「たなびきて水平線めく春の雲」の批評
回答者 みつかづ
添削した俳句: たなびきて水平線めく春の雲
村井もこりさん、こんばんは。貴句、拝読いたしました。
結論から申しますと、「言葉の意味が重複しているだけ」。つまり、同義反復。
以下、理由です。
動詞「たなびく」は「雲や霧また煙が横に長く漂う」を意味します。
名詞「水平線」は「空と海面とが接して見える平らな線」を意味します。
空と海面は、横方向に並んで見えますでしょうか?
縦方向でしょう。海が下、空が上。そして、お互い横に広がって見えるでしょう。
という事は、作者コメントの「雲の下の空はまるで海に見え、思わず「海だー」と
叫びました。海の景色としてとても美しく感動しました」を考慮なさるなら、
上五の「たなびきて」はどう見ても不要。水平線に内包されていますから。
「めく」は「~の様になる。~らしくなる」の意味の接尾語で、推移を表します。
ところが作者コメントは、「その雲の底が横一列に並んでいたので、
まるで水平線の様に見えました」となっています。
つまり、ご覧になっていた時には、状態として既にそうなっていたんですよね?
でしたら、「めく」は不適切という事になります。
何故なら作者の眼前では変化していない(=推移が無い)のですから。
そして、作者コメントの「雲の底が横一列に並んでいた」。
底なんですよね? その下の空の色は海の青程に濃かったのでしょうか?
それを描きたかったのですよね。
感動なさったのなら、矛盾しない様に句面に起こさないと、
せっかくの意味が通らなくなります。
以下位で如何でしょうか。
・春雲や海と見紛ふるごと空
「何とも美しい春の雲でした。そしてもう、海と見間違える様な空でした」と
やや大げさにお詠みになれば、読者は水平線の様に想像できますよね、
何故なら海と見間違える程の青ですから、横に広いでしょう。
「何となく」を脱するには「国語辞典、古語辞典、歳時記の推敲3点セット」。
何度も調べる、何度も確かめる。大切ですよね。
以上でございます。お目通しいただき、ありがとうございました。
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