木漏れ日を掬ひて燦と泉かな
回答者 弥平
添削した俳句: 木漏れ日を掬ひてゆるる泉かな
私は以下の対比を行いました。主語は共に下五、中七前半は共に擬人化。
五月雨を 集めて (流れの)早し 最上川
木漏れ日を 掬ひて (水面の)ゆるる 泉かな
『集めて早し』は因果関係、俳句では因果関係は理屈と言って嫌われるハズ。
それでも名句と呼ばれるには、言葉の勢いでしょうか、速さを感じなす。
『掬いてゆるる』は『掬いて揺るる』かな、『るる』は受身の用法の連体形かな。
これを『映して揺るる』の擬人化と断定すると、『映して』と『揺るる』に因果関係
を見出すのは物理的に困難です。
『掬いて』の目的語は『木漏れ日』のはずですが、途中で『水』に化ければ因果関係が成立ちます。途中でねじれ、ここに解釈の混乱の原因がありそうです。
私なら因果関係に固執し、『掬いて燦と』(さんと)『掬いて煌ら』(きらら)とします。小椋佳の人生賛歌『愛燦燦とこの身に降って・・・』と句意が合いそうです。
点数: 1