「隣家にも笑い声聞こゆ風薫る」の批評
回答者 みつかづ
こんばんは。貴句、拝読しました。
文語体と口語体では全く意味が異なる単語が幾つもありまして、
動詞「聞こゆ」は最たる例です。
実は、文語の動詞「聞こゆ」は、現代語の聞こえるの意味を持たない、
ある意味で怖くて難しい動詞です。意味は以下です。
一、他動詞
① 申し上げる
② お願い申し上げる
③(手紙などを)差し上げる
二、補助動詞
お…申し上げる(この使い方は動詞の連用形に接続)
つまり貴句は、「隣家の方向にさえも、笑い声をお願い申し上げる」という意味の
句になってしまっています。
動詞「聞く」を使っての「聞こえる」の表現でしたら、助動詞「る」の
受身、可能用法を使わないとできないかもしれません。それでも、無生物が
主語になる事は、手持ちの古語辞典によると少ないらしいですが。
具体的な推敲ステップは、例えば以下。受身、可能の助動詞「る」は
未然形接続です。
・隣家より聞かるる笑ひ声の秋
(投句日より、季節は秋に変えさせていただきました)
これなら、他動詞「聞く」(音を耳にする)を受身、可能(聞くことができる)に
する事はできます。
これを仮の叩き台にして、動詞「聞く」を使わずに聞こえている事を表現なさる、
(例えば、動詞「届(とづ)く」を用いるなど)等、様々な方法が考えられます。
また、俳句は自句自解を嫌いますが、ここは「添削
道場」ですから、
作者コメントには句意(句で読者に伝えたい事)は明確に、詳細に
お書きになる方が良いでしょう。
そうでないと、読者は句の字面と句意の乖離がどれ程存在しているかの
判断が非常に困難になりますので。
句の字面と作者コメントの句意に乖離が無いと判断されれば、添削例は無い
という事になりますし、乖離が見付かれば、読者が乖離を埋めていくのが
このサイトの基本的な使い方ではないかと私は考えております。
以上です。ご覧いただきありがとうございました。
点数: 1
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