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タイトル:幻想砂漠(仮題)の返信の返信 投稿者: 柊木なお

ふじたにかなめ様

お世話になっております。
返信ありがとうございます。

>主人公のクラウが「レーヴの開発部にどうしても戻らなくてはならない理由」が分からないと、主人公に対する感情移入やハラドキが弱い気がしました。

ご指摘のとおり、その部分がばっさり抜けていたと思います。
実はそれなりにプロットの作業も進んでいまして、不要な設定を削除した分、ストーリーの中心となる主人公の目的・動機がようやく見えるようになってきたところです。
以下、自分用のメモを兼ねて説明させていただきます。

前提となる設定:
レーヴの開発は小規模な実験的プロジェクトとして始まったが、途中で世間の話題をさらったことで大企業が続々スポンサーとして参加し、利益を急ぐあまりに慎重さが失われてしまった。見切り発車で運用を開始し、そのまま社会に普及したものの、技術的・制度的に未整備な点が多く残されている。また、大企業が深く関わったことにより、現実の政治・経済的な対立がそのまま反映されてしまい、「誰もが自由に楽しめる世界」という当初の理念からは早々に外れてしまった。

主人公の過去:
かつてクラウは公認の技術者〈ワールドメイカー〉として、レーヴの開発部に所属していた。様々な課題を抱えているレーヴを少しでも理想に近づけるため、同じような志を持つ仲間達と共に働いていたが、禁制のプログラムの開発に関わった容疑をかけられ、開発部を追放されてしまう。
その後エルと出会い、レーヴに関する知識を生かして運び屋業を始める。

主人公の現状:
クラウたちの運び屋業は法律的にはグレーであるが、現状のレーヴの欠陥(たとえば移動の制限)を埋め合わせるという意味では、需要も正当性もある活動ではある。現にクラウは金を稼ぐことよりも、人助けに重きを置いて仕事を選んでいる節がある。とはいえ、本心としては可能なら開発部に戻って、レーヴのために働きたいと思っている。
情熱的な理想家ではあるが、過去の挫折(開発部を追放されたこと)から皮肉で露悪的な態度を取りがち。良くも悪くも素直なアリスとはすこぶる馬が合わない。

ここまでが大体出発までの部分で、何となくそれっぽいプロローグも書いてみたところです。
あとは荒野の冒険とアリスたちとのやりとりを通じて、「クラウが目指している理想とはなにか」「なぜレーヴにこだわるのか」が明らかになっていくという筋立てを考えています。

主人公の活躍や魅力については今もっとも苦慮している部分で、なんとかうまいこと見せ方を探しているところです。荒野に入ってすぐのイベントについては、他の方からもご指摘をいただき、著しく緊張感を削ぐのでなくしました。依頼の報酬は大金と開発部に戻る切符の両方で、前者がエル向けですね。
また、アリスとの口論のイベントはなくして(代わりに全編を通して小競り合いを増やして)、森での共闘イベントに差し替えました。全体的にアクションが少なかったのと、物理的な危機を一緒に乗り越えるほうが説得力がありそうだったので。

巨大な陰謀というよりは、レーヴの理想から離れた部分を小出しにして、最終的にクラウが開発部を追い出された事件につなげる感じを考えています。
リベレを現実の人間に感染させるという展開は尺に対して風呂敷を広げすぎたので、アリスの人工知能設定に関しては話がややこしくなるだけだったので、それぞれ削除しました。
ご指摘のとおり、当初のプロットでは主人公の目的と動機(開発部との関わり)がばっさり抜けていたので、現在それを中心に組み直しているところです。

ご提示いただいたミステリー仕立てのプロットもとても面白そうなのですが……今回はどちらかと言えば、ロードムービー的な要素に集中しようかと思います。

明快なご指摘で非常に参考になりました。
ありがとうございます。

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