俳句添削道場(投句と批評)

イサクさんの添削最新の投稿順の1418ページ目

「色褪せし銀のジッポや霜雫」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 色褪せし銀のジッポや霜雫

おはようございます。

◆あとで「銀」と色の名前が出てくるのて「色」が不要ではないかと思います。
 「銀褪せしジッポ○○○○」などとできそうです。
◆「霜雫」という季語がお気に入りのようですが、主題「霜」に対して五音だから使っている感が否めません。この季語を否定する気はありませんが、他の季語の可能性も考えてみてもよいと思います。
 「霜」は基本的に屋外季語なので、それを生かす方向がよいかと。

・霜降るや褪せしジッポにオイルの香

点数: 1

「からしツンツンおでんアツアツ心ホクホク」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: からしツンツンおでんアツアツ心ホクホク

おはようございます。

実験ということで意見だけ述べるなら、
俳句というより短めの三行詩のリズムと内容、に見えますね

からしツンツン
おでんアツアツ
こころホクホク

技法やら何やらが他のジャンルの詩にかぶると「俳句で発表しなくてもいいじゃん」となってしまうので、「これは俳句」である明確な理由を入れておきたいところです。「季語ひとつ」だけでは弱いかもしれません。

こういうのを面白がって選に入れる選者もいますので、絶対ダメとは言い難いです。

点数: 2

「声高く園庭走る子へ落葉」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 声高く園庭走る子へ落葉

おはようございます。

形としては中七下五は良いですね。

◆上五のやや気になる点。
 「声高く」・・五音に収まるので初心者さんがよく使う言葉なのですが、普通は「声が高い」と言った時、声の音程が高いことを表します。
 ここは「声高=こわだか」、声が大きいという意味だと思いますので、言い換えたいところ。
 句の後半に「園庭を走っている子」がいるのですから、その描写に寄せてもいいですね。先に頓様から出ている「嬉々として」とか良いですね。

◆ここからは、春の風花様が今後さらに推敲されるとして、先の話になります。

 中七下五「園庭走る子へ落葉」は、形としてはできていると思います。
 できていますが、誰かがどこかで同じ言葉を使ったような、どこかで見たような表現に思えます(これを【類想】と言います)。
 【類想】句は「他の誰かが似たような句を作ったことがある」とみなされるので、選では避けられがちになります。

 【類想】を脱するため中七下五を変えてしまう方法もありますが、中七下五がそのままでも上五に平凡感がなければ「類想っぽくない」句になることがあります。
 この点でも「嬉々として」とか、結構よい表現なのではないかと思います。

 また、この上五の五音だけで句の風景ががらりと変わりますので、いろいろ考えてみてください。

・わけもなく園庭走る子へ落葉
・一人きり園庭走る子へ落葉
・黙々と園庭走る子へ落葉

推敲例で、他の形の句も置いておきます。

・場所取りの園庭の子へ落葉かな
・始業直前園庭の子へ落葉

点数: 2

「亡き友の声に聞こえし除夜の鐘」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 亡き友の声に聞こえし除夜の鐘

おはようございます。

私は俳句で「亡き」という説明はあまり使わないようにしています。これはとても強い言葉で、読み手の気持ちが誘導されてしまい、俳句としてイマイチになりがちなため(孫俳句の「孫」と似ているかもしれません)

もちろん、故人を偲ぶ気持ちを否定するものではありません。
この句なら、「亡き」という説明をせずに「この友人は亡くなったのかもしれない」と思わせることはできると思います。断定できなくても「遠くにいる友の声を思う」という解釈でも充分ではないかと

・友の声聞こえるように除夜の鐘

点数: 1

「霜柱踏まれるために生まれ来し」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 霜柱踏まれるために生まれ来し

おはようございます。

ここまで誰も指摘していなそうなので・・

文法は統一した方がいいです
(句の途中で文法を変える手法もあることはありますが、狙ってないですよね?)

 霜柱踏まるるために生まれ来し (文語)

 霜柱踏まれるために生まれ来た (口語)

「ために」の部分が口語っぽいので、口語の方が統一感があるように見えますね。
(仮名遣いは、御句では現代・歴史的どちらを選んでも変わる場所がありません)

・わたしなぞ踏まれるものよ霜柱

ついでに余談。
このサイトの方は「古語」という言い方でひとまとめにしてしまう方が多いですが

◆文法としての「文語」「口語」
◆表記としての「歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)」「現代仮名遣い(新仮名遣い)」

これは似て非なるものなので、意識した方がよいと思います
このサイトの方々が「古語」と呼んでいるのは、「文語」+「歴史的仮名遣い」ですね。
我々が普段使っているのは「口語」+「現代仮名遣い」です。
俳句や短歌では「口語」+「歴史的仮名遣い」も多数見受けられます。
「文語」+「現代仮名遣い」は見た目の違和感が強く使いづらいですが、私はたまに使ってます。

文法・表記のミスは、選者もミスのある句をそう簡単に入選させられませんし、うっかり入選しても公開されたときに非常にカッコ悪い気持ちになります。
「古語」とひとくくりにせず
◆「口語」か「文語」か
◆「現代仮名遣い」か「歴史的仮名遣い」か
それぞれ選ぶのは作者自身ですので、二つの要素として意識すると、イージーミスが減ってボツ率が下がってくるように思っています。

霜柱踏まるるためにあるやうな(文語・歴史的仮名遣い)
霜柱踏まるるためにあるような(文語・現代仮名遣い)
霜柱踏まれるためにあるやうな(口語・歴史的仮名遣い)
霜柱踏まれるためにあるような(口語・現代仮名遣い)

点数: 5

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