俳句添削道場(投句と批評)
平果さんのランク: 免許皆伝2段 合計点: 94

平果さんの添削

「受験子の寝顔撫でたしこの眉間」の批評

添削した俳句: 受験子の寝顔撫でたしこの眉間

心が温かくなるような句ですね。

コメントに書かれている「○時に起こしてと頼まれて部屋にいく」というシチュエーションが、実にいいと思います。受験生がいるからこそ捉えられる場面ですね。

「幼い頃のあどけなさが探せないほど厳しい顔をして寝ていました」については、実は反対のものが頭に浮かんでいました。すなわち、いつまでも小さいままだと思っていたのに受験生となって普段から厳しい表情をしているが、ふと寝入った顔を見ると、小さかったあの頃と何ら変わらない、というように、懐かしさと共に子供の顔を眺める親の姿を感得していました。

受験子もあの日の顔で眠りをり

駄句ですが御笑納いただければ幸いです。

点数: 1

「受験子の暗記シートの指紋跡」の批評

添削した俳句: 受験子の暗記シートの指紋跡

まず、景色がすぐに浮かぶところに惹かれました。
受験に向けて頑張っている様子や、その頑張りを温かく見守っている詠み手まで想像される、素敵な句ですね。

先に述べられているお二方の御意見には勉強させていただきました。

点数: 1

「心のごと曇天は泣く十二月」の批評

添削した俳句: 心のごと曇天は泣く十二月

私自身の学びが不充分なため、確信を持って申し上げることは出来ないのですが、「心のごと」は言わずとも読み取ってもらえると思います。或る風景を捉えて句にまとめたということは、そこに詠み手の心が反映されていると考えるのが自然だと思うからです。

また、「曇天は泣く」という擬人法も、(私が学んだ限りでは)俳句にそぐわないもののようです。どうも俳句という詩形には、景をそのまま詠むような直截的な表現が相応しいらしいです。

泣きたいような心持を雨で表現するにはどんな言葉がいいのか、考えてみた結果、「降り籠められて」に思い至りました。行き場のない閉塞感が悲しみと繋がると思います。

季語の「十二月」を動かさず、中七に「降り籠められて」を据えるとしたら、どんな上五が相応しいのか。まず、場所を考えてみました。降り籠められて、誰の助けも得られずに苦しむに相応しい場所は何処か。「ビル群に」などと浮かびましたが、あんまり景色が見えてきませんし、そもそも「都会の孤独」なんてイメージはありふれていますね。

一旦場所を諦めたところで、ちょっと観点を変えて、なぜ「十二月」なのか、私なりに考えてみました。なぜ「十二月」の雨に悲しみを見るのか。それは年の瀬にあって思うような成果を挙げられない自分自身への悲しみと読めるのではないかと思いました。もうじきに年が改まるが自身には変革があったのか、という思いですね。

そのように解釈した上で、上五は「急かされて」はどうかと思いました。師走の焦り、何かをなさねばと逸る気持ちとは裏腹に、降り籠められて身動きのとれないことの苦しさ悲しさを表現できるのではないかと思ったのです。中七と同様に、動詞+「られて」になっているのも形としては良いかな、と。

実は同じ形で気に入っている句があるんですね。
愛されて冷たくされてプチトマト 道子
http://www.haisi.com/saijiki/tomato3.htm
もしかしたらパクりの範疇かも知れませんね。
その事も含めまして、御笑納いただければ幸いです。

点数: 1

「レシートの裏にメモして日短」の批評

添削した俳句: レシートの裏にメモして日短

年が押し迫ってくると、何とはなしに気忙しくなってきますよね。ついうっかり、レシートの裏なんかにメモを取って、いざというときに「あれ、あのメモはどこ?」と思うのには、私も共感できます。

点数: 1

「指先の痺るやスキー場のカレー」の批評

添削した俳句: 指先の痺るやスキー場のカレー

カレーを召し上がる時になって、指の痺れに気付いたのですね。それに気付かぬほどに、スキーに熱中していたことが想像されるのが実にいいですね。「楽しい」とか「面白い」とか「夢中」といった感情を表す言葉を用いずに、そういった気持ちを表現するのは如何にも俳句らしいと思います。
また、スキー場と言えばカレーという定番をおさえることで、情景を思い浮かべやすくなっているのもいいですね。あの寒さの中で、ホッと一息つきながら食べるカレーの辛さ旨さ有り難さ。共感できます。

点数: 1

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