「送り火や鳴く鳥西へ飛びゆけり」の批評
こんばんは。貴句、拝読しました。
作者の悲しみの様なお気持ちがせつせつと伝わってきますよね。
しみじみ追体験させていただける良い句だと、私は思いました。
さて、文法的な所に焦点を当てますね。
古語辞典で調べましたが、「100%私が正しいとは限らない」という前提です。
テレビ番組『プレバト!』の夏井いつき先生がお使いの言葉で、
「「や」でカットが切り替わって~」があります。
送り火の場面から「鳴く鳥」に、カメラを映し変えている事になります。
そして句末の「けり」。
一見切れ字の「けり」に見えますが、そもそも「けり」は活用語の何形に
接続するのかと申しますと、「連用形」です。
「花、咲きけり」、「涙、浮けけり」(他動詞の方の下二段活用の「浮く」。
自動詞の「浮く」は四段活用)の様に。
今回はその部分の活用語が複合動詞「飛びゆく」。カ行四段活用。
四段活用の動詞のエ段ですから已然形、もしくは命令形です。
継続・進行、完了の助動詞「り」が直後にありますので、已然形だと判断できます。
助動詞「り」は四段活用動詞の已然形、もしくはサ変動詞の未然形に接続します。
(それ以外の動詞の場合は助動詞「たり」を用います)
具体的には、「飛びゆけ」(已然形)+助動詞「り」(終止形)となっております。
直前の複合動詞を似た意味の「飛び去る」に変えますと「飛び去れり」になりますので、
「切れ字ではない」と判別する事ができます。
以上です。ご覧いただきありがとうございました。
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昨日、父の畑で送り火をしました。
煙が上がってゆく空には名前も知らない鳥が、一声(ひとこえ)鳴いて西の空へ飛んでいきました。
隣にいた母と二人で、鳥が消えていった空をしばらく眺めていました。
『お父さん、行ったね。。』
この句の措辞の詰め込みすぎかな?とは思いましたが、削ることが出来なくて、みなさまのご意見をお聞きできれば嬉しいです。
宜しくお願い致します。