俳句添削道場(投句と批評)

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凍星や戦勝国の踏む山河

回答者 ハオニー

添削した俳句: 凍星や破れし国の山河燃ゆ

私も、秋が過ぎ去ってから(自称)素晴らしい秋の句が出来るタイプの人です
ですから、戦争の句を8月にしか詠んではいけないとは微塵も思いません

句を私なりに噛み砕いてみました
凍星と破れた国の関係は空虚で興味深いものがあります
この言葉の組み合わせは面白いです

句会での指摘は「狙いすぎ」とのことですが...
凍星の澄んだ空気を表しているかのような季語と、何かが燃えるイメージの12音は少し違う気がします
この句の主役は「凍星」ですから、そのイメージが発揮されるような12音のフレーズがいいと思います

私なら「敗戦国」の滅びかけた山河の描写ではなく、「戦勝国」が「敗戦国」の山河を制したような書き方をします

「国破れて山河あり」はすぐ気づいたのですが、この言葉があると作戦の妨げになるので外すしかなかったのです

点数: 1

宮島の紅葉や遊女石畳

回答者 腹井壮

添削した俳句: 白拍子侍る月夜や厳島

徹之さん、こんにちわ。

無駄な動詞を減らしてずいぶんスッキリした句になっていますね。

恥ずかしながら白拍子という言葉を存じておりませんでした。

調べたところ白拍子だけで遊廓をイメージするのは難しく、原句では神社の事を詠んだと思われるでしょう。

それと俳句は過去を詠まずに目の前の瞬間を詠む詩です。

夏草や兵どもが夢の跡 芭蕉

この句は昔あった事に想いを寄せつつ今を詠んでいます。

これを参考にして添削しました。

厳島に遊廓があった痕跡は少なくて「遊女石畳」は八音あるので破調せざるを得ませんでした。

厳島の紅葉遊女石畳

でも17音に納まり同じ意味の句になりますが漢字が続きますので「や」で切ったほうが読みやすくなります。

点数: 1

感傷の一人キャンプやカップ酒

回答者 三日酔いの防人

添削した俳句: 感傷の一人キャンプや缶チューハイ

腹胃壮様、今晩は。焼酎は夏の季語ですね。夏の盛り、暑気払いに飲んだのが由来とか。段々と使わなくなる季語もあれば新しく生まれる季語もある。缶チューハイはそもそもの焼酎の由来に当たらないので季語には該当しないと思います。
感傷の一人キャンプや缶チューハイ
句からは、自らを見直すキャンプの様に感じました。下五をカップ酒としてみました。同じ酒でも缶チューハイより、深みや、滑稽さなど、様々な表情を出させると思います。私はあまり中七で切れ字を使うことはありません。中七の切れ字難しいですね。

点数: 2

嫁を待つ二世帯住居天高し

回答者 腹井壮

添削した俳句: 秋高し二世帯建てて希望待つ

まず、季語に関しては秋高しにさほど違和感はないのですが天高しにしたほうが立派な二世帯住居のそびえ立つ感じが表現出来ると思います。

そして「希望を持つ」というのは結婚相手を待っているのですからすなおに「嫁を待つ」に変えました。

俳句と川柳の境目の部分を追うと確かに面白いと思いますがなかなか難しいですね。

点数: 2

二世帯を建て秋高く待つ希望

回答者 三日酔いの防人

添削した俳句: 秋高し二世帯建てて希望待つ

季語は句作の上で重視する部分ですので、大いに悩んでください。『秋高し』秋空の青々とした様子が伝わる素敵な季語ですね。
今までの流れから、良縁を待つ句かと思います。『希望待つ』あえて、結婚や良縁と言わなかったところ、これにより二世帯という言葉が活きていると感じました。手直しは順番を変えさせて頂き、高く広がる秋空に祈っている様子を詠いました。季語や語順を変え推敲すると新たな発見があることでしょう。

点数: 1

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