「苺摘み鍋にねかせる待ち時間」の批評
回答者 北野きのこ
添削した俳句: 苺摘み鍋にねかせる待ち時間
白井百合子さんこんばんは。
私も掲句を読んだだけではジャム作りの光景とは分かりませんでした。
「摘み」という動詞があると、苺畑で今まさに苺を収穫している光景を思い浮かべてしまいます。
その後さらに不思議な展開に進みますね…
「畑で摘む苺の入れ物が鍋?」
「摘んだと思ったら何もせずに寝かすの?」
「待つって何を待つの…?」
と疑問が湧いてくるけれどよく分からない内に終わってしまう、というのが素直な感想です。
長い時間の幅の中で、色々な要素を詰め込んだ影響かと思います。
私は白井さんがコメント欄に残した文章にこそ生々しさを感じました。
「砂糖を加えると水が上がってくる」
「ゆっくり炊きつめる」
と言った観点はジャム作りを実際にやった人でないと出てこないはずです。
少なくとも私の頭の中には全く浮かばない光景です。
ジャム作りの各工程の瞬間に絞った映像を詠み込めば、苺を見つめる作者の心情を想像できる句が出来るのではないでしょうか?
砂糖沁み苺の輪郭滲みけり
点数: 1