商売なんてしようものなら、それこそいわれのない嫌がらせや邪魔をされたり、少なくとも初日から人だかりができて商売繁盛、なんてことにはならないと思います。また、傘下の商店のみんなはミウにとても好意的であるのに、いったい誰が「獣人族が会社を牛耳ることを恐れた」のでしょうか。
「獣人であるがゆえに家を追い出され会社も奪われ、人々から背を向けられていたミウが、カイルと出会い勇気を出して声をかけたことで、彼に励まされながら商人としての自信を取り戻していく」という流れをもう少し強調すると、最後にミウがいう「人の価値は変わる」という言葉により重みが増すように思います。
あとは、ガウディですが、彼のこのキャラクターはこれはこれでとても面白かったのですが、「元優秀な商人」の片鱗がもう少し見えてもいいかなぁと思いました。でも、この路線でも全然悪くないとは思います。

特に気になったのは以上ですが、武井さんが気になった点についてお答えすると
「主人公のスキルが複雑?」「スキル発動が遅い?」
これについては、前の方が指摘されているのと同意見です。自分のスキルをモノにする修行のような描写があると、読む側もより理解できると思います。
ちょっと気になったのは、作戦のキモである契約書の文言「資産をそのまま」ですが、正直「そのまま」っていかようにも取れてしまうというか、どの時点での「そのまま」なのかが曖昧で、自分はちょっと首をひねってしまいました。ですが、それが詐欺師的といえばとても詐欺師なので、これはこれでいいのかなぁとも思います。
「ラストがイマイチ?」
自分これが王道で、それがいいと思いました。シリーズにするなら、次に繋げやすいですよね。
「タイトルとミスマッチ?」
正直これについては自分ではよくわかりませんが、特に内容と乖離はしていないと思います。

自分のことは棚に上げて登場人物のこととか書いてしまいました。
また次回作を楽しみにしています。

上記の回答(転生勇者の詐欺師ライフ~勘違いで詐欺師として転生した頭脳最強元勇者、チート詐欺スキルで悪者を騙してざまぁする~の批評の返信)

スレ主 武井トシヒサ : 0 投稿日時:

カイトさん

批評頂き、ありがとうございます!
「なろう系」は普段あまり読まないとのことで、それにも関わらず拙作を読んで頂き、本当にありがとうございました。
ご批評はまさにおっしゃる通りで、大変参考になります。

・ミウの描写に関して
 鋭いご指摘ありがとうございます。最初に獣人族としての描写をちょっと描いただけで、その後さぼってしまったみたいですね。
 自分なりに原因を考えてみたのですが、「獣人族という設定をどう生かせばいいか」が僕自身分かっていないのが問題だと感じました。実は僕も「なろう系」をたくさん読むタイプではないんです。「なろう系」を書いているのは人気ジャンルだからで、ミウを獣人族という設定にしたのも、獣人少女が人気だからです。この辺の『軽い気持ち』が露骨に表れてしまったのかなぁと思いました。もっと作品を読む頻度を増やさないといけませんね。勉強します。

・獣人は差別されているという設定について
 これもおっしゃる通りです。この設定はバッサリ切るべきでした。
 この作品は、プロット時点ではもっと長い作品だったんです。本作はその第一章部分の設定だったんですが、今の僕の実力では長編を書くのはリスクが高いと判断し、後半部分をバッサリ切ったという経緯があります。「獣人族への差別」という設定は、後半部分への伏線でした。
 作品をシュリンクする時点で、この設定も切るべきでしたが、「せっかく考えたんだから」とムリヤリ入れ込んでしまいました。これ、ダメでしたね。「必要ない」と思ったら、躊躇なく設定を切る姿勢を徹底するべきでした。
 「作者にとっての違和感は、読者に3倍増しで伝わる」と言いますが、まさにその通りなんですね。少しでもムリヤリ押し込んだ設定は、矛盾となって表れて、読者の混乱や作品への違和感につながるようです。本当に勉強になりました。

その他のコメントもありがとうございます。ラストも良かったとのことで、とても安心しました。(前述の経緯があり、終わり方にかなり不安がありましたので)

お時間をとって拙作を批評いただき、本当にありがとうございました。次の作品へ活かし、もっともっと素敵な小説を書けるように努力します!

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元記事:ハート(レス)ブレイク

特殊な視点、構成で書いているので、途中で自分でも頭がこんがらがっていました。なので矛盾している点や、違和感を覚えたことなど、なんでも結構なのでご指摘いただけると嬉しいです。
その他、表現や設定に関する批評も大歓迎です。よろしくお願いします。
本サイトにも投稿しているのですが、カクヨムのほうが傍点処理されているので、こちらを選ばせていただきました。

上記の回答(ハート(レス)ブレイクの批評)

投稿者 【本人から削除依頼】 : 1 投稿日時:

 構成で損をしている面が感じられます。

 簡単に整理してみます。

1.霜下しずく(a)霜下しずく(b)
 冒頭(起)。現時点でのキャラが元人間にして人間に非ざる者であることと、荒廃した世界(他の人間はいないことを暗示)の提示。

2.秋鳴かけす(A)・秋鳴かけす(B)
 視点キャラを1で小出しにしたかけすに移して、時系列で展開(承)。この物語のキャラ「かけす」「しずく」「ゆい」の生前の関係の説明し、この物語の最重要ポイントである、ゾンビ時のしずくが実はゆいであることの提示。

3.霜下しずく(A)
 回想(転)で生前の本物のしずくの人物像を提示し、しずく視点での「しずく」「ゆい」「かけす」の人間関係を提示。

4.志糸口ゆい(A)
 終章(結)。生前のゆい視点で、なぜゾンビのしずくがゆいであるかを提示。オチとしては、ゾンビのしずくがゆいであるのは、生前のゆいの意思だった、ということ。

 起承転結にキレイにまとまってはいるんですが、キャラが劇的に動くシーン(2での殺人)は回想で語られており、生前のしずく(3)はほぼ物思いで終始しています。

 目の前でキャラが生き生きと動くシーンがないんですね。また、世界が荒廃した理由も語られていないことはもとより、世界の終わりに際してキャラを動かしていない。そういうパートがないのが、ぱっと目につく構成上の問題だと思います。

 もし、キャラが動くことで魅せる作品にするとしたら、2を中途半端で終わらせて、3に三人の感情のもつれからの事件、そこへ世界が終わるような大異変が起こって、三人の事件が予想外の展開を見せる、といった構成が考えられます。物語が展開した結果のオチは、今のをそのまま活かすようにつなげていいと思います。

 しかし、です。冒頭からは荒廃した世界を淡々と描けています。この雰囲気を活かす方法も考えられます。荒涼とした世界で、この先も救いがない印象を出す方向ですね。現在の作品の雰囲気は、そういう方向性を持っていますが、もっと強めれば作品が深い印象を残すことができそうです。

 1960年代の小説ですが、「百億の昼と千億の夜」(光瀬龍)というのがあります。宇宙全体を世界設定とするスケールの大きいものですが、小エピソードの連続で作られています。テーマを言うとしたら、「宇宙の熱的死に際した人々」です。

(注:宇宙の熱的死とは、予測されている宇宙の終焉の一つ。遠い将来、全ての恒星が燃え尽き、宇宙のどこも絶対零度に近い温度となる。どんな生物も存在しえない世界になって、それが永遠に続くというもの。)

「百億の昼と千億の夜」では、主要キャラが淡々と荒廃していく宇宙を救おうと、星々を巡るのですが、どうしようもないことだけが明らかになっていき、主要キャラもだんだん退場して、最後の一人が静かに歩み去って終わります。どこにも救いがありません。
(小説をコミック化した萩尾望都さんは、あまりに淡々と滅ぶ世界に耐えられなかったのか、1シーンだけ恋愛エピソードを入れている。)

 先行きに希望のない世界を描いてみたいとしたらですが、一度「百億の昼と千億の夜」をお読みになってもいいかもしれません(同じ光瀬龍の「たそがれに還る」も将来に対する諦念を暗示していて、参考になりそう)。

 御作を拝読した感じでは、文体なども含めてもっと淡々とさせて、希望のような絶望、みたいなものを表現してみてはどうかと思いました。

 細かい点だけ少し。キャラの関係性が複雑なせいか、少し分かりにくいものが散見されます。一つだけ挙げてみます。

> (たとえそれが、本物のしずくだとしても。そうしてゆいは現実のしずくを消して、ゾンビとして生まれ変わって、都合良く記憶を改竄して――その時本当にゆいに成り代わったのだろう。その時同時に、そこらへんに転がっている頭部の潰れた『都合の良い死体』に、『いらなくなったゆい』を押し付けたのだ。そういう風に、認識の辻褄を合わせた)
 この、かけすの内心台詞で、「その時本当にゆいに成り代わったのだろう」は、しずくがゆいに成り代わったという意味に取られてしまいます。

 ゆいがしずくとなってことは、キャラ関係がややこしいだけに、明快に表現したほうがいいでしょう。例えば「その時本当にゆいはしずくとなったのだ」などでしょうか。

小説投稿先URL(別タブが開きます)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885194538

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元記事:夜の結者

死の匂いを意識して、不安な雰囲気を書きました。あと、ネーミングセンスをこだわりました。なんでもいいので本音の感想を聞かせてください。お願いします。

上記の回答(夜の結者の批評)

投稿者 じょうじ : 1 投稿日時:

たまにここ覗いてます、タイトル面白そうなので読んでみました。
素人の感想なので話半分に聞いてください。読んだのは一章までです。

まず思ったのが盛り上がりに欠けてます。クライマックスがどこなのかわからないし、一番の主役が誰なのかもわかりませんでした。
最初出た女の子がメインヒロインってのが王道なんですが、そうでもないようでした。加えて色々な人物や用語が出てきて、展開も淡々としてるので結局何が言いたいのかまったくわかりませんでした。
特に気になったのが、確かオノちゃんだったと思うんですけど、彼女が推理を犯人に聞かせるシーン。その描写を場面転換を使って省略するのはさすがにどうかと思います。ここは盛り上がるシーンだと思うのですが。
さらには中盤辺りで、行方君が覚醒して急に戦い方を覚えた描写も理由が省略されてて、主人公がそもそも何かの能力を持っているというご都合主義に拍車がかかって、置いてけぼり感が決定的になりました。
肝心なところはしっかりと尺を取って、いっそのこと読んでる人がくどいと思うくらいの熱量を持って書いたほうがいいと思います。

心理学とかミステリーにありそうなちょっとした小難しい用語が出てきますが、本筋にあまり絡んでいないようなので不要かと思います。なんとなく知ってることを書きたくて書いちゃってる印象を受けました。

好みかもしれませんが、行方君の6歳から9歳までの記憶喪失ってのが好きくないです。記憶喪失で伏線貼るって本当にありがちなんですが、安易にそれやらないでしっかりと設定と背景を練ったほうが絶対に面白い話が作れると思います。そもそもそんな都合よく記憶喪失になるのかって言うのと、殺人を犯したっていう事実だけは覚えてるって言うのは、物語の都合なのが手に取るように伝わってきます。

細かい数字の表現が多いのが、気になります。15、16歳くらいとか、187センチの身長とか。数字を使わずに、シンプルでもいいから言葉で表現したほうがかっこいいと思います。年齢なら、同い年くらい~とか、身長なら、モデルでもやっていそうなくらい背が高い、とか。
数字ばっかだと稚拙に見えます。

自分をコップに例えてるのがよくわからなかったです。後々、明かされるのかもしれませんが、現時点ではあの葛藤の描写は意味不明でした。
人殺しだから筆箱を拾わないって言うのも、なんだかちぐはぐな感じします。もっと説得力が必要だと思います。
人を殺したからってそこまで捨て鉢になるのかっていう疑問と、それが後半わりとあっさり克服されるところも物語が薄味に感じる原因だと思います。
他にもキャラの言ってることや、心理の動きがあまり共感できないです。オノちゃんと行方君のやりとりはほとんど理解できませんでした。
特に、高校生まで生きてて自分の影がないことに気づかないなんてことはないでしょ、と思いました。

あとキャラの心理を視点変更で描くのは、良くないと思います。あくまで主人公は行方君なのだから、少なくとも一章の間は行方君の視点で進めたほうが、感情移入できるし話も入ってきやすいと思います。

小説投稿先URL(別タブが開きます)
https://novelup.plus/story/250908333

要望 : たのもー!(ボコボコにしてください) スレッド: 夜の結者

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元記事:寿国演義 無邪気皇后銀鈴、茶番で投獄されるのこと

 ドラコンです。「創作相談掲示板」「プロット掲示板」でアドバイスをくださった皆さん、ありがとうございます。何とか完成させました。掲示板のほうへ、構想を出していたころが、いちばん楽しかったですね。実際の執筆では、ハイになる特に書きたい場面はともかく、その他の場面は「事務作業」でした。出そうか、出すまいか、迷ったのですが、せっかく完成させられたので、出してみます。

 とはいっても、何度も「創作相談掲示板」「プロット掲示板」「プロローブ掲示板」「旧掲示板」「鍛錬投稿室」に投稿したものの焼き直しですが。それこそ、初出から最大10年前後経っています。覚えておいでの方はいますか?

 書いていて感じたことは、以下の通りです(順不同)。

 1、「中華・時代劇風ファンタジー世界」が上手く表現できているか? 洋服を着ている印象を持たれたくないので、今作ではあえて服装説明を細かくしてみた。その印象は?
 2、香々の故郷が、「シルクロードの町」と感じられるか?
 3、地の文のうち、「発言者を示す」「視点人物の心情」「背景事情」「キャラの仕草や表情」の書き方がよく分からない。発言者を示す部分は、「〇〇がこう言った」の単調になりやすい。
 4、全体的にご都合主義ではないか?
 5、香々が、消えたり現れたり、閉じ込められていても、出たり入ったりするが便利過ぎないか(ご都合主義)?
 6、裁判場面が2回あるなど、同じ内容を繰り返し書いた感じがするが、その印象は?
 7、作中劇『梨妙音伝』は、初出時には簡単に地の文で説明し、後に銀鈴が細かく説明している。このやり方はどう思われるか?
 8、こちらの管理人・うっぴーさんがツイートされている創作論( https://twitter.com/ranokenn )とは、正反対のことばかりやっているのでは? 主人公・銀鈴が、「受け身」「操り人形」では? また、設定ばかり書き連ねているのでは?
 9、特に書きたい場面はハイになった。だが、それ以外の場面や推敲は、「単なる事務作業」の感じがした。
 10、タイトルの印象は? 作品全体のタイトルも、章題も、「出オチ(ネタバレ)」になっているのか? それともこれで良かったのか?
 11、台詞を書いていて、銀鈴、茘娘、棗児、香々が「何でこんなことを知っているのか?」と感じた。
 12、Wordの音声読み上げ機能を使って推敲すると、場面によっては、「録音した自分の声を聞く感じ」の恥ずかしさがある。また、量が多いので読み上げにも時間が掛かる。
 13、どうしても、台詞が「説明臭く」感じる。

上記の回答(寿国演義 無邪気皇后銀鈴、茶番で投獄されるのことの批評)

投稿者 あまくさ : 0 投稿日時:

読了しましたので、感想を書かせていただきます。

文章は安定感があって読みやすかったです。ラノベの標準としてはもう少し軽快さやケレンがある方が受けが良いのかもしれませんが、仮に一般寄りの小説の文章なら特に問題ないと感じます。
中華風ファンタジーの雰囲気もしっかり表現されていました。服飾や料理などの使い方に旧掲示板の頃からこだわっていらっしゃっただけあって、そのへんはかなりこなれていると思いました。
現創作板の方で指摘させていただいた皇后投獄の不自然さについては、序盤から細かい伏線がちりばめられており、工夫されていると思いました。違和感は完全に払拭はされてはいないにしても、かなり緩和されていることは確かでしょう。

全体の印象としては、一言でいうと大人と子供が混在しているみたいな感じ、かな。
文章は一般文芸寄り。設定も、奇をてらうよりも堅実に内容を詰めていこうとしている感じで、落ち着いてじっくり物語世界の雰囲気を楽しみたい読者には合うかもしれません。それでいて、キャラはけっこうハッチャケたところもあってラノベっぽいんですよね。そういうところ、ちょっと不思議な感じの塩梅になっていました。

次に、気になった点をいくつかあげてみます。

皇后投獄問題について。違和感はだいぶ緩和していたと書きましたが、欲を言えばもう一息かなとも。投獄中のエピソードは、幽霊が悪霊ではないことが分かっていない段階では3人の身の危険が予想されてもおかしくないものがあった気がします。にもかかわらずあのような方策をとった理由付けが、やはり少し弱いかもしれません。

例えばですね。
以下の案は説明のための一例で、お勧めするわけではないのですが。

300年前の悪帝・悪妃の流れをくむ一族が宮廷の一部で勢力を保持していることにすれば、かっこうの悪役として使えます。流れを汲むといっても縁が薄いのでそれほど問題視されてはいないというくらいの立場で、秘かに現皇帝一族への悪意を受け継いでいる感じ。

ドラコンさんには本作を陰謀劇にする意図はないことは承知していますが、叛意というほどのものではなく、自身の地位の向上を画策するついでに少し嫌がらせをしてやろうかという程度の悪意もありかなと。
そういう思惑が絡んだ成り行きで事態がややこしくなり、皇帝側もひっこみがつかなくなって見せかけの皇后投獄に至るみたいな。皇后の身が安全と考えた理由は実作に書かれた通りで、しかしながら万一の危険から保護する役割として侍女二人は言い含められていたとする手もあります。
こんな感じでストーリーにメリハリをつけ、理由付けの補強にもなるかなと愚考しました。

気になったことの、その2。

序に書かれた数行の背景説明です。そもそも冒頭にこういう説明文を入れること自体疑問手とされることが多いかもしれませんが、私はそこは必ずしも嫌いではありません。これから読むのがどういう物語なのかを示す道しるべになりますからね。その効果は悪くないと思います。
気になったというのは、書き方にもう一工夫有った方が良いかなということです。
ほぼ同じことが中盤の主人公と幽霊の会話でも出てきましたが、私にとっては中盤の方が分かりやすかったんですね。
理由は、冒頭の記述では300年前の事件と後宮演劇の関係が、あいまいだったからです。二つの出来事が並べて書かれているだけで、つながりが記述されていませんでした。ちょっとしたことなのですが、中盤の会話ではそこが分かりやすく書かれていました。
それでなくても、冒頭の段階では読者の知識はまだ白紙なので、ああ書かれても内容が頭に入りにくいんです。

気になったこと、その3。

終盤の汽車旅行のエピソードは、そこまでの展開とのつながりが薄いように思いました。
とは言え、蒸気機関車はドラコンさんの構想の中では重要な要素なのだろうなとも思います。ならば、これもストーリーの他の要素に絡めて活かすことを考えたいです。

終章の汽車旅行の行先は、幽霊皇后の故郷ではないのでしょうか? 汽車を使えば故郷まで1日半~2日で行けるとのことでしたよね?

以下も私の妄想に近い案ではありますが。

例えば、序盤~中盤に幽霊皇后の故郷の思い出を伏線として散りばめておくのはどうでしょうか? ベタかもしれませんが、獄中の主人公が幽霊の影響で彼女の故郷の夢を見るという手もあります。そんなふうに幽霊皇后の故郷への想いを断片的に読者に仄めかしておいて、最後の汽車旅行で「ああ、あの不思議な風景はこれだったのか」と明示する要領です。

繰り返しますが、私があげた案は感想としては僭越というか、いささか踏み込みすぎかもしれません。
ただ、ちょっと感じたのは、本編はいくつかのパーツにややバラバラ感があるかなということです。一方でキャラは好感が持てましたし、後宮演劇、茶番裁判~投獄の顛末、過去の悲劇、蒸気機関車の旅など、一つ一つのパーツはけっこう魅力的で、手堅く書かれてもいました。なので、パーツをつなげる工夫をして物語に一貫性を持たせてほしいなとは感じました。
別にプロや公募・書籍化を望んでいなくても、せっかく書かれた作品なのですからささやかな反省会みたいに少しでも良い作品にすることは目指してもよいのでは。

私からはこれくらいです。
執筆、お疲れさまでした。

小説投稿先URL(別タブが開きます)
https://ranove.sakura.ne.jp/1story_system/public_story/03084.shtml

要望 : 長所を教えてください! スレッド: 寿国演義 無邪気皇后銀鈴、茶番で投獄されるのこと

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ライトノベル作法研究所管理人うっぴー /運営スタッフ:小説家・瀬川コウ:大手出版社編集者Y - エンタメノベルラボ - DMM オンラインサロン

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