俳句添削道場(投句と批評)

長谷機械児さんの添削最新の投稿順の88ページ目

ユトリロの空行く夏のかもめかな

回答者 長谷機械児

添削した俳句: ユトリロの巴里の空のかもめかな

知世さん、はじめまして。

俳句は、結局“読み手本位”の文芸と思うのです。その地に合わせて解釈する人もいれば、歳時記の語感をそのまま解釈に持ち込む人もいる。読み手に委ねるしかないように思います。それを作者として許さないなら、海外詠に渡り鳥の季語は難しいのだろうと思います。ただ、そもそも「かもめ」は季語として一般的ではないのでは?(私の手元にある歳時記2種類に当たってみましたが「かもめ」は見つかりませんでした)
・私はパリに滞在したことがないので、パリの夏空がどんなものかよくわかっていないのですが。ユトリロの絵から得る印象からだと、この画家の描く街並みは曇り空が多く、画面全体はやや濁りのある白色が多い、という感じで受け取りました。どれだけの人が「淡い青」という色彩で読み取ってくれるかは、わかりません。

提案句は、「巴里」(ぱりー)の三音外して、「夏の」を加えています。季語として一般的でないなら「夏」と言い切ってよいと思いました。

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 1

パドックに爪音を聞く秋の風

回答者 長谷機械児

添削した俳句: パドックの馬蹄の音や秋高し

げばげばさん、こんにちは。

・競馬場に感じる空気は解ります。私も何度か行ったことがあるので。いいですよね、特に中央競馬の芝コース。ダートも迫力はありますが、景色の良さは芝ですね。
・ですが、「秋高し」を、「パドック」で感じるでしょうか? 競馬場で空の高さを感じるのは、パドックよりも断然広い本馬場の景色のほうだと思います。
・一つ一つの蹄の音が聞こえる場所としては、レースよりはパドックになりますね。
・あと、助詞「の」が多すぎませんか?「波紋の底の底」句の「の」は狙いを感じますが、こちらはそれほど狙いがあるように見えません。

「秋高し」の句は本馬場で別に作られ、ここは別の季語に変えることを提案したいと思います。
提案句は、季語を変え、助詞「の」を減らす方向でまとめてみました。

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 1

満天の星を指さす浴衣の子

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 満天の星空仰ぐ藍浴衣

山田優さん、はじめまして。

・満天の星は、羨ましいです。私はずいぶん見てないなあ。
・「藍浴衣」は実景のようですが、「藍」の色はこの句にあまり必要がないように思います。
・主語がないので「藍浴衣を着た子」ではなく優さん自身の動作に見えます。
・動作の表現「仰ぐ」はちょっと大げさに思います。

あと、イサクさんの批評、添削を受けた者ではないですが勉強になります(今までの作句に、“重複表現”はあまり考えていなかった・・・)

提案句は、動作の主体「子」を入れることと、動作表現を少々大げさな割に頭しか動かしていない「仰ぐ」から、もう少し体に動きのある表現に変えました。「あの星が一番おっきい!」とか。

よろしくお願いします。

点数: 0

「茎の香の指に残れりトマト捥ぐ」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 茎の香の指に残れりトマト捥ぐ

よし造さん、「トマト」取り合わせ句への批評ありがとうございます。

対句表現とのご指摘。他の添削の中でも時折「対句」という語を見かけたのですが、私は初めて目にする言葉(入門書レベルでは問題にされない?)なので、ご教示いただけたら幸いです。

とりあえず、“対句表現”と聞いて、思い浮かぶ名句は「鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし」(三橋鷹女)。なるほど、私の句も2つのフレーズを同じくらいの大きさにし、助動詞をそろえています。この形は、私の句では“偶然の産物”でしたが、これが自分が思っていた以上に効いてしまった感があります。

“偶然の産物”と申しますのは、お題「トマト」先にありきの取り合わせ作句だったために、「トマトや」とは始められず(これだといきなりの字足らず)、「赤茄子や」と始めるのは避けたく(投句2句目も「赤茄子」というのはちょっと・・・)、ということで、トマトの1フレーズを「トマトは○○○○○」で末尾に措くと先ず決めて作句に入った、ということです。これで、同じくらいの長さの2つのフレーズをぶつけ合うこととなりました。そして、「トマト」にぶつける語を「戦争」に決めました(前日にイサクさんの「八月十五日」句に接していたので、割と近くにあった言葉です)。二物衝撃とするからには、ぶつかる前に転倒してしまうような表現は避けたかったので、各フレーズは読み手がなるべく不自然さを感じない、いわば“当然”のものにし、形を整えました。

こういった経緯の作句なので、「戦争は愚かなのは当然だ、トマトが赤いのは当然だと読めます」というのは、ある意味ではその通りかもしれません。

さて、御句について。

・私自身はトマトを育てた経験はないので実感はないのですが、茎にも香があるものなのですね。
・形式的に気になるのは、語順でしょうか。「茎の香」と直接つながるのは「残る」、「指」とつながるのは「トマト捥ぐ(手)」で、それぞれ互い違いに登場している感じがします。

素直に一文に通せば

 トマト捥ぐ指に茎の香残りたり

といった感じになると思います。ただ、これを提案句にするのには躊躇があって、「トマト捥ぐ」という動作の主体は「手」で、「トマト捥ぐ指」は変か、と言って、「トマト摘む指」だとミニトマトみたいになるなあ、と。提案句は無しで批評のみ、とさせていただきます。

・・・と、投稿しようとしたところに、なおじいさんの提案句がありました。「トマト捥ぎ」で始まる提案句を推します。

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 0

「フルーツの棚に置きたやミニトマト」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: フルーツの棚に置きたやミニトマト

なおじいさん、「トマト」取り合わせ句への批評ありがとうございます。

なるほど、トマトから“日の丸”の連想もありましたか! 作っているときには、まずお題「トマト」ありきで取り合わせ句を作り始めたので、トマトから戦争に向かう連想の矢印は引いていませんでした。

「死と生(生命力)」とか「暗さと鮮やかさ」とか「抽象と具体」とかいった対比は、投句までに意識にありましたが。

「わかるように書いてある本に巡り会っておりません」。
私は、俳句の入門書の多くについて、Amazon読み放題サービスを使って、電子書籍版の入門書を読んでは削除、読んでは削除と渉猟していたので、どういう記述がどの本のどこにあったかは基本的に覚えていないのですが、YouTube動画であれば「夏井いつきの俳句チャンネル」の中で一物仕立てと取り合わせの説明をしていたのがあったと思います。

ただ、藤田湘子著「新版 20週俳句入門」。これは先の動画「~俳句チャンネル」の中で、夏井いつき本人の著作でないのに紹介されていたので、読み放題ではなく、購入して読みました。一物仕立ての作句方法については本書では触れない、と言い切っていて、全体的に取り合わせ(この本の中では「配合の句」と言ってます)について書かれた本です。取り合わせの方が作句が容易だというレクチャーの急先鋒みたいな本なのでしょうかね。

さて、御句について。

・句意は自然にストレートに伝わり、何も難を感じません。
・「フルーツ」を「果物」に変えるか? と考えてみましたが、「ミニトマト」とのバランスも取れていて、別に変える必要もないと思います。

私のよく行くスーパーでは、壁際で果物、カット野菜、葉物、きのこ、根菜・いも・玉ねぎ等と分類される棚には置かれず、中央部分に傾斜をつけて並べられています。裏にまわるとパプリカと茄子がいます。これらは、季節によって参入してくる、イチゴ、西瓜・メロン、サクランボなどとエリアの奪い合いがあります。売る側も、色がありますから、目立たせたいのでしょう。そういえば、トマトは、年中居座ってますね…。位置的には、果物と野菜の境界といったところでしょうか。

 トマト坐す青果売場の真ん中に

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 1

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