俳句添削道場(投句と批評)

腹井壮さんの添削得点の高い順の2ページ目

「しんしんと君に会いたし風邪の夜」の批評

回答者 腹井壮

添削した俳句: しんしんと君に会いたし風邪の夜

ハオニーさん、こんばんわ。
いつも御意見・添削を頂き有り難うございます。
君という言葉を出された以上これはもう恋の句であると解釈するのがお約束なのでそこから逸脱はしていないと思います。また、俳句に限らず映画やドラマのストーリーでも風邪をひいた時に恋人や好きな人が看病に来てくれる。看病にきて貰うほうも嬉しいが相手に風邪を移してしまう気遣い。こういうシーンは王道ですが陳腐にもなりがちでもあり共感も得やすい両刃の剣でもあります。

さて、原句においてまず評価すべきは語順の巧さでしょう。「しんしんと」で読者に雪をイメージさせて「君に会いたし」。とくれば次はもう「雪」だろうと思わせておいて「風邪の夜」に着地。読者に対する裏切りの連続が陳腐さを排除して共感だけを得る事に成功しています。もちろんこれは「しんしんと」という言葉選びから始まっているからこそでもありますね。通常は雪に対してしか使わないオノマトペを自分の心象に重ねました。色々な要素がうまく回転して成功した句だと思います。
句切れに関しては中七の切れが裏切りの効果を高めていると思いますし、御自身で判断がつかない場合「発句切るべし」に従うのが無難だと思います。また「会い」「会ひ」「逢い」「逢ひ」の選択を後々迫られると思いますがその時は御自身の好みで構わないのではないしょうか。

かねまっこさんだけでなくハオニーさんのこの句も是非恋の俳句大賞に応募して欲しい句ですね。既発表句も応募できる貴重なコンペですし過去の大賞作と比較しても見劣りしないと思います。

独り暮らしが長かった自分にはしんしんと伝わるいい句です。

点数: 4

「たんぽぽや街に蔓延るビルの風」の批評

回答者 腹井壮

添削した俳句: たんぽぽや街に蔓延るビルの風

ワイスさん、おはようございます。

上手いですね。実に巧いです。かぬまっこさんの添削もですが「風が蔓延る」なんて表現はカッコ良すぎます。感情を表す表現ではないのに作者の苛立ちや喪失感がダイレクトに伝わってきて、なんだか山下達郎の曲をを思い出しました。
http://www.kasi-time.com/item-55467.html

タンポポと都会の取り合わせもいいですし。また「街」といっても人によって大小イメージがバラバラなので直さないほうがよろしいのでは。

参考までに。

点数: 4

「箱を開け桜の意匠いとおかし」の批評

回答者 腹井壮

添削した俳句: 箱を開け桜の意匠いとおかし

ミカエールさん、こんばんわ。私もハオニーさんの御意見に同感です。形容詞に限らず名詞も動詞も差別的な表現や露骨なパクり以外は何を使おうが構わないと思います。ただ結果として人様の前で発表して評価されるかされないかは別の話なだけです。それとお喋りな人と食べ物にやたらと調味料をかけて調理したり食べたがる人は性格的に俳句向きではありません。これは才能やセンスがどんなにあってもです。私は世界一俳句が下手で世界一俳句の才能の無さを自認しておりますが幸いにして性格だけは俳句向きだったようです。人と喋るのが割りと苦手です。新鮮な天然物の真鯛はまず刺身で食べたいと思うし神戸牛はミディアムレアで焼いて塩胡椒で味付けしたい人間です。ただ、テレビ番組で名人になったフルーツポンチの村上氏のように「自分はお喋りな人間だから俳句くらいの制約があってちょうどいい」などとさらっと言える人は俳句に向いていると思います。

点数: 4

「桜花散る掃くをためらうレンガ道」の批評

回答者 腹井壮

添削した俳句: 桜花散る掃くをためらうレンガ道

雪柳さん、こんにちわ。いつもコメントありがとうございます。この句のいい所は「道路」ではなく「レンガ道」ですね。おかげでレンガの茶色と桜のピンクや白とコントラストが絵画的なビジュアルを演出しています。ところで「掃くをためらう」で心象に七音使っていますが自分なら

煉瓦路(れんがろ)の掃かねばならぬ桜花かな

「掃かねばならぬ」の一言で掃きたくないけど掃かなければという気持ちが伝わりますし「桜花かな」で詠嘆するとより読み手に気持ちと光景が伝わると思います。

点数: 4

「鯛跳ねて地引き網なり浜の春」の批評

回答者 腹井壮

添削した俳句: 鯛跳ねて地引き網なり浜の春

百合子姐さん、こんばんわ。いつもコメントありがとうございます。「なんとかして」というフレーズは説明的になるので使わないほうがいいでしょう。また、近い言葉を並べていますね。自分なら跳ねるのは鯛の鱗や鰭まで焦点を当てます。酔いどれ防人さんのアドバイスにもありましたが季語として「桜鯛」を使うのも効果的です。むしろ今回の句は「桜鯛」の説明句になっている気がします。

点数: 4

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