俳句添削道場(投句と批評)

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和スイセン北枕の父の手へと

回答者 ハオニー

添削した俳句: 手向けの和水仙北枕の父

素人のうちに、問題点やいいところを教えてもらえることは羨ましいです

結論から言ってこの作品、読めば読むほど考えさせられる句です
作者さんはなかなか難しいことをやってのける、うまくなるタイプの方です

先にいいところから
手向けの、と入ったことにより
水仙、北枕、が不穏な雰囲気を思わせる言葉となっていますね
この句から、作者さんは父親の死に目に会えなかったのかな?という想像が出来ました

不穏を描写するのは難しいことです
特に実力が初心者・素人程度ではほぼ失敗します

問題点は二つ
一つ目は、和水仙北枕と漢字が続いていて読みづらいことです
ほかのひらがなを間に挟む方法もありますが、非日常な感じを出す方法としてカタカナを使うという方法があります
今回は「スイセン」と書くしかないでしょう
「キタマクラ」なんて書いたら、ギャグかと思われます

もう一つは、この和水仙がどこにあるか断定できていないことです
作者さんが手向けの花として持っているか、亡き父親に供えられているのか、庭に残っていてそれを全部手向けの花と言っているのか
これが作者さんと読み手それぞれの想像の範囲にしかないということがもったいないです

持っているのなら
和スイセン北枕の父の手へと
供えられているのなら
和スイセン北枕する父の手に
庭に残っていて、それを手向けにしたというのなら
和スイセン北枕の父へ捧ぐ

という感じに言葉を厳選すれば、距離感が出ます

私がこの句に触れてみた感触ですが、直すのは相当難しかったです
それほどこの句は完成間近だったということで、元の句も捨てがたいものがあります
「手向けの」と言い切ったあたり、描写じゃなくてもやってみせる!という度胸があります

(たまに、初心者と言っておきながら凄いものを見せつける方がいるのです
久々に焦りました)

点数: 1

起き掛けてベランダに見る残暑かな

回答者 三日酔いの防人

添削した俳句: 早朝のベランダで見る残暑かな

大浦美津子様、こんにちは。朝の句ですね。早朝の時眼帯は何時頃でしょうか?日本語には、朝を細かな時間帯で表す素晴らしい言葉が沢山あります。早朝という表記は少しもったいないと思います。
ベランダで見た残暑には色々とありますね。モワッとした熱気とか、蝉の鳴き声、青空等、『ベランダで見る』としてしまうと、視覚に頼ってしまう傾向があるため、『ベランダに』としては如何ですか?

点数: 0

億千の星と眠れるキャンプ村

回答者 ハオニー

添削した俳句: 星の数かぞえて眠るキャンプかな

星の数かぞえて眠る、の段階でオチが読めてしまいました
驚きはないけれど、真面目な句ではあります
「数」「かぞえて」と重複しているように見えますが、星の数に深い意味を持たせたかったのでしょう
と私は推測しました
手直しのときは真っ先に「数かぞえて」の意図を質問されるでしょう

「星空の下で眠ることがキャンプの醍醐味」とおっしゃっているため、「自分以外にも、天体観測が目的で来た方がいるかもしれない」と作者さんが思っている
という意図も入れてみました
だから季語・季題は「キャンプ村」です

「億千の星」は湘南乃風というアーティストの歌のどこかで聴いた記憶がありますのでこれは借り物です

私の手直しされた句を見たときは、感想を述べるだけにとどまらず、「ここを直した方がいいのでは?」と自分なりに直していただければ本望です

「ハオニーちゃん全然分かってない! 『億千の星』より『沈みゆく星』の方が時間と空間と感情を表現できるのに!」
くらい言われた方が、私も勉強になりそうです

点数: 2

雨雲や逃れた丘に夕立雲

回答者 腹井壮

添削した俳句: 雨雲と高きに登る僕がいる

ハオニーさん、こんにちわ。

原句を一読した時に感じたのは正直ハオニーさんにしては緩い表現だなと。

反面、これが現代俳句だとすればそれもその通りだと思います。

エラソーな事を言っておきながらこの添削が原句より良くなっている自身ももありませんが。

ところで雨雲は歳時記によっては季語になっているのかもしれませんが、自分の手元にあるものやネットでは季語とする記述がありませんでした。

点数: 7

根は土に葉は大空へ夏の木々

回答者 腹井壮

添削した俳句: 根は土に葉は青空へ夏木立

せこ三平さん、こんにちわ。

前回の添削からさらに工夫のあとが見えますね。
せこ三平さんの詩人としての向上心の現れと思います。

ところで調べた結果(個人的な推測も多数含む)ですが「夏木立」という季語は元々ただの「夏の木立」であったものが少しづつ木陰のイメージををプラスしていったようです。

季語にはたまにこういうケースがあるようですね。

さて、ハオニーさんの仰る通り現在は夏木立に木陰の意味が含まれている以上「夏木立」という季語は無理があるような気がします。

一方で季語の原理主義者にしてみれば「夏木立」で何が悪いと言いだしそうです。

そして、「青空」という夏をイメージさせる言葉は季語に役目を託したいという判断でこういう形になりました。

点数: 0

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