俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削最新の投稿順の7ページ目

「苺摘み鍋にねかせる待ち時間」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 苺摘み鍋にねかせる待ち時間

白井百合子さんこんばんは。
私も掲句を読んだだけではジャム作りの光景とは分かりませんでした。
「摘み」という動詞があると、苺畑で今まさに苺を収穫している光景を思い浮かべてしまいます。

その後さらに不思議な展開に進みますね…
「畑で摘む苺の入れ物が鍋?」
「摘んだと思ったら何もせずに寝かすの?」
「待つって何を待つの…?」
と疑問が湧いてくるけれどよく分からない内に終わってしまう、というのが素直な感想です。
長い時間の幅の中で、色々な要素を詰め込んだ影響かと思います。

私は白井さんがコメント欄に残した文章にこそ生々しさを感じました。
「砂糖を加えると水が上がってくる」
「ゆっくり炊きつめる」
と言った観点はジャム作りを実際にやった人でないと出てこないはずです。
少なくとも私の頭の中には全く浮かばない光景です。
ジャム作りの各工程の瞬間に絞った映像を詠み込めば、苺を見つめる作者の心情を想像できる句が出来るのではないでしょうか?

砂糖沁み苺の輪郭滲みけり

点数: 1

「友人に別れのたびに朝顔を」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 友人に別れのたびに朝顔を

与太郎さんこんにちは。
色んな人が色んな事を言える場であれば素敵だなと思っています。
私も初心者も良いところなのですが、自分の勉強になるはずとコメントを残させて頂いています。
与太郎さんも、是非。

さて句の感想を述べさせて頂きます。
句から十分に花を送る光景を想像できると思いました。
贈り物が朝顔という点が新鮮に感じられました。
別れの朝に一輪摘み取ったのかな?
鉢植え?押し花?
花束やアレンジメントにも使われるのかな?

「朝顔の咲く季節の度に別れを迎える二人とはどんな関係なのかな?」
という想像を膨らませたりもしました。

また季語が時間情報を含んでいるので、朝に別れの言葉を交わす人物達の様子が鮮明に感じられます。
句の中でどこまで詳細に光景を描き、どこからを読み手に託すかの塩梅に私もよく悩むのですが掲句では時間情報を明示している点が成功していると思います。

気になっているのは普通の文章っぽさが感じられる点です。
「友人に別れのたびに朝顔を(贈ります)」
という文章から動詞以下を除いた形になっているからかな…?

切れ字を入れて2カットの映像にしてみてはいかがでしょうか?
友を見送る主人公の目線
→友人への贈り物の朝顔
という構成にしてみました。
見送る側の主人公の心情に読者を誘導しておいてから季語を打ち出す事で、季語に込められた思いを読者に想像させたいという目論見です。

加えて「たび」は漢字にした方が良いと思います。
読んでいて「度」か「旅」か迷いが生じる気がします。(私だけ?)

友の背や別れの度に朝顔を

点数: 2

「石舞台落花の中に鎮まるる」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 石舞台落花の中に鎮まるる

雪柳さんこんばんは。
句の感想を述べさせて頂きます。
よろしくお願いします。

春の石舞台古墳の周りには桜が咲いているのですね。
随分前に私が訪れた時は春では無かったため、桜のイメージは全くありませんでした。
古跡と桜の風景はさぞ印象的でしょうねぇ。
行ってみたいな…と思わせる句ですね。

句を読ませて頂いて迷いを感じたのが「鎮まっているのは誰なのかな?」という点です。
具体的には「石舞台が鎮まっている」のか「私(作者)が鎮まっている」のか。
雪柳さんの意図はどちらでしょうか?

掲句には以下の様な切れが生じていると思います。
石舞台/落花の中に鎮まるる

この切れの効果により、読み手の脳裏では
石舞台古墳の風景
→落花とそこで鎮まる何者か
という場面展開が発生すると思います。
私はこの様に読み、石舞台古墳を訪れた作者が心穏やかに美しい景色を眺めている様子を想像しました。
「石舞台」「落花」「作者」と役者が次々に現れるので少し慌ただしい感じがしたかもしれません。

もしも鎮まる主体を石舞台古墳に想定しているのであれば、石舞台の描写を中七で隔ててしまうのは得策でないと思います。
意図が読み手に伝わりにくいですし
石舞台→桜→石舞台
と視点が定まりません。

私は悠久の時をジッと動かず過ごす古墳と「落花」という動きを持つ季語の対比を前面に出してみたいと思いました。

鎮まれる石舞台へと飛花落花

掲句の「鎮まるる」は誤りだと思う…のですが、私も文法は非常に苦手な分野なので強くは言えません。
間違いでなかったらごめんなさい!
以上です!

点数: 1

「梅雨晴や針の先よりペニシリン」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 梅雨晴や針の先よりペニシリン

腹胃壮さんこんにちは。
いつもお世話になっております。
句の感想を述べさせていただきます。

残念ながら私の頭では腹胃壮さんが表現したかった光景をうまく思い描けませんでした。

最も迷ったのが針先の描写です。
針先から薬液が出て来ているという事は、この句が切り取っているのは針先が患者の体内に刺し込まれている瞬間であり、主人公は感触や痛みで体内に広がる薬液を感じている…のかな?

ただ素直に読むと針先が主人公に視認できている様にも思える…?
ひょっとすると注射器を扱う上で、針先から空中へ薬液を出すような操作があるのかな…?
そうすると主人公は患者なのか、医療者なのか。

「ペニシリン」にヒントがある様な気がしています。
どんな種類の感染症に使われるのか?
どんな病状の患者に使うのか?
投与経路?
投与期間?

恐らく深読みのしすぎですが、「梅」と「ペニシリン」の文字の並びから私は梅毒を連想したりもしました。

針が患者の体に刺さっているのだとすれば…
薬液の流入する感覚から患者の状況や心情へ読者を誘導する流れがとても面白いと感じました。
その様に読めば「梅雨晴れ」に立ち返り、苦しい闘病生活中の患者に今日は希望の気持ちが湧いている、とも思えて来ます。

以上から、説明過多かもしれませんが針先がどこにあるかは明示すべきだと私は考えます。

梅雨晴れや静脈へ入るペニシリン
梅雨晴れや針から尻へペニシリン

好き放題に色々申し上げた後で恐縮ですが、愚陀仏庵へ投稿した句にお褒めの言葉を頂きありがとうございます。
とても励みになります。
ますます頑張ります!
今後もどうぞよろしくお願いいたします。

点数: 1

「鴬のアンドゥトロワホケケケキョ」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 鴬のアンドゥトロワホケケケキョ

かぬまっこさんこんにちは。
師匠123段おめでとうございます。
私の現状から見ても、途方も無い段位です。

それから愚陀仏庵の特選、俳句ポストの人選おめでとうございます!
投稿先の結果発表で添削道場の皆さんのお名前を探すのも大きな楽しみになっています。

さて句の感想を述べさせて頂きます。
確かにウグイスの鳴き始めの頃は、笑ってしまうほど下手なのが混ざっていますよね。
日に日に上手な歌い手が増えて行くのも面白く感じます。

腹胃壮さんが既にご指摘のように、鳴き慣れないウグイスの様子だと伝えるのは少し難しいかと思います。
ダンスや歌のお稽古の現場には縁遠いのですが「アンドゥトロワ」は初心者のみが使う言葉ではないですよね?
はっきり初心者だと分からせてしまうのはどうでしょう?

鶯はレッスン初日ホケケケキョ

別の観点から…
和の雰囲気が強いこの季語と複数のカタカナ語が同居している点が掲句の面白みかなと感じました。
一方で私はカナの連続にやや読みにくい感じを覚えてもいます。

俳句ポストで夏井先生が毎回「正しい俳句の表記(空白を入れずに続けて書く)」に言及されていますが、ここは一つ明確な意図のもとに空白を作るのはどうでしょうか?

読みやすさに加えてウグイスが鳴く前の静寂、ウグイスの深呼吸の間が見えないかな?と思うのです。
怒られるかなー…(笑)

鶯のアンドゥトロワ ホケケケキョ

点数: 0

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