俳句添削道場(投句と批評)

平果さんの添削得点の高い順の4ページ目

「神戻る奥羽の山の装いて」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 神戻る奥羽の山の装いて

俳句に対する理解が不十分なので、教えていただきたいことがあります。
「神戻る」は、神無月である十月が終わり、出雲に集っていた神々が各々の国へ帰ることだと思います。その事を言い表した季語に、「神還」や「神迎」がありますが、「神戻る」もそれらの子季語の一つなのでしょうか?
今、旅先におり、電子辞書の歳時記しか引けないのですが、それには「神戻る」は載っていませんでした。

また、「山粧ふ」は秋の季語ですが、冬の十一月を言い表す「神戻る」を用いることと抵触はしないのでしょうか?

浅学非才の質問だとは存じますが、以上二点、教えていただければ幸いです。

点数: 2

「凩や直線だけの風景画」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 凩や直線だけの風景画

上五に四音の季語を置き、切れ字の「や」を付して、下五を一語の名詞にし、それを中七で修飾するという形式は、まさに作句の御手本のようですね。
内容についても、佳句の条件の一つに不即不離がありますが、「凩」と「風景画」の関係がそれだなと感じました。「風景画」の「直線」は、どこか吹きつける「凩」を思わせ、その寒寒とした印象も両者に通底していますね。空気の乾いた寒天の下、古ぼけたイーゼルに乗る、どこかなげやりな風景画、絵描きの姿は見当たらない...そんな景が見えてくるようです。

点数: 2

「ゆつたりと冷める珈琲冬浅し」の批評

回答者 平果

添削した俳句: ゆつたりと冷める珈琲冬浅し

御指名を賜り、光栄でございます。非常に嬉しく感じている一方で、それ以上の緊張感を覚えております。なるべく普段通りのコメントを記せるように心掛けて臨みます。

やわらかな時の流れにやさしく抱きとめられているかのような、穏やかで温かみのある句ですね!

冬に入り、徐徐に寒さが深くなる中、予定表から一日だけ零れ落ちたかのように、何もすべき事ない休日の朝方でしょうか、庭に目をやれば、控え目な日の光を浴びた落ち葉が佇んでいますね。
「こんなに穏やかで落ち着いた休みは久しぶり」と思って、いつもの珈琲をいつもより丁寧に淹れてみました。学生時代に読み耽っていたハードカバーを手に取ると、いつしか心は本の世界に。
二杯目の珈琲の為に沸かしていたケトルがシュンシュンと音を立てるのにハッと気付き、火を止めてから、改めてマグカップを口に寄せると、ミルクの入った珈琲はまだ温かく、優しい味が広がってきますね。外の陽射しはやや太くなり、木々の輪郭をはっきりさせる明るさです。

「冬浅し」は、寒さの中に温かみを感じさせる季語ですね。その事を貴句から学ぶことが出来ました。「冷める珈琲」も、それだけだと物悲しい響きを帯びますが、「ゆつたりと」と形容することで、珈琲が少しずつ冷めていく穏やかな時間の流れが立ち現れてきますね。
このような瞬間を私も体感したいと思うような、いや寧ろ、味読することで追体験できるような佳句だと存じます。

拙い感想を述べさせていただきました。御笑覧戴ければ幸いです。

点数: 2

「凩や暮らしを背負ふ人の波」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 凩や暮らしを背負ふ人の波

御指名を賜り、恐縮です。

冷たく吹きつける凩の中、自分或いは家族の生活の為に歩き続けなければならない人間の姿が具に捉えられていますね。季語「凩」と「暮らしを背負ふ人」との関係が不即不離で、直接関わらないながら、冷たさ重たさという苦のイメージで結ばれている点、くわえて「凩」によって立つ「波」という響き合いも素敵です。

拙い感想を述べさせていただきました。御笑覧戴ければ幸いです。

点数: 2

六郷のまた巡り逢ふ石蕗の花

回答者 平果

添削した俳句: 六郷の古刹の旅や石蕗の花

六郷満山を巡る旅は、当節の寒さと相俟って、心を穏やかに澄みわたらせるものであったのではないでしょうか。
静かにしかしどっしりと構える寺の御堂と、茎を伸ばして揺れる石蕗の花とを詠み込むことで生じる、大と小、静と動といった対比は、俳句の御手本のようですね。

添削案は、コメントにお書きになった「何処のお寺も」の部分を前面に出してみたものです。どのお寺を訪ねても石蕗の花が手を振ってくれることへの感動を詠んだつもりです。
中七は「日脚伸ぶまためぐり逢ふチンドンヤ」という句から取りました。
「古刹」の語は無くなりますが、「六郷」と言えば「六郷満山の寺院群」だと読み取れようと信じて、省いてみました。
僅かでも御参考になれば幸甚です。

点数: 2

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