「朧月ほろ酔いの会影ゆれる」の批評
回答者 イサク
添削した俳句: 朧月ほろ酔いの会影ゆれる
こんにちは。
たぶんはじめましてですね。よろしくお願いします。
◆「朧月/ほろ酔いの会/影ゆれる」意味もリズムも三段切れになっているようです。
前の句でも慈雨様に指摘されておりますね。そういう三段切れリズムで作句する癖がおありなのかもしれません。
ご本人が思っている以上に、受け手は「リズム・意味がぶちぶち切れて感じる」ので、作句する際は気にしてみてください(句として成立する三段切れもありますが、高等テクニックと思ってください)
◆この句では「影」が捉えきれませんでした。
「影ゆれる」とあることで、初読では誰かの「人影」で、誰かが来たという意味と感じましたが、なんだか風景が上手く通りません。
次に、月光によってできた何かの「影」だと考えたのですが、何の影なのか想像がしきれず。また、「朧月」なのでくっきりとした影ではないと思うので、「ゆれる」にやや違和感がありました。
月の光そのものを「月影」と呼ぶこともあります。が、この場合は、上五:月の季語、中七:別の話題(自分のこと)、下五:また月のこと、と話題が行ったり来たりしてしまうので気持ち悪く感じます。
ということで、「影」をどう捉えたらよいか絞り切れませんでした。
この「影」を、意味・風景の通るように作句すれば、自然と三段切れも解消する気がします。
俳句の基本は「季語のこと」+「季語ではないこと」の二要素の組み合わせ。
それをこの句にあてはめると、「朧月のこと」+「お酒を飲んでいる人(自分)」となります。
+αの要素(この句では「影」)は、「朧月のこと」であるなら、「朧月」とくっつけて意味が通るようにした方がよいと思いますし、「お酒を飲んでいる人」に関わることなら、そうわかるように接続した方がよいと思います。
という提案句ふたつです。
・朧月ほろ酔いの吾の影ゆれる
・ほろ酔いの吾や月影の朧なり
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