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幻想砂漠(仮題) (No: 1)
スレ主 柊木なお 投稿日時:
目的:趣味で書く
要望:欠点の指摘歓迎!
カテゴリー:SF
あらすじ
物語の舞台は、人間の脳をサーバーとしたVR空間〈レーヴ〉。
体感型のマインクラフトのようなもので、ユーザーはあらかじめ用意された素材を使って自由に世界を構築したり、共通のプラットフォームを介してサーバーを行き来したりできる。
「第二の現実」がコンセプトで、ゲームとしてはもちろん、その利便性ゆえに社会の様々な場面で活用されている。
主人公のクラウはかつてレーヴの開発部で働いていたが、とある事件に関わった容疑で追放されてしまった。現在は、黒猫の姿をした相棒のエルと共に、非正規ルートで人や物を扱う「運び屋」として生計を立てている。
ある日、いきなりオフィスに現れた正体不明の少女アリスから、明後日の正午までに大陸の反対側にある街まで送ってほしいと依頼される。広大で危険な荒野を横断しなければ到底間に合わず、クラウは不可能だと一蹴する。しかし、なぜか彼の経歴を知っているアリスから、かつての容疑を晴らし、技術者として開発部に戻る道を報酬として示される。相棒のエルは「金さえもらえれば何でもいい」というスタンスを崩さず、クラウは迷った末に承諾する。
目的地までの足として、当初は小型トラックのようなものを想定していたが、「狭いのは嫌」というアリスのわがままにより、立派な居住空間を備えた装甲車を使うことにする。知り合いに頼んで設計図を書いてもらい、アリスの十分すぎる予算にものをいわせて、装甲車を「生成」する。生成には時間がかかるので、完成までのあいだいったん解散する。こっそり再集合したクラウとエルはアリスの正体と目的について話し合うが、彼らの超一流の知識と技術を持ってしても、彼女がどこからやってきた何者なのか、情報はまったく掴めない。
荒野に突入してすぐ、巨大な異形の怪物に追いかけ回される。「B級映画じゃねえんだぞ」と毒づきながら運転するクラウを尻目に、エルとアリスは呑気にお茶会を続けている。たまらず文句を言うと、エルはしぶしぶ仕事に戻る。クラウは焦り過ぎて気づかなかったが、怪物は実体のない映像に過ぎず、エルが作業を開始してから数分で消える。「なんで早く言わないんだ」と憤るクラウに、エルは一言。「あなたからはお金もらってないから」
数時間が経過。エルとアリスはすっかり打ち解け、自動運転に切り替えたクラウはすっかりいじけて、狸寝入りを決め込んでいる。こっそりふたりの会話を聞いていて、ふとアリスの受け答えに違和感を覚える。が、気にしないことにする。外では相変わらず砂嵐が吹き荒れているが、装甲車の中はいたって平和そのもの。
さらに数時間経過。トラブルが発生し、ジャングルのような異空間に放り出される。激しい口論になって、アリスは装甲車を出ていく。子供じみた態度をエルに叱られて、クラウはしぶしぶアリスを追いかける。森の中を探し回り、凶暴な猿の姿をした白血球(レーヴ上で侵入者を排除するプログラム)に襲われていたアリスを助ける。自分の昔話を少しだけ語って、アリスと和解する。
なんとか元の空間に戻る。目的地まであと少し。仮眠をとっていたクラウをエルが起こし、アリスに関する手がかりを掴んだと言う。彼女の主張は、アリスは現実に存在する人間ではなく、レーヴ上でのみ意識を保っている人工知能であるというもの。いつの間にか後ろにいたアリスに話を聞かれる。クラウは直接アリスに尋ねるが、はぐらかされる。数時間前にもアリスの受け答えに対して覚えた違和感を思い出す。とあるテストを試し、目的地の街に向かうのがアリス自身の意思ではないこと、アリスは目的地に到着するか、一定時間経過後に起爆する人格を持った爆弾プログラムであること、そのことを他人に話せないように行動を制限されていることに気づく。それはかつてクラウが冤罪をかけられ、開発部を追放される原因となった、自由意志を束縛するプログラム〈リベレ〉だった。クラウたちはまた、レーヴの裏側で進行する巨大な陰謀と、組織のために利用されている多くの〈アリス〉の存在を知る。
アリスの爆弾は、レーヴ上のデータを破壊するだけでなく、現実の人間にリベレを感染させるというもの。とんでもない自爆テロの片棒を担がされそうになったクラウとエルは、アリスを見捨てて逃げるのではなく、敵の裏をかいて彼女を救うことを選ぶ。タイミングを失敗すれば三人もろとも木っ端微塵のリスクのなか、クラウたちは作戦を成功させ、アリスを爆弾からもリベレからも解放することに成功する。
目的地の街。海を望むホテルの一室。アリスは開発部への復帰という餌でクラウを騙していたことを謝るが、クラウはいまさらどうでもいいと笑い、エルにすら話したことのなかった自分の夢を語る。隠れて盗み聞きしていたエルに対して、運び屋の廃業とパートナーの解消を宣言する。エルは「正義のヒーローと金儲けは両立する」という理由で、引き続き彼の元に留まるという。
クラウはアリスに対して、「お前はどうしたい?」と問う。
三人は新たなチームを結成し、陰謀に立ち向かい〈アリス〉たちを救う旅に出る。
キャラクター
クラウ
皮肉屋でプライドの高い青年。
レーヴの仕様について、変態オタク的に詳しい。
エル
黒猫のアバターを被った守銭奴で、天才ハッカー。
声は若い女だが、それ以外の素性は不明。
アリス
依頼人の謎の少女。クソ生意気。
参考作品
ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」、クリストファー・ノーラン「インセプション(映画)」
作者コメント
細かい部分の説明は省きつつ、ざっと流れを書きました。
SFアクションとロードムービーが半々といった感じでしょうか。
とりあえず、
1)プロットに過不足がないか(あるとしたらどこをどうすればいいか)
2)キャラクターの動きに不自然なところはないか
について、ご意見をお聞かせ願いたいです。
もちろんその他のアドバイスもお待ちしております。
(それとプロローグ掲示板の同題No.7に冒頭を載せているので、よろしければそちらのほうにもご意見を頂けるとありがたいです)
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- 2点ワールドメイカー(新タイトル) ( )
- 0点幻想砂漠(仮題) ( )
一番興味を惹かれるタイトルを選んでください
幻想砂漠(仮題)の返信 (No: 2)
投稿日時:
どなたも回答されていないようですので、僭越ながら思ったことを書いていきます。
私のことは『場の賑やかし』程度に思ってください。合わないところは流していただければ幸いです。また、他の方の意見と分かれた際は、そちらの方の意見を参考にられることをお勧め致します。
ちなみに、他掲示板の最新のプロローグは拝読済みです。
さて、作者コメの疑問にお答えする前に確認したいことがあります。
①尺はどれ程のものを想定されているのか?
②対象読者層は考えているのか?
①について。
短編の間で収まる尺であるのなら、多少の謎は『読み切りという形でゴリ押す』ことが出来そうです。
長編で書くなら、それ相応の説明が要ります。また、現状のプロットの展開だけでは弱いように思います。
(といっても、書き方次第でどうにでもできると言えば、出来ると思いますが)
②について。
どこまでの読者を受け入れて、どこからを切り捨てるのかという話です。
御作はSFなわけですから、世界観の説明はいわば醍醐味とも言えましょう。ですがラノベを欲する人の多くは、世界観よりもキャラやストーリーの方に興味があると思います。
SFをがっつり書くのか、逆にキャラやストーリーを重視して書くのか。あるいはその中間を目指すか。
小説を書く上で骨組み(プロット)作りは重要ですが、それ以外の外堀(①と②)について考えてみるのも良いかもしれません。
作者コメに回答するにあたり、勝手ながら『①長編②中間』という設定で書いていきますね。
あらすじを読んでまず思ったのが、時代背景・文明レベルがよく分かりませんでした。ファンタジーの世界、でしょうか。レーヴがある時点で、現代社会よりかは発展していそうです。
装甲車を生成するという表現はかなり謎でした。もしかしてですが、主人公たちは常にレーヴの中にいて、物語もレーヴの中で進行していくのでしょうか?
新プロローグでは、突然少女の姿がかき消えて面食らいました。
時間が無いのに少女が我儘を言うのはどうかと思いますし、一流らしい主人公がその我儘を受け入れるのも不自然・不真面目に感じます。
新プロローグの方では(行き来してすみません!)、「クソガキにはお仕置きが必要だよな?」と言って消えた少女を追う感じになってますが、理由がこれですと動機として納得がいきません。
新プロローグでは書かれていませんでした『〜技術者として開発部に戻る道を報酬として示される。』は、あった方が良いように思います。
レーヴについても謎が多いです。主人公の生い立ちからしても、作中で詳しく説明する必要が出てきそうです。この辺り、設定を用意してあるのなら問題は無いと思います。
『①について』で触れましたが、これだけでは展開が弱い・少ないように思います。
物語の半分はロードムービーとありますが、それが吉と出るか凶と出るか……分かりませんが、私は危惧しております。
気になる問題点を挙げます。
SFというジャンル上説明が複雑になりがち、主人公のキャラが立っていない(回想まで。回想でどこまで立てられるか……。にしても遅い気がします)、物語中盤を超えてからアリスの真実を知っても驚くほどの衝撃にはなりにくそう。チャプター1か2あたりの早い段階で明かしても良さそうに思う。(これも道中の描き方次第な所はあると思いますが)。
世界観の説明と回想パート(エルとクラウの関係についても触れる必要がありそうですし)で、展開が間延びしないかが心配です。
ここまで書いておいてひっくり返すようなことをするのは申し訳ないのですが、一つ提案があります。
それは、あらすじを全てバックボーンとして使い、『三人は新たなチームを結成し、陰謀に立ち向かい〈アリス〉たちを救う旅に出る。』ここから物語を出発させる。
主人公たちの仕事ぶり・チームワークの良さの理由を知ろうとする新キャラを追加する。(理由は主人公に一目惚れしたとか、適当)。少しずつ過去を知りながら、今目の前の問題を解決していく……的な感じで物語を進めていく。
まあ受け入れ難いこと言ってるなあ、と自分でも思っております(汗)。何かの参考になれれば幸いです。
新作、応援しております!
(抜けがありましたら、ごめんなさい!)。
良かった要素
オリジナリティ
ワールドメイカー(新タイトル) (No: 3)
投稿日時:
日暮れ様
ありがとうございます。
お付き合いいただき感謝します。
かなりの抜けがあったようです。ご指摘ありがとうございます。
①尺はどれ程のものを想定されているのか?
今のところ、エピソード(シーン)は18個まで増えていて、雑に1シーン2500字として、大体45,000字ぐらいの尺を想定しています。まだまだ追加したり没にすると思いますが、総数が今より減ることはないかなと。投稿するとしたら長編の間で、実際は長めの短編といった感じでしょうか。
②対象読者層は考えているのか?
想定読者(作品の方向性)についてですが、今回はストーリーとキャラクターを重視し、
・主人公たちは無事目的地の街に辿りつけるのか
・主人公の子供じみた態度の理由は何なのか。今回の旅を通じて少しは大人になれるのか(アリスと和解できるのか)
を中心に書こうと思っています。
SFの設定はあくまで舞台装置なのですが、日暮れ様のご指摘を受け、改めて匙加減の難しさを感じています。
以下、自分用のメモを兼ねて、個別の点について返信させていただきます。
> あらすじを読んでまず思ったのが、時代背景・文明レベルがよく分かりませんでした。ファンタジーの世界、でしょうか。レーヴがある時点で、現代社会よりかは発展していそうです。
> 装甲車を生成するという表現はかなり謎でした。もしかしてですが、主人公たちは常にレーヴの中にいて、物語もレーヴの中で進行していくのでしょうか?
近未来ですが、終始レーヴ上で進行することを考えています。なので感覚的にはファンタジーに近いかも知れません。
そのことを最初に示す必要がありそうですね。ご指摘ありがとうございます。
物語が仮想空間上でほぼ完結するので、今回はSF的な世界観(歴史や動機など)はいったん脇に置いて、先に作中のルールだけ説明し、単純なアクション/ロードムービーとして読めるようにしたいです。あとは旅の中で小出しにSFっぽさを出していければいいなと。
> 時間が無いのに少女が我儘を言うのはどうかと思いますし、一流らしい主人公がその我儘を受け入れるのも不自然・不真面目に感じます。
ここはちょっとニュアンスが変わって(というより投稿時点では何も考えてなかったです。すみません)、
アリスが「24時間休憩もないのに狭いのは嫌」と文句をつける。
→クラウが「客は黙って運ばれてろ」と言って喧嘩になる。
→エルが自分も大きな乗り物に賛成と口を挟む。
→クラウが「じゃあお前らの好きにしろ」と議論を放棄する。
という流れになりました。
エルは別のプロフェッショナルの立場からアリスと同意見で、クラウもそれはわかっているけれど、エルが自分を裏切ってアリスの味方をしたようで内心面白くない、という構図です。
不真面目というわけではないですが、かなり子どもじみたところはあって、旅を通じて成長できるか(なぜそんな態度なのか)がひとつの軸になります。
> 新プロローグでは書かれていませんでした『〜技術者として開発部に戻る道を報酬として示される。』は、あった方が良いように思います。
紛らわしくてすみません。投稿分はプロローグの前半で、後半がその展開になります。
具体的には、
武装してアリスに会いに行く。
→クラウ:巨大な拳銃を突きつけて脅す
→アリス:まったく動じず、むしろ大げさな武器を持ち出してきたことを小馬鹿にする
→ク:相手にせず、「理由次第では考えてやってもいい」
→ア:「海が見たい」
→ク:「おちょくってんのか?」
→ア:「報酬が出ればどうでもいいでしょ?」
→ク:「金で何でも買えると思うなよ」
→ア:「誰がお金だけって言った?」
からの技術者云々の流れになります。
> レーヴについても謎が多いです。主人公の生い立ちからしても、作中で詳しく説明する必要が出てきそうです。この辺り、設定を用意してあるのなら問題は無いと思います。
このあらすじを書いた時点ではぼんやりしていましたが、今は設定自体はほぼ決まりました。それに伴ってプロットの後半はかなり変わりました。が、もう少し考えてみようと思います。
> SFというジャンル上説明が複雑になりがち、主人公のキャラが立っていない(回想まで。回想でどこまで立てられるか……。にしても遅い気がします)、
↑の乗り物を選ぶ場面のような個々のエピソードや台詞でキャラ立てしようと思っていましたが、確かに本筋の部分で早めに示せていないのは問題ですね。考えてみます。
> 物語中盤を超えてからアリスの真実を知っても驚くほどの衝撃にはなりにくそう。チャプター1か2あたりの早い段階で明かしても良さそうに思う。(これも道中の描き方次第な所はあると思いますが)。
ちょっと迷い中です。アクションとしては早目に爆弾の存在を示したほうが緊張感が増しそうですが、ロードムービーとしては「衝突ばかりだったアリスとようやく仲良くなったと思ったら…」というタイミングのほうが王道っぽいかなと。どちらにせよ序盤に何らかの伏線は追加しようと思います。
> 世界観の説明と回想パート(エルとクラウの関係についても触れる必要がありそうですし)で、展開が間延びしないかが心配です。
今回は説明だけのパート、回想だけのパートはなしにしようかと思っています。間延びはしないと思いますが、逆に説明不足で分かりづらくなったり、唐突になったりしないよう気をつけたいです。
> ここまで書いておいてひっくり返すようなことをするのは申し訳ないのですが、一つ提案があります。
> それは、あらすじを全てバックボーンとして使い、『三人は新たなチームを結成し、陰謀に立ち向かい〈アリス〉たちを救う旅に出る。』ここから物語を出発させる。
> 主人公たちの仕事ぶり・チームワークの良さの理由を知ろうとする新キャラを追加する。(理由は主人公に一目惚れしたとか、適当)。少しずつ過去を知りながら、今目の前の問題を解決していく……的な感じで物語を進めていく。
面白そうではあるのですが、そこまでひっくり返ると、また一から考えないといけなさそうですね…。すでにそこそこ作業が進んでいるので、次回以降の展開として参考にさせていただきたいと思います。ご提案ありがとうございます。
丁寧なコメントをありがとうございました。非常に参考になりました。
もし新たなご指摘がありましたら、ぜひお願いします。
そうでなければ、このコメントに対する返信はお気になさらず。
日暮れ様の新作も楽しみにしております。長編でもそれ以外でも。
それでは。
タイトル案
ワールドメイカー(新タイトル)
幻想砂漠(仮題)の返信 (No: 4)
投稿日時:
返信ありがとうございます。
①と②承知しました。
>近未来ですが、終始レーヴ上で進行することを考えています。
となると、アクションシーンで緊迫感を演出するのが大変そうだなと思います。読者に「どうせ仮想世界での出来事なんでしょ?」と思われてしまえば、一気に熱が冷めてそれまでな気がします。
『アリスの爆弾は現実の人間にリベレを感染させる』という設定の開示もだいぶ後になるようなので、そこまでのアクションシーンでは何か対応策を考えたほうが良さそうです。
人間ドラマのシーンを作るにしても、「どうせ仮想世界での出来事なんでしょ?」と白けさせない内容にする工夫が必要そうです。
>単純なアクション/ロードムービーとして読めるようにしたいです。
ロードムービーとのことですが、プロットを読む限りですとロードムービー感を感じないんですね。おそらく書かれていないだけで、道中でそれらしい展開をたくさん考えられているとは思いますが。ラストの展開が思い切りエンタメラノベ展開なのと、文字数的にもロードムービーとラストの展開を上手く隔てて切り替えられるのか……心配です。
>エルは別のプロフェッショナルの立場からアリスと同意見で、クラウもそれはわかっているけれど、エルが自分を裏切ってアリスの味方をしたようで内心面白くない、という構図です。
了解です。以下は私の考えです。
エルに考えがあるように、クラウにも「客は黙って運ばれてろ」と言った理由があると思うのですよね。それは仕事を上手くいかせるためのクラウなりの発言なのだと思います。大げさに言えば『仕事に対する信念』のようなものから出た言葉で、それをすぐに曲げてしまうクラウは、私は「仕事に対して誠意がない人・不真面目」と感じました。
言い方を変えれば、「ゆる~い感じで仕事をやってるな~」と。
>不真面目というわけではないですが、かなり子どもじみたところはあって、旅を通じて成長できるか(なぜそんな態度なのか)がひとつの軸になります。
良い要素だと思います。
>紛らわしくてすみません。投稿分はプロローグの前半で、後半がその展開になります。
そうだったのですね!すみません、でしたら忘れてください(恥ず)。
>ロードムービーとしては「衝突ばかりだったアリスとようやく仲良くなったと思ったら…」というタイミングのほうが王道っぽいかなと。
仰ることは良くわかるつもりです。
括弧内にも書きましたが、道中の描き方次第な所はあると思いますので、その方向で行くのならそれも有りだと思います。その間の読者の興味をどうやって引き続けるか、これが御作の肝になりそうです。
>面白そうではあるのですが、そこまでひっくり返ると、また一から考えないといけなさそうですね…。
まあそうですよね(笑)。私も受け入れらると思っていないので、スルーくださいませ。
うーん、正直なことを言ってしまうと、個人的な心配要素が多すぎて、面白い小説になるのかちょっと疑問を抱いています。
これも個人的な考えですが、
私は柊木なおさんのこと、物語を創造する力はあると思っているし、文章力も表現力もお持ちだと思ってます。ただ一点、構成力(もっと言うなら物語の展開力)が弱いところかなと(私も人のことまったく言えないのですが(汗))。
構成が上手くいっていればその他の執筆技術も噛み合うように上手くいって、逆に構成がうまくいっていないと、その他の技術も道連れ的に変になる・悪くなる、そんな印象があります。
文章を矯正するような話も出てましたが、私としてはそれには反対で、なぜ小説という戦場に赴くのに武器を削ってしまうのか……直すべきところは勿論直したほうがいいと思いますが、その見極めもまた大事かと。柊木なおさんがどういう小説道を歩んで行きたいのか分からないので、これ以上勝手なことを言うのは控えておきます。
最後に。
構成面ーー具体的には、読者の興味をどうやって引き続けるのか?ここに注力された作品創りを勝手ながらお勧めいたします。
>日暮れ様の新作も楽しみにしております。長編でもそれ以外でも。
ありがとうございます。……最近は全然書けてなく、頑張りたいと思います!
良かった要素
ストーリー オリジナリティ
幻想砂漠(仮題)の返信の返信 (No: 5)
投稿日時:
日暮れ様
返信ありがとうございます。
わかりやすく整理してくださり、大変ありがたいです。
>となると、アクションシーンで緊迫感を演出するのが大変そうだなと思います。読者に「どうせ仮想世界での出来事なんでしょ?」と思われてしまえば、一気に熱が冷めてそれまでな気がします。
>
おっしゃる通りだと思います。自分としても当初から念頭にあって、荒野に踏み入るのは開発陣からすれば想定外の行為であって、通常の領域のような安全は保障されない(下手をすれば現実で植物人間になる)という前提があります。つまり、荒野を突っ切って大陸を横断するのはいわば非公式の裏技という感じで、作中では「バグで遊ぶならセーブデータが飛んでも文句は言えない」というような表現で、出発前に説明されます。
> ロードムービーとのことですが、プロットを読む限りですとロードムービー感を感じないんですね。おそらく書かれていないだけで、道中でそれらしい展開をたくさん考えられているとは思いますが。ラストの展開が思い切りエンタメラノベ展開なのと、文字数的にもロードムービーとラストの展開を上手く隔てて切り替えられるのか……心配です。
どちらかに絞った方が良いのかもしれません。少し考えてみます。
> 了解です。以下は私の考えです。
> エルに考えがあるように、クラウにも「客は黙って運ばれてろ」と言った理由があると思うのですよね。それは仕事を上手くいかせるためのクラウなりの発言なのだと思います。大げさに言えば『仕事に対する信念』のようなものから出た言葉で、それをすぐに曲げてしまうクラウは、私は「仕事に対して誠意がない人・不真面目」と感じました。
> 言い方を変えれば、「ゆる~い感じで仕事をやってるな~」と。
なるほどです。私のイメージとしては、すぐ機嫌に左右されて自分でもそれを自覚している、という感じでしょうか。クライマックスには、そうした欠点に対する相応の理由(過去)と成長した見せ場を用意するつもりですが、序盤にどういう印象を持ってもらいたいかというのは、改めて考えてみようと思います。
> うーん、正直なことを言ってしまうと、個人的な心配要素が多すぎて、面白い小説になるのかちょっと疑問を抱いています。
たしかに課題は多そうです。ここまでお付き合いいただいてこんなことを言うのもなんですが、当たって砕けろの心持ちでとりあえず書いてみようかなと。もちろん投げやりにはならず、自分なりに少しでも面白いものを目指したいとは思っています。
> ただ一点、構成力(もっと言うなら物語の展開力)が弱いところかなと
同じように自覚しています。実を言うと、自分の全執筆歴1年半のうち、最初の1年はストーリーも何もない短めの散文を毎日書き散らしておりまして、構成や展開といったものを少しでも意識するようになったのは、こちらのサイトに初めてお邪魔した半年ぐらい前からなのです。長編だと雰囲気や勢いで誤魔化しが効かないので、むしろ積極的に挑戦していきたいと思います。
> 文章を矯正するような話も出てましたが、私としてはそれには反対で、なぜ小説という戦場に赴くのに武器を削ってしまうのか
すみません。これはおそらく完全に誤解で、文章を矯正しようともできるとも思っていません。ただ現状が「最高だ!」「素晴らしい!」とも思っていないので、いろんな文章を読んだり真似したり、他の人の意見を聞いたりしながら、自分なりに納得のいくものを目指したいな、という話でした。今までの経験から言っても、色気を出して誰かの真似や研究をしてみたところで、根っこの部分はずっと同じままなので、そういう心配は自分では全くしていません。が、お気遣いいただけるのはとても嬉しいです。ありがとうございます。
> 構成が上手くいっていればその他の執筆技術も噛み合うように上手くいって、逆に構成がうまくいっていないと、その他の技術も道連れ的に変になる・悪くなる、そんな印象があります。
>
> 最後に。
> 構成面ーー具体的には、読者の興味をどうやって引き続けるのか?ここに注力された作品創りを勝手ながらお勧めいたします。
勉強しつつ、試行錯誤してみます。
作品に関しても執筆に関しても沢山のアドバイスをいただき、ありがとうございます。
いろいろと課題はありますが、肩肘張らずにぼちぼち書いてみようと思います。
それでは。
幻想砂漠(仮題)の返信 (No: 6)
投稿日時:
こんにちは
アリスが〇〇だったと分かりそれを何とかするまで書かれていて、アリスを使った話のまとめかたが良かったです。
そしてここからは課題になります。
あらすじをネットプリントでもいいのですしコピーしてきて、作中の現実世界で起こっている文章にマーカーペンで赤色を塗り、仮想現実で起こっている文章に青色の線を引いてみてください。
序盤以降、
だいたいが青色(仮想現実)となっておりそれ自体は問題ではないのですが。
後半に、『現実の人間にリベレを感染させるというもの。』とあります。
ここでてくる現実の人間というワードですが。
この物語における現実についてほとんど書かれていないので、現実が何か、分かりません。
もしかしたらこの言葉だけでは何のことか分からないかもしれません。
例えばSAOではデスゲームが始まります。
プレイヤーは口々に現実に帰ったら何をするだったり、元いた現実とSAOの違いをよく喋っています。フィクションなんだからその世界の住人がどうなろうとどうでもいいと思って読み始めるのが読者です。
SAOは1度ゲーム内に入ると現実世界(外側)にでることはありません。
この物語でも外側に出ないでもいいですし。
レーヴの開発部を追放されてしまった主人公がだいたいが仮想世界で、たまに現実に戻って外を歩く、現実と仮想世界を行き来する。SAOとは違うスタイルの作品もたくさんあります。
現実の人間にリベレを感染させる、とするなら現実と仮想現実について書かれているか? 全体のバランスを意識されるのがいいのが1点と。
長編として書くなら内容の重さ(現実の人間にリベレを感染させるというもの。)に対して展開の数が不足しているのと。装甲車で数時間移動するだけで、爆弾プログラムまで分かるのはだいぶ力技(文章力)が必要だと思われます。
もし2~3万字くらいを想定されているなら。
『数時間前にもアリスの受け答えに対して覚えた違和感を思い出す。とあるテストを試し、目的地の街に向かうのがアリス自身の意思ではないこと、アリスは目的地に到着する。
目的地の街。海を望むホテルの一室。アリスは開発部への復帰という餌でクラウを騙していたことを謝るが、クラウはいまさらどうでもいいと笑い、エルにすら話したことのなかった自分の夢を語る。』
これくらいで終わらせてから、また次の話で爆弾などをいちから作っていく。
つまり、長編とするなら展開が足りておらず。
2~3万字なら内容を削って次に回すかしないと、内容が重たいため、手がまわっていないが2点目でした。
ーー ーー
2)キャーラクターの動きに不自然なところはないか
『荒野に突入してすぐ、巨大な異形の怪物に追いかけ回される。「B級映画じゃねえんだぞ」と毒づきながら運転するクラウを尻目に、エルとアリスは呑気にお茶会を続けている。たまらず文句を言うと、エルはしぶしぶ仕事に戻る。クラウは焦り過ぎて気づかなかったが、怪物は実体のない映像に過ぎず、エルが作業を開始してから数分で消える。「なんで早く言わないんだ」と憤るクラウに、エルは一言。「あなたからはお金もらってないから」』
「なんで早く言わないんだ」と憤るクラウ。
クラウは開発部にいたほど優秀でたいていのことなら知っているはずが、エルが作業を開始してから数分で消えるについて、なぜ気づかなかったのでしょうか。
巨大な異形の怪物に追いかけ回される。
シチュエーションとしては面白いのですが。
巨大な異形の怪物に追いかけ回されるで繰り広げられる、ハラハラドキドキがエルの気まぐれで終わってしまうオチでした、となると、今のところよく分からない後出しじゃんけんで前半がギャグに思えてしまい。
読んでがっかりしてしまった、物語から冷めたという読者がでてきます。
怪物は実体のない映像に過ぎないことを見抜いたクラウ。
ひたすら逃げているのを見かねたエルが助ける。
これはあくまでもヒントですが、クラウは主人公なので主人公を絡めつつ活躍させるとよくなります。
ーー ーー
キャラクターについての2点目ですが。
VR空間、人工知能、名前がアリス……。
さすがに有名作品を連想してしまう読者もいるので、変えれるなら名前をアリス以外にされた方が無難です。
ーー ーー
3)それとプロローグ掲示板の同題No.7に冒頭を載せているので、よろしければそちらのほうにもご意見を頂けるとありがたいです。
ーー ーー
書き慣れていない第一印象でしたが、視点が固定されており、クラウ視点で書かれているところは良かったです。文章は一度手癖がついてしまうとそこで書き手として終わってしまうことも少なくありません。
プロアマどちらでもいいのでたくさんの文章に触れて、自分なりに読みやすや面白さを分析することは必要になってきますが。文章を真似する時はプロのものだけにしておくのがベターです。
視点が固定されていないものは読んだ時に内容を理解できますが、視点が固定されて書かれているものと比べると没入感だったり、記憶の残りやすさに雲泥の差がでてきます。最初は視点を固定して書きながら練習を重ねてから、やりたければ視点を変えながら書くのがいいと思います。
一応、私は三人称を否定しているわけではありません。
一人称は数週間か数カ月でそれなりに読めるようなものが書けますが、三人称は数年かかると思うので、修練について言っています。
話がそれてしまいましたが。
これからの文章力向上を考えるとクラウの視点はいいです。
ですが、クラウと少女とエルが話に噛み合っていませんでした。
専門用語を散らしながらそこに読者の興味を惹こうとするのではなく、ドラマについて考えてみてください。
アリスが腕の良い運び屋を探しているのは手段であって、目的ではありません。
クラウが裏稼業をやっているのは手段であって、目的ではないはずです。
何のためにクラウは裏稼業をやっていますか。
動機はなんですか。
ヒントのために少し書いておきます。
開発部を追放されたクラウは真相が知りたい。
裏稼業は情報を集めるためにやっていた。
欲しい情報を持った依頼人(アリス)がやってきた。
つまり専門用語は専門用語で必要ですが、まずはドラマを書くことを意識してみてください。読者はまずドラマが読みたいものです。
次にプロローグの長さです。
クラウの仕事場にアリスがやってきました。
→「セイクルスまで。期限は明後日の12時」
ここまでがプロローグの内容として、これを2000字か3000字に膨らませて書いてみるのがいいと思います。
まず舞台は下地です、これをちゃんと書きましょう。
今の本文は読んでもVR内か現実世界か分かりません……。
その後で主人公クラウに自己紹介をさせてください。
これをしないまま話を進めても、読者は、「クラウ……誰それ?」となります。
長くなりましたが以上になります。
長所。良かった点
依頼人で始まったアリスが爆弾になります。
普通なら「〇〇が爆弾だった」で話も閉じていくところですが。
そこからさらに被せてきて、現実の人間にリベレを感染させる。
こういった盛り上げ方を採用できる発想が素晴らしいです。
それと、装甲車の移動で話が進みますが。
街に寄って、街で事件が起きて解決して、装甲車で次の街へ。
と手直しするだけで簡単によくなるので、問題点がはっきりしているのは長所です。
物語を作る力があります。
良かった要素
ストーリー オリジナリティ
幻想砂漠(仮題)の返信の返信 (No: 7)
投稿日時:
t様
ご回答ありがとうございます。
まず今作については、全文を通じて仮想空間上で進行するもので、現実は話に出てくるだけの予定です。早めにそのことを説明したいと思います。
また実質長めの短編ぐらいの尺しかないため設定もいくつか削って、残った設定を使ってエピソードを考えているところです。
荒野に入ってすぐのエピソードについては、おっしゃる通り緊張感を著しく削ぐので削除しました。
SAOにもアリスが出てくるのですね。実は未視聴未読なので知りませんでした。教えていただきありがとうございます。
設定を削った関係でプロローグは丸々変更になりました。専門用語ではなくドラマ、意識してみようと思います。
たくさんアドバイスを頂きありがとうございました。
また少しずつ作業を進めたいと思います。
幻想砂漠(仮題)の返信 (No: 8)
投稿日時:
柊木なお様、先日は感想とご指摘、ありがとうございました。
特に文章の指摘のおかげで、私の他の作品でも気になった点が理解できてすっきりしました。
応募も完了して気が楽になったので、プロットを拝見させていただきました。
気になる点も書いていますが、あくまで個人の意見ですので、合わないところは流してくださいね。
<読みながら気になった点>
主人公のクラウが「レーヴの開発部にどうしても戻らなくてはならない理由」が分からないと、主人公に対する感情移入やハラドキが弱い気がしました。
主人公のキャラ立てが弱い気がしました。彼は一体何が得意なんでしょうか?
彼が得意とするもので解決できるようなイベントがあれば良かったです。そうすれば、主人公かっこいいってキャラが魅力的に感じる気がしました。
序盤で主人公が困っている人を助けたりするイベントがあると、主人公は良い奴だって読者に伝わるので(よくある方法ですけど)、読者からの好感度が上がりやすいと思いました。
「クラウは焦り過ぎて気づかなかったが、怪物は実体のない映像に過ぎず、エルが作業を開始してから数分で消える。」のイベントですが、エルの技能の高さと、守銭奴のキャラはよく描かれていて良かった半面、主人公の魅力を下げている気もしました。また、他にちょっと気になるところもありました。守銭奴のエルはお金をもらう約束をしていないのに何故仕事に同行していたのでしょうか? また、エルと組んで仕事をしていたら、彼女の性格は主人公のクラウもよく分かっていると思うんですよ。なのに彼女に仕事の報酬について事前に話していない点が気になりました。なので、今プロットに書かれているやり取りは、初対面~付き合いが浅い者同士なら気にならないかな?って思いました。
「激しい口論になって、アリスは装甲車を出ていく。」とありますが、どうしてでしょうか? 依頼人と喧嘩するなんて、理由が分からないと唐突に感じました。
「レーヴの裏側で進行する巨大な陰謀」を感じさせるだけの前振りや伏線が弱かった気がしました。何かイベントを通じて、誰か死んでいるとか(なぜ殺された?みたいな強い謎を提起できる)、主人公たち以外も不可解な事件で続々と被害にあっている(裏で何かあると読者に気づかせる)などが描かれていれば、世界観的に不穏感が出て良かった気がしました。
「現実の人間にリベレを感染させるというもの」とありますが、レーヴの中での出来事が現実の人間にどう作用するのかプロットでは分からなかったので、後出しの設定のように感じました。
アリスと主人公の関係性が深まるようなやりとりがプロットから分からず、人工知能だと判明したアリスを助ける流れにちょっと共感しづらさがありました。アリスはいい奴だって感じるような何かイベントか、主人公が彼女に恩義を感じるようなイベントが個人的に欲しい気がしました。
<まとめ>
物語の前後で変化が弱く、結果的にオチが弱い気がしました。アリスの真相が分かり陰謀が出てきて情報が出尽くしたけど、冒頭がレーヴの開発部と主人公との関わりがメインな感じなので、陰謀まで解決しないと終わらないプロットになっているような感じがしました。
例えばですが、このプロットの冒頭が「主人公が依頼を受けてレーブの開発に戻りたい」ではなく、「レーヴに関係する不可解な出来事を調べたい」と主人公に何か事情(親友がアリスに気をつけろとメッセージを残してレーヴで死んだなど)があって謎解きのような始まり方だったら、事実が分かった時点で物語の終わった感が強まると思いました。それだったら、謎の解明が話の趣旨のように感じるので、エピローグで事実を公表して陰謀を防いだと説明だけで済むような気がしました。
(※エンタメ作品はミステリーなどを一部例外を除き、冒頭で話の趣旨を仄めかすことが求められているようです)
<良かった点>
・エルの守銭奴の性格やハッカーとしての技能がプロットからも伝わってきました。
・マインクラフトみたいな世界観が面白そうです(家族がプレイしてます)。世界観の設定が緻密ですごいです!
あと、話の組み立て方の練習としてプロの方がお勧めしていたのが、物語の「あらすじ化」でした。御作と同じような陰謀的な小説を場面ごとにあらすじ化すると、私の助言よりも話の組み立て方の参考になるかもしれません。
自分のことを棚上げして色々と書いてますが、何か参考になれば幸いですし、あくまで個人の意見ですので合わなければ遠慮なく流してくださいねー。
読み落としがあったら大変申し訳ないです。
お互いに頑張りましょうね。ではでは失礼しました。
長所。良かった点
プロットが詳細で分かりやすかったです。
世界観と設定。
良かった要素
ストーリー 設定 文章
幻想砂漠(仮題)の返信の返信 (No: 9)
投稿日時:
ふじたにかなめ様
お世話になっております。
返信ありがとうございます。
>主人公のクラウが「レーヴの開発部にどうしても戻らなくてはならない理由」が分からないと、主人公に対する感情移入やハラドキが弱い気がしました。
ご指摘のとおり、その部分がばっさり抜けていたと思います。
実はそれなりにプロットの作業も進んでいまして、不要な設定を削除した分、ストーリーの中心となる主人公の目的・動機がようやく見えるようになってきたところです。
以下、自分用のメモを兼ねて説明させていただきます。
前提となる設定:
レーヴの開発は小規模な実験的プロジェクトとして始まったが、途中で世間の話題をさらったことで大企業が続々スポンサーとして参加し、利益を急ぐあまりに慎重さが失われてしまった。見切り発車で運用を開始し、そのまま社会に普及したものの、技術的・制度的に未整備な点が多く残されている。また、大企業が深く関わったことにより、現実の政治・経済的な対立がそのまま反映されてしまい、「誰もが自由に楽しめる世界」という当初の理念からは早々に外れてしまった。
主人公の過去:
かつてクラウは公認の技術者〈ワールドメイカー〉として、レーヴの開発部に所属していた。様々な課題を抱えているレーヴを少しでも理想に近づけるため、同じような志を持つ仲間達と共に働いていたが、禁制のプログラムの開発に関わった容疑をかけられ、開発部を追放されてしまう。
その後エルと出会い、レーヴに関する知識を生かして運び屋業を始める。
主人公の現状:
クラウたちの運び屋業は法律的にはグレーであるが、現状のレーヴの欠陥(たとえば移動の制限)を埋め合わせるという意味では、需要も正当性もある活動ではある。現にクラウは金を稼ぐことよりも、人助けに重きを置いて仕事を選んでいる節がある。とはいえ、本心としては可能なら開発部に戻って、レーヴのために働きたいと思っている。
情熱的な理想家ではあるが、過去の挫折(開発部を追放されたこと)から皮肉で露悪的な態度を取りがち。良くも悪くも素直なアリスとはすこぶる馬が合わない。
ここまでが大体出発までの部分で、何となくそれっぽいプロローグも書いてみたところです。
あとは荒野の冒険とアリスたちとのやりとりを通じて、「クラウが目指している理想とはなにか」「なぜレーヴにこだわるのか」が明らかになっていくという筋立てを考えています。
主人公の活躍や魅力については今もっとも苦慮している部分で、なんとかうまいこと見せ方を探しているところです。荒野に入ってすぐのイベントについては、他の方からもご指摘をいただき、著しく緊張感を削ぐのでなくしました。依頼の報酬は大金と開発部に戻る切符の両方で、前者がエル向けですね。
また、アリスとの口論のイベントはなくして(代わりに全編を通して小競り合いを増やして)、森での共闘イベントに差し替えました。全体的にアクションが少なかったのと、物理的な危機を一緒に乗り越えるほうが説得力がありそうだったので。
巨大な陰謀というよりは、レーヴの理想から離れた部分を小出しにして、最終的にクラウが開発部を追い出された事件につなげる感じを考えています。
リベレを現実の人間に感染させるという展開は尺に対して風呂敷を広げすぎたので、アリスの人工知能設定に関しては話がややこしくなるだけだったので、それぞれ削除しました。
ご指摘のとおり、当初のプロットでは主人公の目的と動機(開発部との関わり)がばっさり抜けていたので、現在それを中心に組み直しているところです。
ご提示いただいたミステリー仕立てのプロットもとても面白そうなのですが……今回はどちらかと言えば、ロードムービー的な要素に集中しようかと思います。
明快なご指摘で非常に参考になりました。
ありがとうございます。