栞なす色葉男色大鑑
回答者 小西晴菜
添削した俳句: 栞とす色葉男色大鏡
知世さま。拙句「ゴルゴ」にコメントありがとうございます。「不死身の報」って変だなあと思いつつ、時事ネタはタイミング、と思い投句しましたが、楽しんでいただけて嬉しいです。
さて御句、初見から魅力を感じていたのですが、なかなか考えがまとまらなくて。
残念ながら私は「男色大鑑」読んでいませんが、題名から内容が推察され、「自分の部屋でこっそり読む」「電車で読むならカバーが要る」「近世文学研究とか言い訳しがち」な本かな、と。
その本を、紅葉した葉っぱが舞ってくるような屋外で読んでいる、ってことがこの句の魅力だと思います。でも、上五の終止形が「われ色葉をもって栞とす」と強く感じられ、「今私は色葉を挟んで読書を中断します」宣言みたいな堅苦しい印象が残ってしまうのです。しかも、本を閉じたら色葉が情景から消えてしまうし。
そこで私が考えたのは、本を読んでる人の意志で栞を挟むんじゃなくて、読んでるページに色葉が舞い落ちてきて、ちょうどよく栞になる感じ。(現実にはありえませんが)色葉を主語として、「為す」としてみました。
女子校の昼休み、中庭のベンチとかが似合いそうですよね。
もうチャイム鳴ったよ〜。何読んでんの?
へえ、西鶴? 面白いの?
みっちゃん(だれ?)BL好きだからハマるかもよ。読み終わったら貸してあげる。
あ、栞がない。····この葉っぱでいいか、おっしゃれ〜。
なんて。
現代っ子はLGBTのハードルも概して低め。そう簡単な問題とは思わないけど、多様性の時代の到来を垣間見る、超素敵な句だと私は思います。ありがとうございました。
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