「炎天下サイレン交じる次々と」の批評
回答者 みつかづ
添削した俳句: 炎天下サイレン交じる次々と
初めまして、こんばんは。貴句、拝読しました。
最初、「何等かの事件現場の近くに作者が偶然居合わせて、その光景をお詠みに
なったのか、または何等かの事故や災害が起きた直後の現場付近の様子をお詠みに
なったのでしょうね。その様な日も確かにあるけど、今まで見過ごしていました」と
私は思いましたが、交通事故の光景でしたか。
この貴句の17音で、果たして交通事故にまで読者が辿り着けるか?を
考えますと、かなり難しいのではないかと思います。
何故なら、事件でも事故でも緊急車両のサイレンは鳴りますし、
ひとくちに事故といっても様々な種類がありますからね。
例えば「(工場の)爆発事故」、「漏電事故」、「ガス漏れ事故」、
「水難事故」、(←炎天下なら十分有り得ます→)「蜂などによる刺傷事故」、
「遭難事故」、「滑落事故」、「飛行機、ヘリコプターの墜落事故」など。
その為、ハッキリ「道路」、「交通事故」などと書くか、道路と書かずに
「道路の事故だろう」と読者に思わせる方が、作者の意図は伝わるのではないかと
私は思いました。
作者コメントにお書きの「帰省」がまさに晩夏の季語ですので、
使えるのではないでしょうか。元が口語体ですので口語でやってみます。
・幾度目のサイレン渋滞の帰省
・事故渋滞サイレン幾度聞く帰省(上五字余り)
これで読者には道路だとハッキリ伝わりますし、「帰省(客)が
あちこちで交通事故を起こして、様々なサイレンが何度も鳴っているのだろう」と
伝わるのではないかと、私は思います。
以上です。ご覧いただきありがとうございました。
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