俳句添削道場(投句と批評)

なおじいさんの添削得点の高い順の7ページ目

「ピザ二枚届かぬままの花見かな」の批評

回答者 なおじい

添削した俳句: ピザ二枚届かぬままの花見かな

こんにちは。イサク様、いつもお世話になってます。
御句拝読しました。上手いなぁ。こういう句は好きです。

私なら、
「注文のピザの届かぬ花見かな」とかにしたでしょう(提案句ではありません)。
御句と拙句の違い:
拙句、「届かぬ」と言っているのだから「注文した」のは当たり前。それより何か具体的な工夫を。
拙句、「届かぬ」と言っているだけで、時間通りに届かなかっただけか、最終的に来なかったのかわからない。
それにそもそも「ピザ」とあるだけで、光景がつかみにくい。例えば極端な話、一人花見かもしれない。それなら腹は立つけど諦められる。
一方、御句。「ピザ二枚」と言っているので、会社かサークルとかの花見会だとわかる。代表して頼んだのに、なかなか来ないでヤキモキしている担当者の顔が浮かびます。
「届かぬまま」。俳句に時間経過はあまり好まれませんが、この「まま」のちょっとした工夫で、最後まで届かずに終わってしまった無念さが感じられます。

このままいただくしかない、どこかに出せば入選の句だと思います。

点数: 4

「紫陽花や竹垣に干すズック靴」の批評

回答者 なおじい

添削した俳句: 紫陽花や竹垣に干すズック靴

ちゃあきさん、こんにちは。
御句拝読しました。私は初読では、
「梅雨晴や竹垣に干すズック靴」かと思っていました。ああ、梅雨晴れのいいお天気なので、前日の雨で濡れたズックを干しているのだな。いい句じゃん!と思っていました。

しかしよく見たら、「紫陽花や」。
そうか、私だったら「梅雨晴や」とか「梅雨晴れ間」とかにして、因果関係を指摘されてしまうところを、ちゃあきさんは、「紫陽花や」と置くだけで、「梅雨の季節です。でも今日は靴を干すほどいい天気」ということを表現しているのだな、と気が付きました。
こうなると、この竹垣の向こうには紫陽花がきれいに咲いている、そういうことでいいですね?

このままだと上手すぎて悔しいので(笑)、一つ言わせてもらいましょ。

「ズック靴」って言うかなぁ。「ハイヒール靴」とか言わないですよね。「ズック」だけでいいのでは。

・紫陽花や竹垣に干すズック

う、字足らずだ。
あ、では「スニーカー」にしよう。そもそも最近はズックなんて言わないし。

・紫陽花や竹垣に干すスニーカー

・・・音数は合ったけど、全然風情がなくなってしまいました。
やはりここはズックですね。そして最近ではズックというのが何かわからない人もいると思うので、ズック靴と念を押すのは悪くないかも。

ということで、このままいただきます。悔しい(笑)!

点数: 4

「父の日や礼いふ子らも今は父」の批評

回答者 なおじい

添削した俳句: 父の日や礼いふ子らも今は父

中村あつこさん、こんにちは。
御句拝読しました。昨日の父の日をお詠みですね。温かみのあるいい句だと思います。このように時代はめぐるのですよね。

さて御句ですが、中七の「礼いふ」は、「お礼を言う」ということだと思いますが、ちょっと誰から誰へ、お礼を言うのかがわかりにくいかと思いました。
おそらく、「親から子どもへ、父の日のお祝いのお礼を言う」だと思いますが、読みようによっては、子らがお礼を言うみたいに読めるかもと思いました。細かいことを申し上げてすみません。
その点につき、こうしてみました。

・父の日や祝つてくれる子らも父

よろしくお願いします。

点数: 4

「静けさや我に欲する森の声」の批評

回答者 なおじい

添削した俳句: 静けさや我に欲する森の声

木の葉に火花さん、こんにちは。
御句拝読しました。
どうも、俳句だからなんかかっこよくしようと思っていたりしませんか?
正直、何をおっしゃりたいのかわかりかねます。
「我に欲する」?「静けさ」なのに「森の声」?
「我に欲する」なんて、普通使いませんよね?ご自分でも「自分に何かを求めるように」と言っていますでしょう、そのほうがわかりやすいですよ。

・涼しさや囁くやうな森の木々

木の葉さんは、とてもいい感性をお持ちですが、なんか難しくカッコよくしようと思っていらっしゃいませんか?
俳句だからと言って、気取る必要はありませんよ。肩の力を抜いて(「力なんか入れてない!」とおっしゃるかもしれませんが)、気楽に、気楽に。

点数: 4

「おのこでも桃の実食べてピーチピチ」の批評

回答者 なおじい

添削した俳句: おのこでも桃の実食べてピーチピチ

めいしゅうさん、こんにちは。
拙句「初蝉に」にコメント有難うございました。
そして再訪でお問い合わせをいただきましたので、わかる範囲でお答えします。

「理屈」のことですよね。
俳句は、基本的には四季折々の花鳥風月を愛でながら作者の心情を投影していく文芸だと思っています。

そしてそれは、人々の共感を呼びながらもそこに独自のオリジナリティを示すと、作品としてかなりレベルの高いものになると思います。

問題はこのバランスで、共感を重視すると「あるある」となったり時として理屈っぽくなり、オリジナリティを重視しすぎると、何を言っているんだか訳がわからなくなります。

もちろんこの尺度は人それぞれであり、句選などでは選者の先生によって全然違ってきます。

俳句に限らず芸術は全般に、鑑賞する人によってその評価はまるで異なってきます。正解はない、というか、ピカソや岡本太郎さんの作品は、未だに「わけわからん」という人は少なくないのでは(笑)。

でも俳句は最低限のルールがあります(五七五、季語を一つ※)。それはしっかり踏まえたほうがいいですけどね。まれに、五八五になったり、うっかり季語を忘れたり二つ入れてしまったりすることがありますが、そんな時に気づかせてくれるこの道場の存在は有難いですね。
(※他の句選に応募するときはもっと応募のルールがあります)

この道場は色々な方々が色々な角度からご意見を言ってくださるのが嬉しく、また、言う側も仮に初心者でも感想なら言えますから楽しいのだと思います。

ですから私は、めいしゅうさんのように受け取ってくださった方も、「理屈」と言ってくださった方も同じように有り難く思っています。あとはそれをどう成長の種とするかです。それが、意見をしてくださった方々に対する作者のお礼になると思います。

以上、お答えになりましたでしょうか?引き続きめいしゅうさんのご健吟をお祈りします。

点数: 4

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