「台風の夜コオロギの音香る雨」の批評
回答者 秋沙美 洋
添削した俳句: 台風の夜コオロギの音香る雨
黒柴さん、こんにちは。
御句読ませて頂きました。
ちょっと一句の中に詰め込み過ぎかなという印象を受けました。
これはプレバトに出てらっしゃる僕の大好きな夏井いつき先生からの受け売りなんですが、俳句
の17音の器ってものすっごーーく小さくて、あれもこれも入れようとするとすぐに溢れちゃうんですよね。
「この日は台風の夜で、コオロギが鳴いていて、雨の匂いも漂ってきて……」と作者が目にした光景を漏らさず語りたい気持ちも実によく分かるのですが、それは俳句ではなくエッセイや小説といった散文の領分です。
俳句にするならば、自分が本当に語りたい事だけをスパッと切り取り、それ以外を潔く切り落とす勇気が重要かなと思います。
たとえば、台風の夜に雨の香りが漂ってきたなあ、というのを詠みたければ、
「台風の夜や雨の香漂えり」
とか
あるいは、台風だけどコオロギが鳴いてるなあ心配だなあ、というのを詠みたければ、
「台風の夜にコオロギの声遠く」
いずれも参考句とするには余りにお粗末ではありますが…あくまで例としてお考え頂ければ幸いです。
点数: 3