俳句添削道場(投句と批評)

イサクさんの添削最新の投稿順に並んでいます

「肩の雪払ひて吾子を抱き止むる」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 肩の雪払ひて吾子を抱き止むる

こんにちは。

動詞が多くて映像がちぐはぐしているようです。

◆誰の肩の雪?(自分?子?)
◆誰が雪を払った?(自分?子?)
◆直前まで自分はどこにいた?(外にいた?家の中にいた?)
◆直前まで子はどこにいた(外にいた?家の中にいた?)
◆自分と子が一緒に外にいたのか?一人だけ帰ってきたのか?
◆「雪を払った」「抱き止めた」場所は?(玄関?屋外?)

などが省略されすぎていて、句だけを見た場合、作者にしかわからない風景の可能性があります。

句意は、コメント「帰宅時」から場所が玄関なのは確定。あとは「自分の肩の雪を自分で払った」「家の中から子が出てきたので、抱き上げた」なのかなあ・・とは思いますが、「~して~した」の弊害もあり、全部入れるのは十七音ではきついかもしれません。

・肩の雪払ふや吾子の走り来る

点数: 1

「CQCQコチラユキドリムシイズコ」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: CQCQコチラユキドリムシイズコ

こんにちは。

まず、某ラジオ番組は、頻繁に名前が読まれるようなものではないです。(金曜上位を除く)
例えば水曜で読まれるのは2週合計70句ぐらいだと思いますが、読まれない水曜レベルの句がその3~4倍あり、そして、直近の3~4兼題どの曜日でも詠まれていない人が優先して選ばれている傾向があります。
つまり、水曜はある程度順番待ちしています。
「水曜の中で特に優秀な句」という括りはありません。優秀な句なら金曜候補になりますから。
火曜も順番待ちがあるようですが、「ずっと読まれていない人」救済のために水曜レベルの句が火曜日に読まれることもあるようです。

ということで実力ある人でも、金曜上位(約30句)に入らなければ2~3か月は間が空きますし、金曜候補に残ると「水曜の順番待ちに入れない」ず、最近はやのチャンネル銀曜日も全部は紹介してくれないので、もっと長く読まれないこともあるようです。

ちなみに、初投句はほぼ読まれる傾向があるようです。

ということで、あの番組で「水曜枠で落選」という考え方がそもそもナンセンスなのはご理解いただけますでしょうか。

で、肝心の句の方ですが、
◆「選者が紹介する句」=「選者が胸を張って選んだと言える句」「ラジオを聴く俳人たちの参考になるような句」という傾向があることは理解してください。とくにあの先生は一般人への影響力が強いので、いろいろ意識した発言が垣間見えます。

◆三句共通の弱点は、作者が見た実景とは思えないこと。
 また、季語「雪鳥」が軽く扱われている雰囲気があることです。

◆「CQCQ」の句は正直、擬人化が空回りしている句だと思いました。チャレンジ句というよりは基本を蔑ろにしているような句に見えますので、紹介はされにくいかと思います。
 「ガザ」の句は文法上「ガザ(の避難民)がパンの欠片に群れる」という皮肉っぽい意味に見えます。このままでは紹介しにくい句。
 「歩兵隊」の句、形としてはまだよいですが、中七「一〇七の」の意味・緩さが気になります。

 三つの句で、一番可能性を感じるのは「ガザ」の句。
 読まれること優先であれば、「ガザ」の句を、皮肉の誤読を感じさせない平和に寄せた内容にできるのであれば、ラジオでも紹介しやすいのではないかと思います。平和を願う俳人というのは多く、あの先生もその一人です。

点数: 0

「玄関は寒雀達の厠なり」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 玄関は寒雀達の厠なり

こんばんは。

御句、細かいところでいろいろ気になりました。
◆「厠なり」と言われてしまうと、雀が糞だけして去っていくような?
 実景なのか大袈裟なだけなのかアニメ的な想像の世界なのか、脳内の映像の組み立て方に悩みました。
◆「寒雀」は単なる雀ではなく【冬の雀】なのですが、『冬の雀だけが玄関をトイレのようにしている。他の季節はしない』ということでしょうか?ここに違和感が・・・

 あとこの句の「玄関」という単語の使い方も微妙に気になるのですが、上手く説明できないので置いておきます。

 私的には「厠なり」の断定がリアルさを下げてしまっていると思いました。推敲案としては下五の変更になります。

・寒雀玄関に群れ放りゆけり (放る:まる 便をするという意味です)

点数: 0

「切腹す腸きれい雪筵」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 切腹す腸きれい雪筵

こんばんは。

題材の是非はありますが、この内容で誰かを傷つけているわけでもなさそうなので、私からは否定するようなことはしません。

◆ただ、題材で損している気がするのは確かです。
 「作者は実際に切腹を見たことがないだろう」と思われながらの鑑賞になりますし、受け手のほとんども映画などの「作られた切腹」しか見ていないので、「きれい」と言われてもどうしても違和感を感じてしまいますよね。

◆上五にある「す」はサ行変格の終止形です。三段切れしてますね。
◆句が、上五中七で言いたいことを全て言ってしまっているのでは?
 そのため、下五の季語を含む五音が、取り合わせではなく、俳句の体をなすために置かれているだけのような。

この句は「きれいと思わせたい」のであれば、逆に「きれい」と言わずに丁寧に描写して、受け手に任せた方がいいのでは?と思わせます。

・切腹や雪の筵へはらわたを

※題材を否定しているわけではなく、今回は句の構成含め、チャレンジがあまり成功していないと思いました。
 チャレンジは大好物ですので臆することなくぜひどうぞ。

点数: 0

「月見れど見へぬ君住む隣り町」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 月見れど見へぬ君住む隣り町

こんにちは。
「見ゆ」問題は先に出てますので置いておきますねー

安定のなお様節の句。

句意をいくつか思いついておりまして
1.本来の句意「月を見ても、隣町は見えない」
2.「君の住む隣町は(今日は曇っていて)月が見えないらしい」(作中主体の住む町から見えているか見えていないかはご想像にお任せ)
3.「見えぬ君(透明人間!?それともお亡くなりに?)が住む隣街に今います。こんなにきれいな月を見ているのに君の姿が見えない」

他にもあるかな?

気になる点は
◆上記の受け取りのブレについて、「誤読」ならまだしも「受け手の迷い」になるケースがあります。少し整理できそうです。
◆「見れど」の箇所、「見る」という言葉を入れる是非と、「見れど」という感情の接続助詞を入れる是非と、どちらもあります。
◆「隣町が見えない」という句意ですが、なぜ「君本人」ではなく「街」? 抒情という作為を感じてしまいつつの鑑賞になりました。
◆また、「君の住む街」で句意は十分なので、「隣町」に音数合わせ感もあります。

たとえば、向かっている風景なら「街」の必要性も出るかと。

・冬月や君住む街はまだ見えず

点数: 2

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