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花男爵の遺言 (No: 1)

スレ主 カイト 投稿日時:

目的:趣味で書く

要望:一緒に作品を作って欲しいです!

キャッチコピー:「庭で見つけた、あの人と私の人生」

カテゴリー:ラノベ(中高生向け)

あらすじ

《起》
ジェナーサ村に暮らすオリヴィア・レボワは、目の不自由な母親を助けながら、聖堂の下働きとして平凡ながらも穏やかな生活を送っていた。
そんな彼女の元に、ある日突然ダニエル・ウィフールと名乗る青年が訪ねてきた。彼は高圧的な態度で、自分と結婚するようオリヴィアに命令する。オリヴィアは反発するが、彼はさらに驚くべきことを告げた。オリヴィアが、代々宮廷庭師を務める一族の当主、ハリソン・ウィフール、通称花男爵の隠し子だというのだ。
オリヴィアは驚き、次いで怒りに震えた。母のスカーレットは私生児としてオリヴィアを生んだことで散々苦労をしてきた。近年の失明もそれが原因だと信じ込んでいるオリヴィアにとって、父親は母と自分を捨てた憎むべき存在であり、その話題はタブーだったのだ。
ダニエルにつかみかかろうとするオリヴィアだったが、奥から出てきた母に言葉を失う。母は、ダニエルの声をかつての恋人ハリソンのものと聞き間違え、慌ててやってきたのだった。涙ながらに再会を喜び、その後勘違いとわかって落ち込む母に、オリヴィアは毒気を抜かれてしまう。ダニエルを家の中に招き入れ、詳しい話を聞くことにした。
それによると、ウィフール家は現在お家騒動の最中だという。
長年宮廷庭師として勤めたハリソンは、高齢のため黄昏の病(認知症)を得て仕事を続けるのが難しい。その後継者として名乗りを上げているのが、ダニエルとその叔父ロバートだった。二人ともハリソンの傍系のため血筋的には互角だが、庭師としての実績は年長のロバートが優っている。そこでダニエルは、ハリソンの実娘であるオリヴィアと結婚することで、後継者争いの優位に立とうとしているのだ。
オリヴィアは当然断ろうとするが、ダニエルは結婚後の何不自由のない暮らしを約束した。オリヴィアにとってその提案は魅力的であり、また、封印していた恋心を思い出してうっとりとする母を見ると、「母が会いたがっているなら、ひと目会わせてあげたい」「父親を母に謝らせたい」という思いも湧いてくる。結局、オリヴィアはダニエルの申し出を受け、共に王都に向かうことにした。
王都に着いたオリヴィアは、まずハリソンが設計したという王立庭園を見学させられる。庭園は美しかったが、一分の隙もないその庭に、ハリソンとはよほど人間味のない高慢な男に違いないと思う。
その後オリヴィアは、ダニエルの乳母エズメから厳しい貴婦人教育と、庭師としての知識を叩き込まれる。彼女を慰めてくれたのは屋敷の小さな中庭だった。そこは故郷に似た優しい雰囲気の場所だった。
持ち前の負けん気で頑張っていたオリヴィアだったが、慣れない生活にホームシックになり、その上ダニエルが非協力的なのに怒りを爆発させ、喧嘩をして屋敷を飛び出してしまう。
暗くなった川沿いをあてもなく歩いていると、一人の老人に声をかけられる。好々爺といった雰囲気の老人に気が緩んだオリヴィアは、彼に自分の境遇を語る。老人とのどこかちぐはぐな会話は、不思議とオリヴィアを慰めた。
その後、従者が老人を探しにくる。灯に照らされたオリヴィアの顔を見て、老人は「スカーレット…」と呟く。オリヴィアもその瞬間、彼が父親のハリソンであるということを直感した。
オリヴィアは、長年恨みを抱いていた父親の小さく弱々しい姿、そして母スカーレットを忘れていなかったことに愕然とする。しかし、ハリソンは彼女より取り乱し、しきりに「スカーレット」と呼びかけた。オリヴィアは、自分はスカーレットではなくあなたの娘だと伝えようとしたが、従者はその前にハリソンを連れ帰ってしまう。
「父母をもう一度会わせてあげたい。そして、ハリソンに自分のことを認めさせたい」そう思っていたところに、オリヴィアを探しにきたダニエルが現れる。
オリヴィアはダニエルにそのことを話し、そのために自分も頑張るから協力してほしいと頼む。ダニエルはそれに応じ、また今までの態度を謝った。彼は乳母のエズメにこっぴどく叱られ、多少なりとも反省したようだった。

《承》
目標を新たにしたオリヴィアは、周囲が眼を見張る速度で成長した。
以前は放り投げたハリソンの著書も読み込み、彼が庭作りにかけた情熱や信念に触れた。一方で、ダニエルの屋敷のお気に入りの庭もハリソンの設計したものと知って驚く。
ある日、ダンスのレッスンをしていたところにダニエルが顔を出し、まだ足運びがぎこちないとオリヴィアの手を取って踊りだす。文句を言いながらも長時間練習に付き合ってくれたダニエルのことをオリヴィアは見直し、同時に少しだけ胸をときめかせるのだった。
そんなある日、後継者争いのライバルである、ダニエルの叔父ロバートが訪ねてくる。彼はオリヴィアが本当にハリソンの実娘なのか、その証拠はあるのかと問うた。
「オリヴィア=ハリソンの娘」と頭から信じ込んでいたオリヴィアとダニエルはポカンとし、二人なりのその根拠を説明するが一蹴されてしまう。ロバートは、十日後に行われる親族会議で、オリヴィアがハリソンの娘であることを証明する場を設けると一方的に宣言し、それまで二人がハリソンに面会することを禁じる。
オリヴィアとダニエルは焦り、とりあえずオリヴィアの母であるスカーレットのところに向かった。
スカーレットは喜んで二人を迎え、自分とハリソンの思い出話をする。しかし、肝心のオリヴィアとハリソンの親子関係を結びつける証拠になるような話や物品はなく、ほぼ惚気話で終わってしまった。
気落ちして戻ると、来客があった。それはハリソンの長年の親友であるセロ伯爵、通称薔薇伯爵だった。彼はロバートからオリヴィアの件を相談され、彼女を見に来たのだという。伯爵は、オリヴィアにハリソンの面影は認められるものの、ダニエルとロバートのどちらかに味方するつもりもない、と言って帰ってしまう。
親族会議の日。
証人には薔薇伯爵が呼ばれていた。伯爵が提示した証明の方法は、ハリソンが最後に品種開発した薔薇の名前を当てること。薔薇には「我が娘」という仮名がつけられており、娘ならば当然わかるだろう、という理由だった。彼は元気だった頃のハリソンからその薔薇の本当の名前を預かっており、時が来たら公表するつもりだったと話す。
結局これといった証拠を見つけられなかった二人は、戦々恐々としながら親族一同の前に立った。特に、今までの努力と目標が報われなくなると意気消沈していたオリヴィアを、ダニエルは励ます。
緊張するオリヴィアの前に、薔薇が置かれる。その薔薇を見た瞬間に母の顔が思い浮かんだ。薔薇は、スカーレットの髪の色によく似た色の花だった。スカーレットの思い出話の中にヒントを見出したオリヴィアは、ヤケクソで思いついた名前を叫ぶ。
その名は確かに、ハリソンが決めていた薔薇の名前と一致していた。わかるはずがないと思っていたロバートたちは不正を疑うが、証人の薔薇伯爵にひと睨みされる。
こうして、オリヴィアがハリソンの実娘であること、彼女とダニエルの婚約が正式に親族たちに認められた。
屋敷に帰ってホッと一息つくオリヴィアたちのもとに、薔薇伯爵がやってくる。伯爵は、本当はオリヴィアを見た瞬間からハリソンの娘であると確信していたと話した。それほど、オリヴィアは若かりしハリソンに似ていたのだ、と。しかし、親族たちに彼女を認めさせるには伯爵のゴリ押しだけでは弱いと感じ、あの証明の場を設けたという。そして、二人で支えあってハリソンの跡を継いでほしいと話した。
この後に待っているのは宮廷庭師の後継者選び、そのために、王太子の離宮の庭園監督に選ばれることだった。

《転》
オリヴィアとダニエルは、王太子であるヴァイオラ王女のお茶会に呼ばれる。
お茶会には王女と、その婚約者のセバスチャンが顔を揃えていた。ヴァイオラは、ダニエルとロバート、どちらが庭を作ってくれるのか楽しみにしていると話す。また、新しい庭で結婚式をしたいとも話した。
和やかなお茶会で一般的ではない飲み物、珈琲が出されオリヴィアは驚く。ヴァイオラ王女は異国情緒に憧れを抱いており、そのことをうっとりと語る。
帰りしな、セバスチャンがオリヴィアに耳打ちする。ヴァイオラは公正な立場を取っているが、本心では自分と同年代のダニエルに頑張ってほしいと思っている、今日の会話の中にヒントが含まれている、と。
その後、ダニエルはロバートの庭の設計図をこっそり手に入れ、その完璧さに打ちのめされる。
オリヴィアはいくつかの提案をし、ダニエルはダニエルの庭を作ればいいと励ます。元々どうしてもハリソンに追いつけないコンプレックスを自覚していたダニエルは、オリヴィアの言葉に励まされ、新たな庭作りに没頭し、オリヴィアそれをサポートする。

《結》
いよいよ発表の日。
オリヴィアとダニエルが王宮に出かけようとしたところで、ハリソン危篤の急報が。オリヴィアが狼狽える中、ダニエルはスカーレットを急いで連れてくるようヒューに命じ、王宮には自分一人で行くから、オリヴィアにはハリソンの元へ急ぐよう言う。オリヴィアは後ろ髪を引かれつつも、ハリソンの元へ向かう。
ハリソンの部屋に飛び込んだオリヴィアは、意識が朦朧とするハリソンに「もうすぐスカーレットが来るから頑張れ」と励ます。するとハリソンはおもむろに意識を取り戻すと、オリヴィアを見つめて自分が最後に作った薔薇の名前を呟く。オリヴィアは、ハリソンが自分のことを娘だと認識したことを確信し、改めて自己紹介をする。それを聞いて、ハリソンは満足そうに頷く。
一方ダニエルは、王宮で緊張の極みの中にいた。ロバートの完璧なプレゼンが終わり、とうとう自分の番が来る。もうダメだと思った時、オリヴィアの「自分の庭を作ればいい」という言葉が頭に浮かんできた。それに励まされ、ダニエルはプレゼンを始める。
終了後、ダニエルは急いでオリヴィアとハリソンの元へ向かう。屋敷についたところでスカーレットとも合流し、目の不自由な彼女の手を引いてハリソンの部屋に入った。
そこではオリヴィアが泣き崩れていた。ハリソンが今しがた事切れたことを察したダニエルは、無言でスカーレットをベッドに誘導し、ハリソンの手を握らせた。そして、ハリソンの声音を真似て愛の言葉と別れを告げる。スカーレットは涙ながらにそれに応え、最後にダニエルに向かって深く頭を下げた。

《エピローグ》
一年後、ヴァイオラ王女の離宮では親しい者のみを集めた結婚披露宴が行われていた。異国風の庭園で珈琲やお菓子をつまみ、おしゃべりに興じる人々を、庭の隅でオリヴィアとダニエルが眺めている。
ダンスを促す音楽が流れ始め、オリヴィアがダニエルを誘う。その前に、とダニエルは彼女の前に跪き、改めてプロポーズをしたのだった。

キャラクター

(主要四名)
・オリヴィア・レボワ(15歳)
少々勝気が過ぎるが、前向きで聡明な少女。早起きの働き者。母親思いの一方、思い込みで他者を非難してしまうこともある。
・ダニエル・ウィフール(17歳)
年のわりに優秀な庭師と評されているが、自信のなさを高慢な言動で隠している。努力家だが独創性に欠ける。
・ハリソン・ウィフール
男爵位も賜った稀代の天才庭師だが、現在は認知症のため発言力はない。彼が後継者を定めなかったことから、ウィフール家のお家騒動が勃発した。オリヴィアの父で、ダニエルの大伯父。
・スカーレット・レボワ
オリヴィアの母。若い頃の道ならぬ恋の結果オリヴィアを授かった。現在は盲目だが、家事全般を器用にこなす。少々夢見がちな性格。

設定(世界観)

17世紀ヨーロッパをモデルとした異世界(魔法なし)

参考作品

「流血女神伝」シリーズ、「ヴェルサイユの宮廷庭師」「エバーアフター」

作者コメント

こんにちは、カイトと申します。

以前見ていただいたプロットを大幅に手直ししてみました。「物語の基本」を押さえることに重点を置いたため、オリジナリティはほぼありませんが、「物語」進行、展開としてはいかがでしょうか。

前回と同じく、以下の三点についてご意見いただけると嬉しいです。
ストーリーキャラクターに多少なりとも興味を引かれるか
・あらすじが破綻していないか
・ツッコミどころ、物足りなさ

よろしくお願いいたします。

この小説に意見を書く!

花男爵の遺言の返信 (No: 3)

投稿者 ふ じ た に : 1 No: 1の返信

投稿日時:

カイト様、お久しぶりです!
率直に言って面白いそうだと思いましたよー。

母子家庭だった主人公にいきなり父親の親戚がやってきて求婚してくるなんてドラマチックで恋の予感!でしたし、最初ギスギスした二人がどうなるのか気になりますよね。
実の娘なのか証拠はあるのかと言われてハラドキする展開も良かったです。
娘だからこそ知っていた薔薇の名前で、危機を回避できて良かったです。

最後、誰が勝ったのかは、濁したままで終わるのでしょうか?

次に気になった点ですが、話の展開(構成)とライバル役ロバートについてでしょうか。

・構成について
娘の証拠を求められるシーンが物語の中で大きな山場のように感じられたんですが、それ以降の展開が長く若干蛇足的に感じた点でしょうか。

現在は以下の感じで展開していると思いますが、
1、主人公、ダニエルと出会う。
2、主人公、新しい場所で淑女教育を受ける。
3、主人公、ダニエルと仲違い。
4、主人公、父親と出会う。
5、主人公、ダニエルと仲直り。
6、主人公、ダニエルにときめく。
7、主人公、ロバートと出会う。娘なのか証拠を求められる。
8、主人公、父の親友セロ伯爵と出会う。
9、主人公、無事に薔薇の名前を当てる。
10、主人公、王太子のヴァイオラ王女と出会う。
  ダニエルはロバートの庭の設計図の完璧さに打ちのめされる。
11、いよいよ発表の日。主人公、危篤の父の元へ駆けつける。
   ダニエル、主人公の言葉を思い出して最後まで頑張る。
《エピローグ》プロポーズ。

10のシーンを9以前に用意した方が個人的に良かったと思いました。感覚的な話なので、合わなければ流してくださいね。

ライバル役ロバートについてですが、現在特に嫌なキャラという演出が見当たらなかったように感じたので、「実力の足りないダニエルが有利になるために主人公を連れてきた」と受け取られる恐れがあるので、
ロバートが「こんな嫌な奴に負けたら大変だ」くらいの悪役キャラのほうが良かったと思いました。

あと、個人的な欲を言えば、恋愛系の話のように感じるので、もっとダニエルにキュンキュンするような展開があっても良かったと思いました。

かなり完成度が高いプロットのように感じましたよ。
気になった点を書きましたが、あくまで個人の意見なので、合わなければ流してくださいね。
執筆応援しております。
ではでは、失礼しました。

長所。良かった点

ドキドキハラハラする展開。

良かった要素

ストーリー 文章

花男爵の遺言の返信の返信 (No: 4)

スレ主 カイト : 1 No: 3の返信

投稿日時:

ふじたにかなめさん
こんにちは、お久しぶりです。
今回も読んでいただきありがとうございます。面白そう、ハラドキを感じていただけたようで、ホッとしています。

今回、4500字以内にプロットをまとめることができず、いくつかご指摘いただいた箇所も、削った結果のわかりにくさ、になってしまっています。すみません。

・最後、誰が勝ったのか
ダニエルが勝ちました。
「ロバートの完璧な設計図に打ちのめされるダニエルに、オリヴィアは王女の趣味である異国風の庭にしてはどうかと提案する。今までやってきた庭作りに反すると抵抗を示すダニエルだが、オリヴィアに『ダニエルはダニエルの庭を作ればいい』と励まされ、庭作りに取り組む」
という経緯があってからの
「王女の結婚式の日、異国風の庭での披露宴に参加する二人」
というラストになります。
ハッキリと「ダニエルの勝ちです!」というシーンは書かずに、エピローグで間接的に結果を描こうと思うのですが、どうでしょうか。

・恋愛ものっぽいシーン
これまた省いてしまいましたが、
「緊張するオリヴィアに男気のある励ましをする」
「腰が抜けそうになるオリヴィアを抱きしめて支える」
「新しいドレスを不意打ちで褒める」
「二人で夜の庭を散策する」
などのシーンを入れようと思っています。

それから、構成についてのご指摘ありがとうございます。たしかに、山場が中盤に来てしまっておりそこからが長いですね。
いただいたアイデア、ぜひ参考にさせてください。
ロバートについても同様で、「なるほど、もっと嫌な奴にした方がいいのか」と勉強になりました。振り返ると、割と登場人物全員が「いい人」で似たり寄ったりな印象を与えてしまうなとも感じました。「とにかく嫌な感じの親戚」を目指して描いてみようと思います。

前回に引き続き、励まされるコメントを本当にありがとうございます。
執筆頑張ります!

花男爵の遺言の返信の返信の返信 (No: 5)

投稿者 ふ じ た に : 0 No: 4の返信

投稿日時:

返信ありがとうございます!

審査員の王女の好みに合わせた庭が選ばれたってことですね。
納得しやすい結果で、良かったと思います!

恋愛シーンも教えてくださり、ありがとうございます!
ツンツンなヒーローと勝気な主人公がどう絡むのか、楽しみです!

執筆、頑張ってくださいね~♪

花男爵の遺言の返信 (No: 7)

投稿者 さる・るるる : 1 No: 1の返信

投稿日時:

1.ストーリーキャラクターに多少なりとも興味を引かれるか
2.あらすじが破綻していないか
3.ツッコミどころ、物足りなさ
    ↓
順番を「1」「3」「2」と変えて説明します。

■1.ストーリー、キャラクターに多少なりとも興味を引かれるか
【ストーリーについて】
何を伝えようとしているか、さっぱり分かりません。
オリヴィアとダニエルの話、スカーレットとハリソンの話、
ダニエルとロバートの話、オリヴィアがハリソンの娘である話。
どれも、1本書けてしまうほどの内容を、
まったく深掘りせずに、ただただ列記しているだけです。

プロットというのは、主人公が、どういう【状況】で、
どういう【人】と関わって、どういう風に【考え方が変わっていったのか】といった
“感情の変化”を見せていくものです。
つまり、このプロットでは「感情の変化」が分かりません。

物語の基本は、主人公が「成長していること」です。
そして、成長させるためには、いくつかのプロセスが必要です。
「順を追って」書くことが、非常に大切です。

それゆえ、プロットは、感情の変化の「流れ(順番)」が正しいか、
欠落している部分はないか、逆に余剰な部分はないか、
といったことを、俯瞰(検証)するためのモノです。

つまり、贅肉を削ぎ落とし、骨子だけが見えるようにします。
例えば、珈琲がどうたらこうたらなんて、物語に大きな影響を与えることでしょうか?
不要な部分が多すぎます。

まず、「感情の流れ」を最優先で考え、それを生かすための「状況」を作る。
そのあとで、「舞台(出来事・エピソード)」を用意します。
逆は、絶対にダメです。

どうしても、先に「舞台」や「出来事」を考えがちです。
それを先にやってしまっては、どうやっても面白くなりようがありません。

そして、この話は、17世紀という「過去の設定」です。
「未来の設定」も同じなのですが、現代で描きづらいことを「過去や未来」に持っていきます。
なぜ、17世紀という過去の時代設定なのか、必然性がありません。
「現代」とは、「どこが、大きく異なるのか」を明記しておく必要があります。
つまり、大前提(これがテーマかと)を、読者に知らしめておく必要があります。

どの国でも、17世紀は、男尊女卑でしょう。
男は働き、女は家庭を守る時代です。
よくこういう話を作る場合は、「ファエニミズム」をテーマにすることが多いです。
ただ、読むとそういう印象はありません。
ということは、17世紀の何が必要だったのでしょうか?
時代設定をまったく活かしきれていません。

また、庭園づくりの話が、中高生に刺さるとは思えません。
なぜ、庭園なのでしょうか? これも、また必然性が感じられません。

【キャラクターについて】
設定だけを列記しても、どんな人間か分かりません。
キャラに合わせた、行動や発言で、【個性】が発揮されます。
それゆえ、このプロットでは、魅力を感じる要素が見当たりませんでした。
むしろ、計算高いヤな女に感じました。
また、余計なことを書き過ぎているせいで、キャラが、状況ごとに変わっています。
つまり、キャラを軸ではなく、筋を軸にした、ご都合主義となっています。

■3.ツッコミどころ、物足りなさ
・そもそも、ダニエルは、なぜ、オリヴィアがハリソンの隠し子だと分かったのでしょうか?(17歳の少年に大人の事情が分かるのかが不思議だし、大人たちは、なぜ、それが分からないのかも不思議・・・)
・そもそも、ダニエルは、オリヴィア(妾の子)と結婚しても、なんのメリットがないと思うのですが?(現代ですら、愛人の子、妾の子とは、誰も結婚したがらないですよね?)
・そもそも、貴族が、平民の子もしくはそれ以下の位の子(オリヴィア)と、結婚すること自体が許されないと思うのですが? (本人が良くても、まず親が許さないのでは? 17世紀の設定ですよね?)
・そもそも、ハリソンの娘だとしても、オリヴィアはその才能を受け継がれている保証は、まったくないと思うのですが? (だいたい才能を磨く環境にも置かれていないし、2世というのは才能がなく、親の財産を食い潰すのが定番です。天性の才能がある、という話が、一番つまらないです。というか、ドラマになりにくい)
・そもそも、ダニエルが結婚後の何不自由のない暮らしを約束したとしても、自分の母親と同じ目に合い、捨てられると思わなかったのでしょうか?(貴族が、平民の子に言い寄っても、遊ばれて捨てられるのがオチですよね? 自分も母親と同じ境遇になると思うのが普通だと思うのですが。自分だけは違うと、身の程をわきまえていないのでしょうか?)
・そもそも、オリヴィアが、ハリソンが設計したという王立庭園を見て、何が分かるというのでしょうか?(もし庭造りの才能があるとしても、どこでそれを培ってきたのでしょうか? 伏線がありませんので、突拍子もない展開にしか思えません)  
・そもそも、乳母エズメが、なぜ庭師としての知識を持っているのでしょうか?(女性が、男性の仕事の知識を身につけているなんて、あり得ません)
・そもそも、女性のオリヴィアが、なぜ庭師の知識を持つ必要があるのでしょうか?(この時代、男性が仕事をして生計を立て、女性は男性の身の回りお世話をすることです。ダニエルのサポートは、仕事の面ではなく、別の面ではないでしょうか?)
・そもそも、オリヴィアが、ダニエルが非協力的なのに怒りを爆発させとありますが、何で協力する必要があるのでしょうか?(結婚後の何不自由のない暮らしという、最大級の餌をぶら下げられているのに、なにをワガママなことをいっているのでしょうか?)
・そもそも、オリヴィアは、なぜハリソンに、自分のことを認めさせたいと思ったのでしょうか?(もう痴呆なのに? そして、身分の違い、性差の違いを、まったく無視しています?)
・そもそも、王立庭園を見学させられた時に、ハリソンとはよほど人間味のない高慢な男に違いないと思ったのに、ダニエルの屋敷の庭が、ハリソンの設計したものと知って、なぜ驚いたのでしょうか?(オリヴィアが、ダニエルの庭を見て、ハリソンが作ったと分からなかったことで、庭師の才能がないということへの暗示でしょうか?)
・そもそも、薔薇には「我が娘」という仮名がつけられていれば、自分の名前を言わなければ、実の娘ではないことが決まってしまいますよね?
・そもそも、薔薇の名前を当てる下りで、オリヴィアがヤケクソで思いついた名前を叫び、それが当たってしまうなんて、もう荒唐無稽の極みなのではないでしょうか?
・そもそも、オリヴィアがハリソンの実娘であることが、そんなに重要なことなのでしょうか?(この時代、男が外で子供を作ったとしても、男の甲斐だし、妾の子に特別な権限なんて与えないと思うのですが?)
・そもそも、伯爵は、オリヴィアを見た瞬間からハリソンの娘であると確信していたとありますが、若かりしハリソンに似ていた程度では、なんの説得力もないと思うのですが?
・そもそも、男爵が、親族たちに彼女を認めさせるには伯爵のゴリ押しだけでは弱いと感じ、あの証明の場を設けたとありますが、ゴリ押し以外の何物でない、と思うのですが?
・そもそも、ヴァイオラ王女の婚約者であるセバスチャンが、なぜ、オリヴィアの味方なのか、よく分からない?(ただのご都合主義ですよね?)
・そもそも、ダニエルは、なぜロバートの庭の設計図を手に入れたのか不思議(ただのご都合主義ですよね?)
・そもそも、設計図を手に入れ、その完璧さに打ちのめされるとありますが、庭の完璧って何ですか? その定義は? だいたい庭づくりに正解ってあるんですか?
・そもそも、ダニエルはダニエルの庭を作ればいいとありますが、ダニエルがどんな庭作りを目指しているか、さっぱり分かりません。説明がないので。
そもそも、ダニエルは、ハリソンに追いつけないとなりますが、キャリアが違いすぎて、追いつけないのは当たり前なのではないでしょうか?(17歳で、庭づくりができるようなら、庭づくりって、大したことないですよね?)
・そもそも、ダニエルはオリヴィアに、改めてプロポーズをしたとありますが、どういった流れで、どういう部分を好きになったのか、さっぱり分かりません。
・誰が主人公か分かりません。読んでいる印象だと、ダニエルっぽいのですが?

「2.あらすじが破綻していないか」へ続く。

良かった要素

ストーリー

花男爵の遺言の返信 (No: 8)

投稿者 さる・るるる : 1 No: 1の返信

投稿日時:

■2.あらすじが破綻していないか

残念ながら、まだ、プロットとして、ジャッジするレベルにはありません。
とりあえず、高慢な貴族のダニエル(男)に、庶民のオリヴィア(女)が
恋をする話として仮定して、基本的な流れをご説明します。

まずは、三幕構成(起承転結)。
ファーストシーンは「最悪の出会い」、ラストシーンは「両思い」です。
となると、真ん中の部分は、「好きになっていく過程」となります。

次に、「人物配置」と「性格づけ」。そして「対比」。
主人公はオリヴィア、相手はダニエル。
そして、関係は、必ず、「対比」させます。
つまり、オリヴィアは「女」、ダニエルは「男」。
オリヴィアの「庶民」に対して、ダニエルは「貴族」といった具合です。
もちろん、性格も同じです。
オリヴィアは「いい人」で、ダニエルは「ヤな奴」です。

ただ、これでは、人物が不足しています。
つまり、ダニエルの「ライバル」を登場させましょう。
そう、三角関係を作るのです。三角関係は、物語の基本です。

そして、ここもまた、「対比」を意識して、
ダニエルの「ヤな奴」に対し、ライバルは「いい人」にしましょう。
ライバルは、「貴族」でも、「庶民」でも、どっちでもいいです。

つまり、オリヴィアから見れば、
性格の悪いダニエルを選ぶか、性格のいいライバルを選ぶか、という構図になります。
そして、もちろん、ヤな奴のダニエルとくっつくように作らなければなりません。

そこで、“美点(良いところ)”と
“欠点(悪いところ)”を【意識して】作っておく必要があります。
主人公のオリヴィアは10のうち、9の「美点」と、1の【欠点】を考えます。
そして、ダニエルは、1の【美点】と、9の「欠点」を考えます。

ここが【最も重要なポイント】です。
オリヴィアの「欠点(悪いところ)」と
ダニエルの「美点(良いところ)」は【対比である(セットである)】ということ。

例えば、オリヴィアは、【慎重に考えてから、行動】します。
しかし、考えすぎてしまい、実は、行動に移せないことが多いのです。
そして、ダニエルは、【後先も考えず、すぐに行動】します。
そのため、失敗も多いが、実は、目標に向かって確実に進んでいるのです、といった具合です。

つまり、オリヴィアの「足りない部分」を、ダニエルが「持っている」という点です。
主人公が「最も欲している部分」が、ダニエルには「ある」のです。

そして、オリヴィアの抱えている「問題や障壁」は、
この部分を解放してあげることによって、解決へと繋がるようにように作ります。
ここが、一発逆転となる「大きなターニングポイント」です。

実は、ヤな奴の「美点」は、とっても目立ちます。
怖そうなヤンキーが、雨の中、捨て猫を拾っているシーンと同じです(笑)。
つまり、ヤな奴だと思い込んでいたのに、実はいい奴だったと。
そこをきっかけに、さらに自分の思い込みを、ひっくり返していく事実が出てきて、
主人公は、ヤな奴を見直し、恋に落ちていくのです。
ま、ギャップ萌えですな。

それゆえ、自分の勝手な思い込みをたくさん作っておいて、
それを、ことごとく、ひっくり返していくのです。
読者の予想を裏切っていく展開にしていく、と。

例えば、「貴族だから、好きなことを、なんでもできるのだろう」とか、
「貴族だから、自由な時間がたっぷりあるのだろう」とか、
「貴族だから、お金には全く苦労しないのだろう」とか、です。
だから、私は、貴族と同じようにできなくて、当然だと。
自分に、都合のいい「言い訳」を、用意しているワケですね。

しかし、ダニエルと出会い、
物語後半から、自分の考えが、まったく間違っていたことに気づくのです。
今まで心に根強くあった貴族への偏見が、
ダニエルと会うごとに、どんどん消えていくように作って行きます。
そして、オリヴィアは、ついに【自分自身と対峙する】ハメになります。
そこで、次に、自分がどんな行動に出るのかで、物語が決まってきます。
ここも、かなり重要なポイントです。

ここで、展開の参考となる映画作品をご紹介しておきます。
「こんな夜更けにバナナかよ」というノンフィクションを、映画化した作品です。
小説よりも、映画の方が、理解しやすいですので。

ここで取り上げる部分は、【三角関係(映画のオリジナル部分)】です。
・筋ジストロフィーの超ワガママ野郎・鹿野(大泉洋)。
・イケメン医大生の超いい人・田中(三浦春馬)。
・田中の恋人・美咲(高畑充希)。

美咲から見て、「鹿野」を取るか、
「田中」を取るか、という選択肢は、
どこをどう考えて「田中」しか、考えられません。
もともと、田中の恋人ですし。

しかし、誰もが予想しなかった展開となります。
美咲(女性)の視点ですが、男でも共感できます。

それは、鹿野を「男としての魅了」ではなく、
「人間としての魅力」を描いているからです。

詳しく解説はいたしませんが、
女性視点でも、男女ともに、グッとくるシーンを作るための「手順」と、
その「伏線」を、ここで学んで欲しいと思います。

だらだらと書きましたが、プロット作りの基本は、
主人公の、感情の変化(成長の過程)を、誰もが分かるように見せることです。

ラストで、主人公が感情を爆発させるためには、
かなりのタメ(問題や葛藤・伏線)を必要とします。

そのタメが、どれぐらい必要なのかは、経験値なのかもしれませんが、
ラストから逆算して作ると、わりかし、作りやすいと思いますよ。
ではでは。

花男爵の遺言の返信の返信 (No: 9)

スレ主 カイト : 0 No: 8の返信

投稿日時:

さる・さるるさん
こんにちは。今回もお読みいただきありがとうございます。二度に渡りコメントいただけて嬉しいです。
にも関わらず、またダメダメでお目汚ししてしまったようですね。丁寧な指摘とわかりやすいアドバイスをたくさんいただき恐縮です。
作品を作る際、自分はストーリー(舞台や出来事)を考えてそこにキャラクターをはめ込んでいくことが常なので、どうしても「流れに沿った動き(=ご都合主義)」から抜け出せていないようです。ご指摘いただいた通り、登場人物の感情の変化を中心に、再度ストーリーを見直してみようと思います。

一方で、ご指摘の「庭園作りの話である必要性が感じられない」について。これは確かにその通りなのですが、譲れません。
なぜ庭園作りを持ってきたのかといえば、単に映画の影響です。『ヴェルサイユの宮廷庭師』という、女性庭師がヴェルサイユ宮殿の庭園作りに奮闘するという話で、これを観て「こんな話がかけたらな」と考え始めたのがきっかけです。ですので「庭園作り」である必然性はまったくないのですが、ここを外すと書く理由がなくなってしまいます。
自分が小説を書くのは完全な趣味・自己満です。せっかく作るなら完成度を高くしたいので、こうやっていろんな方のご意見を聞いているのですが、賞を取りたいとか本を出したいとか閲覧数を稼ぎたい、といった希望はありません。ですので、描きたいものが描けない展開は意味がないのです。
せっかくのご意見を蹴ってしまい申し訳ないのですが、同じ理由で「不倫の結果生まれたオリヴィア」という設定も外せません。すみません。

ツッコミどころも多数ありがとうございます。「わからない」「ありえない」のオンパレードでしたね。
史実に即した話ではないし、そもそも現実世界とは異なるファンタジーを書くつもりなので、「現実の17世紀と異なっておかしい」点があるのは当然です。ですので、これらの指摘は「ここを丁寧に描かないとリアリティがなくなって醒める」ということと受け取りました。
一応、ご指摘いただいた点について「これはこういうことです」という解はあります。ただ、第三者が納得いくものであるかどうかはわかりませんので、丁寧な描写を心がけたいと思います。

映画の紹介もありがとうございます。以前観たことがあるのですが、福祉の仕事をしているせいか、どうもあれをエンタメとして捉えられませんでした。もう一度、アドバイスいただいた観点から観てみようと思います。

今回も拙い作品に時間を割いていただきありがとうございました。
それでは。

花男爵の遺言の返信 (No: 10)

投稿者 さる・るるる : 0 No: 1の返信

投稿日時:

蛇足。

まず、「3.ツッコミどころ、物足りなさ」は、
長々と書いてありますが、
内容よりも、こんなに量があるよ、といった目安と考えてください。
要は「辻褄を合わせましよう」と。

ただ、辻褄わせは、あっちを直すと、こっちが変になり、
こっちを直すと、あっちが変になる、と言った感じで、とっても厄介ではあります。

例えば、「なぜ、突然、薔薇男爵が登場するか?」と言った疑問があります。
それは、「庭園づくりの主役といえば、薔薇が基本である。
つまり、薔薇男爵とは、我が家にとって、欠かせない人物なのである」と書いてあれば、「あまり疑問を持たない」わけですね。
つまり、言葉足らずなわけです。

しかし、これらすべての疑問に答えると、プロットが何倍にも膨れ上がるでしょう。
プロットで、「書く部分」と「書かない部分」の取捨選択は非常に難しいです。
自分では分かりにくいからです。
なので、どんどん人に読ませて、
「分かる? 分からない? しつこい?」を人に聞いてみてください。

そして、プロットは「骨子」です。
まず、「軸」となる部分を作ります。
そして、後で、サイドストーリーや細部を、足していきます。

例えば、「オリヴィアとダニエル」の恋愛話を軸にプロットを練ったとします。
その後で、「母とハリソン」の恋愛話を足していけばいいわけです。

その際、ここも「対比」させます。
母は「結ばれず(事実)」、オリビアは「結ばれる(予定)」となります。

そして、主人公を成長させます。
母は、【最初】自分と同じ苦しみを味わうと思い、
なんとか「やめさせよう」と考えますが、【最後】は「娘を応援しよう」と誓います。
オリヴィアは、【最初】「母のようになりたくない(惨め)」と思っていますが、
【最後】「母のようになりたい(幸せ)」と感情が変化します。

その変化を、軸となる物語に、さらに組み込んでいけばいいわけです。

必然性は、言葉を変えれば、やはり「辻褄合わせ」でしょうか?
庭園づくりを扱うことが問題なのではありません。
「庭園づくり」に、もっと重要な意味を持たせると言うことです。
庭園づくりにおいて、「何を伝えようとしているのか?」と言う部分をしっかりと明記します。
プロットですから、端的に、言い切ってください。

例えば、現代では、庭づくりのイメージは「女性」ですが、
当時は、「男性の仕事」でした。

「ヴェルサイユの宮廷庭師」は、
「庭園づくり」を【男性社会の縮図】として描いています。
ここが、大前提です。
庭園づくりは、「男の仕事・貴族の仕事」でした。
そこへ、「女性が入ってきた」と。

そこで、「男性社会」という大前提を、
「女性は生きにくい時代だった」ということを、
読者が頭の片隅に置くように促します。

多くの人は、「分かると思ってた(←自分で作っていますからね)」
「察してください」と言いますが、それではダメです。
分かることでも、あえて「念押し」で、書いておくことをオススメします。
意外にも、大前提が「まったく伝わっていない場合」って、結構、多かったりします。
書いてあるだけではダメです。記憶に残る部分に書いておくこと。
「現代と違う部分」は、必ず、前もって強調しておくことです。

また、王立の庭園だったり、貴族の庭だったりでは
スケールが大きくて【他人事】です。
それを【自分事】に引き寄せていくために、
身近なシーンに例えて、親しみを作ってからスタートさせていきます。
入口は小さい話で、出口は大きい話に、が原則です。

例えば、「小さな花壇が心を癒すと評判の修道院がありました。
そこの担当をしているオリヴィアは・・・」といった花壇からの始まれば、
後半の庭園づくりに繋がることも、違和感がありませんよね?
ハリソンの娘だからと、何のキャリアもなく、庭師の才能を発揮したりはしません。
「ヴェルサイユの宮廷庭師」の主人公は、もともと庭師ですよね。
きちんと、前振りを置いておくことで、違和感のない展開を心がけていきます。

また、ダニエルと叔父ロバートの庭園対決も、
詳細が書かれてないのですが、逆にこういう部分はしっかりと書いてください。
そして、この部分は、ダニエルが勝たなければ意味がありません。

つまり、「弱いものが、強いものに挑んで、勝つ!!」という展開です。

そこで、キャリアのあるロバートに勝つにためは
「ダニエルならでは」のアイデアと発想で、勝たなければ意味がありません。

例えば、オリヴィアが、修道院で、
子供たちと一緒に、紙に書かれた迷路を解いている見て、
ダニエルは、ハッとします。
庭園は、園内を歩きながら楽しむ方法と、
宮廷から見下ろし広大な風景を楽しむ方法の2つがある。
つまり、庭園に巨大迷路を作れば、
園内を歩くと、美しく整った植栽だが、
宮廷から見れば、巨大迷路を眺めることができる。
もちろん、来賓者には、
実際に迷路を歩かせ、楽しんでもらう。
答え合わせは、宮廷から見れば、分かる仕掛けだ。
ダニエルは、この評判の庭園づくりで有名となり、
巨大迷路の第一人者となって後世に名を残した・・・とか。

また、オリヴィアが、修道院で、
子供たちと一緒に配色独楽で遊んでいるのを見て、
ダニエルは、ひらめきます。
配色独楽とは、円盤に色を塗り、回すと混色して、色が変わる遊びです。
大人たちが色や品種によって、薔薇をレイアウトするが、
ダニエルは、色違いの薔薇をセットで植えることにした。
例えば、赤や白のバラをセットで植える。
色の違う薔薇を見るためには、広大な敷地を移動せざるを得ないが、
この方法なら、一回で、2種類の花々が楽しめる。
つまり、半分の労力で庭が楽しめるのだ。
そして、宮廷から見れば、赤と白のバラが植えてある場所は、
混色して、ピンクに見えるのだ。
目の錯覚を利用した仕掛けだが、この植え方が斬新で面白いと評判になり、
巨大な敷地を持つ庭園では、一気に広まった、とか。

つまり、いずれも、庶民の遊びをヒントにしたアイデアが生まれます。
庶民のオリヴィアと出会わなければ、発想し得なかったアイデアで、ダニエルを勝利へと導きます。

そして、薔薇男爵曰く、
素晴らしい品種の薔薇と、素晴らしい品種の薔薇を交配させても
決して美しい薔薇は生まれない。
人間もそうだ。貴族と貴族、庶民と庶民、男と男、女と女、
そんなことにこだわるよりも、分け隔てなく、人と付き合う方が、人生は豊かになる。
それを、オリヴィアが教えてくれた・・・と、
最後に、こういった教訓めいたことを書いて、言いたいことをまとめます。

ま、だいたい、こんな感じ考えていきます。
だらだらと書き連ねてみましたが、少しはお役に立ちましたでしょうか?
長々と、お疲れ様でした。ではでは。

花男爵の遺言の返信の返信 (No: 11)

スレ主 カイト : 0 No: 10の返信

投稿日時:

さる・さるるさん
再訪ありがとうございます。

そうですね。プロットに何を書いて書かないか、その線引きがまだよくわかっていなくて。今回も、字数制限に引っかかりかなり削ったのですが、どうでもいいことを書いて、大事なことは書いていないということに。
やはり、自分一人の力で良いものを作る、というのには限界がありますね。なので、こうやって皆さんに指摘をいただけるのはとてもありがたいです。

庭づくりについては、作中における必然性を描く、という理解でよろしいでしょうか。庭づくりというテーマが、オリヴィアとダニエルの単なる添え物ではダメ、ということですね。
オリヴィアにとっての庭づくりは、反発を覚えていた父ハリソンと重なるものです。ハリソンが確立させた庭園様式をオリヴィアは学ぶのですが、「まったく興味のなかった庭づくりを学ぶうち、少しずつその面白さがわかっていく=母を捨てた冷徹な男だと思っていた父の過去や違う一面を知り、認識を改める」という流れにしたいと思っています。そのため、オリヴィア自身が庭づくりを極めるのではなく、あくまでダニエルの悩みを理解し(素人目線での)助言ができる程度に精通していればいいかな、と思っています。
ダニエルにとっての庭づくりは、自己実現です。ダニエルは両親を早く亡くしたため親の後ろ盾もなく、高名な庭師であるハリソンをとにかく模倣することでその後を継ごうと思っていたが、なかなかうまくいかない。(幼い頃から天賦の才を見せていたハリソンには到底追いつけないし、キャリアのあるロバートにも敵わない)やがて、がむしゃらになるあまり「庭づくりを極める」という目標が「ハリソンの後継者になる」こととすり替わってしまい、そのためになりふり構わずハリソンの実子であるオリヴィアに目をつける、という感じです。オリヴィアに出会い彼女に感化され、「ハリソンの模倣から脱却し庭づくりを楽しみたい」と思うようになって王太子の庭園設計に臨み、ロバートに勝つ、という流れです。
ですが、『オリヴィアの何にどう感化されたのか』『楽しんで作った庭がなぜロバートに勝てたのか』が自分の中でもいまいちはっきり固まっていないので、そこはしっかり考えたいと思います。
……と、こういうことを書くのがプロットなのですね。やっと、なんとなくですが、わかってきた気がします。

具体的な進め方の提示もありがとうございます。二人が出会ったからこそ、というのがはっきりしていますね。こう考えればいいのか! というのがとてもわかりやすいです。参考にさせていただきます。
拙作にこうやって時間を割いてくださること、本当に感謝です。ありがとうございました。

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タイトル:花男爵の遺言 投稿者: カイト

こんにちは、カイトと申します。

以前見ていただいたプロットを大幅に手直ししてみました。「物語の基本」を押さえることに重点を置いたため、オリジナリティはほぼありませんが、「物語」進行、展開としてはいかがでしょうか。

前回と同じく、以下の三点についてご意見いただけると嬉しいです。
・ストーリー、キャラクターに多少なりとも興味を引かれるか
・あらすじが破綻していないか
・ツッコミどころ、物足りなさ

よろしくお願いいたします。

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