「朧夜や白き細指髪梳きぬ」の批評
回答者 みつかづ
添削した俳句: 朧夜や白き細指髪梳きぬ
凡さん、こんばんは。貴句、拝読いたしました。
あの絵画のパッキングですよね。
句面は、カメラワークが上から下に向かって移動して、
徐々にズームする感じですかね。
「ぼんやり霞んだ春の月の夜である事よ」との詠嘆からカットが切り替わって、
中七の「白き細指」で闇に浮かび上がる手の美しさにフォーカス、
そして、具体的な動作と髪の質感までの最短距離ですよね。
多分、「白き」は朧夜の月光との色彩的呼応で、「細指」は竹久夢二的な抒情の
骨格でしょうね。「夢二の質感」で「白」と「細」は等価ではないので
どちらも必要ですよ、と。
形式上の三段切れにはなっていますが、景も作者感情も立ち上がってきますので、
三段切れ自体は問題にはならないでしょう。
私めが1点惜しいなと思いましたのは、句末の完了の助動詞。
「ぬ」は自然発生的な事に使い、「つ」は人の意志が加わっている動作に使います。
髪を梳くのは明らかに人の意志が加わっていますので、後者ですね。
上記より、私めからの添削提案は以下です。
・朧夜や白き細指髪梳きつ
髪を梳くのは「日常の優雅な動作」の1つですので、完了の助動詞は
意志が加わっている「つ」の方が、指の白さや細さがより際立ち、
白さの微妙な違いから季語「朧夜」もより引き立ってくるのではないでしょうか。
以上でございます。お目通しいただき感謝いたします。
点数: 1
