オカルト探偵(さぎし)、今日も騙る(完結版・初稿)の批評の返信
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オカルト探偵(さぎし)、今日も騙る(完結版・初稿)の批評(元記事)
遅くなり申し訳ございません。丁寧な返信をありがとうございます。
>他方、矢加部の『まとめて喋ってほしい』って言うのは事実瓜坂は理解してますね。っていうか、普通に思考を読んでます。
なるほど、納得できました。ただ、それですと地の文でも台詞でもいいので矢加部に「思考を読まれた?!」という反応が欲しいです。
今だと作者の書き間違いに見えてしまうので。
四話とエピローグの批評です。言いたい放題ですが、合わない意見は捨て置いてください。
〇もろもろ気になった点
・四話上 事務所襲撃
黒マントの襲撃がやや唐突に見えました。
喫茶店のシーンで前振りが欲しい、と言いたいところですが黒マントは街中でも目立ちそうな恰好なんで難しいですね。
あと、成平ループカウンターが二から始まっているのはなぜでしょう?
成平の能力詳細がわかっている四話ではループカウンターがなくても「アタシのループに~」発言だけでも状況は理解できそうです。
・四話上 矢加部とルイスの会話
このときに部屋の内装が解説されていますが「エスニックじみた独特の装飾」がケルト民族的なものなのかアジア系の装飾なのか、この時点で判断ができませんでした。エスニックには民族的という意味合いもあるので。
四話下の瓜坂の地の文でようやく東南アジアや南米系とわかりますが、情報開示が遅く感じます。
矢加部は身動きが取れないので、部屋の観察と称して後半の展開に必要な部屋の内装を、ここですべて説明させても不自然ではないと思います。
特に四話下でルイスが逃走に使う窓の情報は欲しいです。それまで細窓しか書かれていなかったため「細窓から逃げるのか?」となりました。窓は百鬼夜行を見せる役割もありますし、やや大きめでもいいかと。
・四話上 ラスト
矢加部が衰弱しきったと語るわりに冷静に見えるので、頭痛がするとか胃が痛いとか不調の描写があるといいかもしれません。
瓜坂の外見描写に腕時計の情報が欲しいです。四話下で腕時計が重要な役割をしているので。
・四話下 序盤
瓜坂の回想で、ルイスの襲撃により藍崎組に負傷者多数発生、とありました。
それはいいのですが、エピローグで四十人の医療費一千万とあり、ルイス単独でオカルトの専門家を何人も含む極道四十人を病院送りにできるものかなと首をひねりました。
四十人もの負傷者が出るような襲撃があれば、いくら極道がらみとは言え付近の住民や警察が動きそうな気もします。
・四話下 中盤
儀式実行時、生贄の人間はルイスの屋敷内にいたのでしょうか。
生贄は儀式の現場にいる必要があるイメージなので、その場に矢加部が一人だけだったのは少し違和感を覚えました。
拘束された瓜坂が左手と首を動かして腕時計を確認していますが、後ろ手縛りだと身を捩っても手首を見るのは厳しい気がします。自分でも試したのですが、やり方がまずいのかどう頑張っても手首は見えず……。
前だったら問題ないですが、状況的に後ろ手縛りかと思ったので。
・四話下後半
以降は個人的な好みが多分に含まれます。
デュラハン攻撃直前に、瓜坂が渾身の演技で叫んだとあり、個人的にかなり冷めました。それは矢加部の正体開示後に言って欲しかった。
一話時点で瓜坂は読者にも情報を伏せることがわかっているので、ここで本音を出さなくてもいいのでは。
百鬼夜行のシーンも、直前に瓜坂が解説をしたせいで期待感が削がれてしまいました。
上手い例ではないですが、以下のようだとワクワクできたかなと。括弧内は読者の反応(仮)です。
ルイス「どうせハッタリでしょう!」
→ルイス窓へ(ルイスはどうやって逃げるのだろう?)
→窓に提灯お化けが映る(何事?!)
→ルイス驚く、悲鳴を上げるなどのリアクション
→百鬼夜行の面々が窓に映る(瓜坂何をやった?!)
→瓜坂「今日は干支~」(そういうことか!)
矢加部の正体が判明するシーンも百鬼夜行のシーンも、良いものだっただけに期待感が削がれるのはもったいなく感じました。
ヤマモトが来る展開は盛り上がってよかったです。ただそれまでに「ヤマモトが日本にいる」情報がなかったので、いつイギリスから戻ったんだろう、となりました。
四話上の電話シーンでヤマモトが近々矢加部の様子を見に日本へ戻る、ということでも言わせておくなどすると、伏線になるのではないかと。
それと、オカルトに詳しくない私にはヤマモトの正体を知らされても「誰?」となってしまいました。
エピローグにもう少しヤマモトの解説があると嬉しいです。
〇全体で気になった部分
矢加部視点の話は、瓜坂視点よりも地の文が理性的なので、感情的な傾向のある矢加部の台詞と地の文の調子が合わず、どうにもノリ切れませんでした。矢加部の潔癖な部分が私の感性と合わなかったせいもあるかもしれません。
矢加部視点の地の文をもっと感情的にするか、他の回答者様が仰っているように三人称一元にすればまた印象も変わると思います。
なんとなく、スレ主様は瓜坂の方が書きやすかったように見えました。瓜坂視点は地の文とのズレを感じなかったので。
会話劇がメインのせいもあるでしょうが、台詞で感情表現をしていて動作表現が少なく感じます。特に、百鬼夜行を目撃したルイスがほぼ無反応なのは残念でした。
作中でパロと明言されているのはジョジョとガンダムネタでしょうか。
どちらもわからなかった身としては、前者はともかく後者はパロと言わなくとも意味は通じるので、わざわざ明言しなくてもいい気もします。
〇誤字など
・四話上「ヤマモトさん助けられ」
・四話下「左手をと首を」
・四話下「~狙って引き絞った」引き絞る、は弓の弦を引く動作なので槍には合わないかと。「弓を引き絞るように体を捻った」ということでしょうか。
・四話下「机の舌から」こちらは数行前に同じ言葉があるので削ってもよさそうです。
・エピローグ「偽物の降伏」
〇余談
マリーの研究ノートをルイスが持ち去ったとき、某推理漫画の影響で「ルイスは姉の研究儀式を実行して自爆するのかな」と嫌な予測を立てていました。
実行した魔術は、ノートを盗んだ相手に報いを受けさせるための罠。魔術の実行はできるので嘘ではなく、ただし術者が確実に事故って死ぬことも書いていない、というような感じの。
粗探し、難癖に等しい批評になってしまいすみません。
キャラクターとストーリーはとてもよかったので、改稿を楽しみにしています。
オカルト探偵(さぎし)、今日も騙る(完結版・初稿)の批評の返信
スレ主 大野知人 投稿日時: : 0
ギンブナさん、ありがとうございます。
事務所襲撃の唐突さは確かにありますが、幕間での発言もあるので、なんとなくわかるかなと思った次第。
矢加部が『エスニックじみた』と感じたのは、あえて『どこの民俗か』言及しないことで、矢加部の『不慣れさ』を書いたためです。
腕時計は確かにいるかもですね。
うーん。デモとか参加する知り合いに聞いたんですが、暗闘系は意外とバレないらしいのです。とはいえ、一般常識で言えばわかりにくいのも事実。もう少し伝え方を考えます。
腕時計確認のシーンは、うーん。リアリティを突き詰めすぎると尺を食うので、『ラノベだから』で通そうかな。
ヤマモトの正体が分かりづらいのは了解です。ちゃんと作中にも書くようにしますが、『稲生物怪録』という江戸のころの妖怪草子に出てくる妖怪の総大将ですね。基本的に『さんもとごろうざえもん』と平仮名で検索かければ出てくる名前なので、解説をサボってしまいました。
瓜坂視点の方が描きやすいのは事実なんですが、二話とか四話上とかを瓜坂視点で書くのが難しいので、ちょっと悩んでおります。
動作が少ないのは説明に尺を割きすぎた弊害ですね。ギミックを少し減らして、尺を稼ぎます。
誤字報告感謝。