自分で自分の作品をアピールする事が憚られる為、頂いたレビューを転記させて頂きます。
見せてもらおうか! サイエンス・フィクションの魅力とやらをッ!
・2足歩行ロボットとか存在理由なくね?
・ビームサーベル? ビームなら飛ばせよ。
・なんで主人公こんなに強いの?
・十代のガキ共ばっかウジャウジャと。知識と熟練の勘が求められるパイロットなんてマトモに出来ねえだろ。
よくあるロボット物を読む上で引っ掛かる、そして「お約束」の名の元に無視されることも少なくないこれらの疑問に、この作品はすべて答えています。
それが「現実の地続きとしての異世界」を作り出し物語をリアルに感じさせるわけです。
宇宙戦艦や二足歩行ロボット、ナノマシンが当たり前に存在する異世界ですが、その物語舞台は政治背景、文化的側面、各組織の戦略的立ち位置等まできちんと言及されており「お約束」で逃げるような妥協は一切ありません。
故に、この物語は普段SFを読まない人にこそお勧めです。
「お約束」に逃げない確かなリアルがそこにあります。
始めまして、平野ハルアキと申します。
1―3まで拝読させて頂きました。その後は拾い読み、流し読み程度ですがいくつかの話を拝読させて頂きました。
かなり手厳しい評価になるかと思いますが、ご了承下さい。不快であれば、無視して頂いて結構です。
全体的な感想を一言で表しますと、「ガンダムその他作品の引用、パロディばかりで、読んでいて白ける」作品と感じました。
読者は「あなたの作品」を見たいのであって、「ガンダム」を見たい訳ではありません(ガンダムが見たければビデオを借りるなりすれば済む事です。あるいは、ガンダムの二次創作が許可された小説投稿サイトなど)。
第一話の初っ端から丸々ガンダムナレーションの引用から始まり、その後も「シャア」や「フロンタル」と言ったガンダム登場人物の人名がそのまま登場し、「タイラー」「ロストカルチャー」「フォースチャイルド」と言った既存の作品を彷彿とさせる名称が続きます。
正直、なろう運営から盗作判定を受けても文句は言えないレベルですし、それを差し引いても「この作品独自の魅力」を全く感じません。
以下、特に気になった箇所へ指摘を行います。
まず、あらすじの段階で突っ込みどころが生じています。
何故、マーズ共和国は宣戦布告してすぐに攻撃を開始しないのでしょうか? 「一年以内に自治を認めろ」とは、敵に対して「侵攻に備える、対策を講じる余裕を一年与える」のに等しい行為であり、明らかな戦略ミスです。
また地球連邦政府は「共和国軍の20億人という途方もない規模」を開戦(宣戦布告)後にようやく把握しました。つまり、連邦政府はマーズ共和国(スペース3)の戦力を事前に把握していなかった、と言う事です。「自治」を要求している以上、スペース3は連邦政府の統治下にあるはずであり、自分達の統治下にあるはずのスペース3の戦力(しかも20億人と言う大規模)を把握出来ていないと言うのは、あまりに不自然です。
一話
※「『ロスト・カルチャー』は文明破壊世界事変で失われた歴史や文化を持ち得る重要な存在だ。特に、現代では失われた宗教的な概念を持つという意味で時に危険な存在でもある」
まず、上記の文からは「文明破壊後の世界では宗教的概念は存在しない」と解釈で出来ますが、その状態で一体どのように「まともな社会秩序」を形作る事が出来るのでしょうか? 社会にとっての宗教とは、PCやスマホにとっての「OS」に当たる極めて重要なものです。実際日本では、明治政府及び戦後のGHQが「国から宗教をなくそう」として実行しようとした結果、「ロクでもない事となる」と言う教訓だけが残った、と言う実例があります。
ごく単純な例では「冠婚葬祭」に関わりますし、文化や文明の発達にも深く関わります。さらに根本的な例で言えば、「ヒト同士」で「神」と言う絶対的な存在を共有していたからこそ、ヒトは家族単位以上で団結する事が可能となり、「社会を築く」事が出来ました。
また、何故宗教的な概念を持つと危険なのでしょうか?
例えば三話で「観音開き」と言う宗教的概念を元にした単語が登場しますが(地の文ですが、本作世界では宗教的概念が消失しているため、恐らくクロウ視点での認識であると判断しました)、これによりどのような危険性が発生するのでしょうか?
その辺りの描写が全くありません。
二話
※「リッツ大尉、アクウ中尉、艦内での敬礼を原則禁止という案なのだが、再考してくれないか? どうも私に対してだけ、クルーは未だに敬礼するし、艦に戻る度にこれでは息が詰まるのだが」
「ふー、常々、承服出来ない命令には従わなくてよろしいと言っているのが仇となったな」
「敬礼しなくて良い(=相手に敬意を払わなくても良い)」と言う状態は、「絶対的な上下関係」が要求される軍組織としてまともな秩序が保てる状態ではありません。
しかもタイラー艦長は、「承服出来ない命令には従わなくてよろしい(=嫌なら上官の命令を無視して良い)」とまで言っています。完全に軍としての秩序が崩壊しており、現状つくばは戦力として全く期待出来ない、むしろ「極めて危険な存在」とすら言える状態です(部下達が命令を無視し、何をしでかすか全く分からない)。
地球連邦軍は可及的速やかにタイラーを艦長職から解任した上で、つくばに新たな艦長を迎えるべきです。
三話
※「この扉を開けてしまえば、君はきっと後戻りできなくなるだろう。それでも君はこの扉を開けるかい? その最初の意思を私は尊重したい」
4000年も未来に飛ばされ元の時代に帰る事も出来ないクロウにとって、コンテナの扉を開けようが開けまいが後戻り出来ない事に違いはありません。そもそも事前に「このコンテナは君の物。開ければ分かる」と重要物である事を仄めかし、クロウが開ける判断をする方向へと誘導しておいて「意思を尊重したい」とは、単なる責任転嫁です。
その上、中に入っていたのは「家族からの手紙」と言う非常に大切なものです。真っ先に(あるいは本人が落ち着いてから)手渡すべきものであり、それを演出めいたやり方で手渡すタイラーには、最大級に控え目な表現を取っても「嫌悪」しか感じません。「酷なことをしているのかもしれない」と自覚がある分、より悪質です。
以下、レビューの文面を前提にした突っ込みです。
レビューそのものは読者が書いたものですが、それを作者様がご自身の意思でコメント欄に載せた以上「作者様本人もこの言葉に納得している。作者様本人の意思である」と受け取らせて頂きます。
10ー2から10-4を拝読したのですが、
何故、戦闘中に敵対しているパイロット同士が会話しているのでしょうか? 単純に全く意味がありませんし、場合によっては通信で自機の位置を悟られる危険性すらあります。
※クロウもデックスのビームライフルを投げ捨てた。クロウのビームライフルは弾切れという訳では無かったが、相手に合わせた格好だ。
何故、相手に合わせる必要があるのでしょうか? 敵は弾切れなのですから、有利な遠距離戦を仕掛けるべきです。
そもそも何故、宇宙空間で戦うロボットが格闘戦を想定しているのでしょうか?(実際、マリアンは宇宙で蹴りの攻撃を仕掛けています) 宇宙では、あらゆるものが秒速数百メートル以上の速度で飛び交っています。敵機とも一瞬ですれ違いますし、仮に刃同士を接触させても「ロボット本体」は止まりませんので、そのまま正面衝突を起こします。
※だが、その開発段階において、同じ『人型兵器』との格闘は最低限しか想定されていない。
ならば何故、ビームサーベルを装備させたのでしょうか。ビームサーベル(及び敵機のヒートアックス)は、一体どのような事態を想定して装備させているのでしょうか。
それとも、「最低限の想定」の結果がこれら装備なのでしょうか。しかし前述の通り、そもそも宇宙で戦うロボットが格闘戦を想定する必要があるかどうか分かりません。
またそれ以前に、何故戦闘ロボットが「有人」である必要があるのでしょうか? 4000年も未来であるにも関わらず、無人機、あるいは無線遠隔機ではない(そもそもつくば自体、自動化が行われている形跡すらありませんし、自動車ですら未だ運転手を必要としている状態です)のは何故でしょうか?
普通であれば、余程酷い描写でない限り私はあまり気にしません。何故なら「お約束」だからです。
以上です。ご無礼、失礼しました。