朝七時あおき空にも彼岸花
回答者 丼上秋葵
添削した俳句: 朝七時空を見上げる彼岸花
はじめまして!おくらと申します。
恐縮ながら、御句に感想を述べさせていただきます。
季語としての「彼岸花」は〈死〉〈朱の色〉をイメージさせる〈陰鬱〉なもの。それと〈生〉の目覚めを感じさせる「朝」と秋の空の〈青〉を対比させてみようというのが、御句の句の心ですね。発想と試みは面白いと思いました。
この句が成立しているかの肝は中七「空を見上げる」の是非です。
レントゲン様は上五中七で「秋の青く澄んだ空」を表現しようとなさっているのですが、ただ「空」と書かれただけでは〈陰鬱〉なイメージが強い「彼岸花」の季語の力に引っ張られて、読み手は曇り空もしくは小雨の景色を想像してしまいます。
「女心と秋の空」とまで謂われるようにただでさえ、天気の移り変わりが激しい季節です。ここは句意をはっきりと伝えるためにも「あおき空」と書いてしまいましょう!
安易な擬人法は動作の主体が判然としなくなる場合があるので、慣れないうちは避けた方がよいかも知れません。咲いている「彼岸花」は〈空に向かってすっと伸びている〉イメージを持っているので、わざわざ「見上げる」と書く必要もないかと感じました。
「朝七時」と具体的な時間を詠まれたのは良いと思いました!
少しでもご参考になれば、幸いです。
点数: 2