俳句添削道場(投句と批評)

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「添削の礎いずこ蝉時雨」の批評

回答者 腹井壮

添削した俳句: 添削の礎いずこ蝉時雨

ハオニーさん、こんにちわ。

管理人のかぎろいさんがこの機能を開発した本当の理由はわからないのですが、ハオニーさんが登場されるまでは「添削道場」ではなく「添削トキワ荘」状態だったわけです(世代が違って意味が通じなかったら御容赦を)。

確かにお互いの添削を披露しあうのは楽しくて勉強にもなったのですが、句歴が浅くハオニーさんから見ればひよっ子達が卵を温めるような行為に限界も感じていました。

果たしてこれが添削依頼者の為になっているのか?

添削っていうのはこうするもんだというお手本を見るに見かねてしてくれる方はいないのか?

そう思っている時に現れたハオニーさんの存在がとても嬉しかったです。

コメントを見ているだけでもただの俳句巧者ではない事はすぐわかりましたし、実作も指導にも実績をお持ちの方だと思いました。

さて、自分が人様の句を添削する時は自分の句を推敲するように添削する事を心掛けています。

そうする事でなるべく句意に添えるし字面もあまり変えないように添削できるのではないかと思っています。

ここは管理人のかぎろいさんの意見も聞きたいですね。

点数: 4

夏深し幹天地へと立昇り

回答者 大須賀一人

添削した俳句: 秋近し枝は光に根は土に

すごく重量感の有る良い句ですね
説明を読み、私は秋の始まりよりも夏の終わりを強くイメージしたため
夏深しを使用し添削させて頂きました
「空一杯に伸びる」様子の表現に、少しでも力になれたら幸いです

点数: 5

根は土へ枝は光へ秋近し

回答者 ハオニー

添削した俳句: 秋近し枝は光に根は土に

枝は光に根は土に、この対句表現がこの句のポイントですね
「枝が光へ伸びていく様子」、「根が土へと降りる様子」どちらをより強く描きたいのかは気になります
この語順だと、「根は土に」のイメージが最後に残ります
わたしは「枝は光に」のイメージを出したほうが得かなと思います

もうひとつ、「秋近し」は映像を持たない季語です
この季語から始めるか、映像になるところから始めるか、これもポイントです
わたしは映像からいくのが得だと思います

「に」もいいけど、方向を示す助詞「へ」を使って、勢いを出してみましょう

そうすると、手直しの句が出来上がりです
あとは元の句と比較して、作者さんの意図へ近づけるよう手直ししてみることをおすすめします

点数: 4

もっと降れ白雨嬉しやふたりきり

回答者 食山人

添削した俳句: 夕立が嬉しいときはふたりきり

まず頭に浮かんだ情景は下記でした:
 古寺や夕立嬉しふたりきり
でも、原句の気持を強調しようと、次のように上五を工夫してみました。
 もっと降れ夕立嬉しふたりきり
最後に、「はくう」と短縮、「や」で更に強調してみましたが如何でしょうか。

点数: 1

車窓へと紅葉かの日の淑女へと

回答者 ハオニー

添削した俳句: あの紅葉悼む車内に色を差し

なるほど、この句の意味を聞いてそういうことなのかと理解しました

紅葉の持つ雰囲気が、重苦しくなった車内を明るく染め上げている
という詩的な表現は素敵です

問題点が2つあります
一つ目は「あの」です
作者さんと読み手の間で、「あの紅葉」で想像するものに違いが出てきます
「伝えたいこと」と「伝えきれたこと」との間に溝が生まれています

二つ目、こちらはもっと大きな問題点です
「悼む」
これは終止形と連体形が同じ「悼む」であるため、
あの紅葉 / 悼む車内に色を差し
あの紅葉悼む / 車内に色を差し
と、2通りの読み方ができるのです
車内の悼む雰囲気を出したいのか、紅葉を悼んでいるのか
ひねくれものは「紅葉を悼んでいる?」と必ず読みます
そうなると、作者さんの表現しようとしていたことは伝わりません

手直しの句は、句の説明を私なりにこしらえたものですから、あまり参考にならないかもしれません
やはりお話を全部入れることは出来ませんでした

入りきらなかったところは、短歌にしていただくとよろしいかと思います

点数: 1

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