「眼鏡橋にちりんちりんあいすのパラソル来」の批評
土谷海郷さん、こんにちは。
御句について。
・商売道具の日除のような「パラソル」(「日除」もまた季語ですが)と、「ちりんちりんあいす」と。どちらも季語とするかどうか考えさせられます。句の中でどちらが季感を負っているかとみると…これは「ちりんちりんあいす」の句であるような気がします。
(長崎の人間でないので、この行商を見かける時期、パラソルが使われる時期というのは把握していないですが、看板代わりのパラソルだと、営業期間中ずっと立てていたりして…)
・動詞「立つ」でも良いような…。「ついにあのお馴染みのパラソルが立った、この季節が来た」という感慨とも取れるので。御句にそのまま使うと字余りに過ぎますが…。
・「眼鏡橋」「ちりんちりんあいす」、固有名詞が二つというのも多いのではないかと(「眼鏡橋」には、そういう形状の橋、という意味もありますが、この句では長崎の観光名所のことなので)。どちらか削ってもよいと思います。
一旦「ちりんちりんあいす」は季語ではないこととして、固有名詞を減らす案を。
ちりんちりんあいすの日傘立ちにけり
行商のパラソル立てる眼鏡橋
今後ともよろしくお願いします。
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お題『日傘』
お題の日傘で真っ先に思いついたのが、我がふるさと長崎のちりんちりんあいすでした。
ちりんちりんあいすとは1960年代頃から長崎でチリンチリンと鐘を鳴らしながらアイスを売っている行商で、現在は鐘は鳴らさないらしいですが今でも長崎県内(特に眼鏡橋周辺)に出没します。
秋田県あたりにもババヘラアイスという同じようなものがあるらしいですね。
「日傘」だと人一人が持って歩くものという印象があるので、大きな日傘をイメージさせる「パラソル」にしました。
最初は「パラソル立つ」にしていましたが、パラソルは立つものなので「来(く)」に変更しました。
かなり字余りの句になりましたが、これはこれで独特なリズムになったのと、長崎のことを詠んでいきたいと思い投句を決意しました。
ちなみに「アイス」は季語ですが、「ちりんちりんあいす」という固有名詞なので季語としては成り立たないという解釈でいいですかね。
ただ、以前プレバトで立川志らくさんが「三ツ矢サイダー」という商品名を季語として使っていたので、やっぱ駄目かな。
お願いします。