「退社後のガシャポン家電屋はのどか」の批評
回答者 みつかづ
添削した俳句: 退社後のガシャポン家電屋はのどか
初めまして。みつかづと申します。
貴句、拝読しました。
感想の結論:一体どの様な景なんだろう?
作者の感動は何処にあるのだろう? 全然分からない……。
「季語はどれかな?」と追っていきますと、「のどか」しか見当たりません。
「のどか」とは、以下の意味を持つ単語です。
1:静かでのんびりとして落ち着いているさま。
2:空が晴れて、天候が穏やかなさま。うららかなさま。
3:ゆったりとくつろぐさま。急がないで気長に構えるさま。
4:気にかけないさま。のんき。
また、「家電屋はのどか」にある助詞「は」。
「が」は格助詞(英語ならa、an)、「は」は副助詞(英語ならthe)。
共に、名詞のすぐ後に付いて連用修飾語になりますが、含みが違います。
「は」はより一般的です。
「家電屋はのどか」
読者は何を想像するでしょうか?
・その家電屋、繁盛してなさそう。経営難?(1の意味より)
・作者は家電屋の中に居るのに、「天候が穏やか」とどうして分かるんだろう?
強い風が急に吹いてもおかしくないのに(2の意味より)
・ガシャポンでほしいものが出てきても、作者は気にしないのかな?(4の意味より)
いずれにせよ、「家電屋」が季語「のどか」に掛かかって家電屋の状態を
説明していますので、読者は季語としての力や印象は弱く、あるいは無いと
受け取るのではないでしょうか?
1点アドバイス。
最初のうちは、作者コメントに「どの様な情景を、どの様な気持ちで
俳句に詠んだのか?」を詳しく書く方が良いでしょう。
ここは『添削道場』ですから、句の17音の字面と作者コメントを比較して、
作者が俳句を詠んで読者に伝えたい事と乖離しているかどうかを参加者が判断し、
言葉が足りていなければ「添」え、多過ぎていれば「削」ります。
それが「添削」ですので。
以上です。
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