「灯台は海のはじまり鳥帰る」の批評
回答者 みつかづ
こんばんは。
拙句「AIはいさ気も知らず躑躅の香」へのコメント、ありがとうございます。
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/24960
「いさ」は短歌の時代に使われていた単語でして、後ろ側に「知らず」等の打消しの言葉を伴って「さあ、どうだか」、又は「知らず」が省略された形で「さあ、どうだか知らない」という意味の副詞です。又、(相手の質問に対する答えが分からない、又はすぐに返事しにくい場合に)「さあ」、「ええと」という意味で使われていた感動詞でもあります。
(出典:『ベネッセ全訳古語辞典』122ページ。1996年11月1日初版発行)
「いさ気も知らず」は「さあ、気持ちはどうだか知らない」という口語訳になります。
なお、同辞典によりますと、中世中期頃からは「いさ」は「いざ」と同じ言葉として用いられる様になったとありまして、元々は全く別の単語であり、全ての和歌が漢字で表記されている万葉集の頃に遡りますと、「いさ」には「不知」、「いざ」には「去来」の字を当てており、「去来」は陶淵明(とうえんめい)の漢詩「帰去来辞」(ききょらいのじ)にある「帰去来兮」(意:帰りなん、いざ)の「去来」に由来し、本来ならば「来」の字だけが「さあ」という勧誘の意味を表すものであったところを、「去来」と誤って区切ってしまったところから生じたと言われている、との事です。
一方「不知」は、「いさ」がしばしば「知らず」と呼応して用いられた事から用字である、との事です。
俳句は近世に入ってからできたものですので、この頃には既に「いさ」と「いざ」は混同されていた様です。
点数: 2
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海原の彼方えと帰る鳥を灯台が見守っている・・・如何でしょうか。