俳句添削道場(投句と批評)

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包丁の乱れるリズム秋の声

回答者 腹井壮

添削した俳句: 今朝の秋気づけば菜切る音寂し

酔いどれ防人さん、こんにちわ。

近所から聞こえてくる音の表現をかなり気にされていたようなので季語を「秋の声」に変えさせて頂きました。

自分も不要と思った部分をかなり削り字面が大きく変わってしまったのであくまで参考程度に。

点数: 2

硬き音の菜切り包丁今朝の秋

回答者 ハオニー

添削した俳句: 今朝の秋気づけば菜切る音寂し

近所のご家庭の包丁の音が聞こえてくるとは、プライバシーは筒抜けですね…

この句は作者さんか、もしくは奥さん(旦那さん)が包丁で何かを切る音がどこか寂しげであると解釈するのが自然です
「この人は料理をしながら物思いに耽っているのか?」と読むことも可能な範囲にはあります

これは手直しすると、相当変わってしまいます
まずは要らない表現を抜きます
今朝の秋は「秋の気配を見つけたぞ!」という季語なので「気づけば」は真っ先に消えます

次は少々疑問な点を
「包丁を使い慣れていない」ことが秋の気配とは、私にはそう思えません
でも、今朝の秋をそのまま置いてみます

今度は「菜切る音」を12音分で描写します
「包丁」か「台所」か、そのあたりの情報がほしいです
包丁の音がぎこちない、とあったので私なりにちょうどいい12音を見つけてきました

この手直しの句なら、「包丁、買い換えたばかりなのかな?」とか「秋は菜切り包丁が活躍するのよね」とか「奥さんが家にいなくて、慣れない人が包丁使っているのかな?」とか、いろいろ物語が発生します

倒れた奥さんという読みをする人が現れることに期待しましょう そこまでは一句に収まりません

点数: 2

手直しの必要はございません

回答者 ハオニー

添削した俳句: もてなしや炭焼き小屋の濁り酒

「や」で切る位置が適切ですね
もてなしの炭焼き小屋や濁り酒
なんてしてしまうと、ちょっと大変なことになります

知っているか知らないかはさておき...
「炭焼小屋」という冬の季語があります
木が伐採が出来ない冬場に炭を作っていたことから、炭は冬の季語となっています

でも、この句では下五が「濁り酒」で終わっているので、「濁り酒」の余韻がこの句にあります
結果、炭焼き小屋が季語としてではなく、単なる場所としてのみ機能しています

白い茶碗とか真っ黒な手とか、面白い情報がありますから、まだここから二句三句と出来るかもしれません
濃い経験というのは羨ましいですね

点数: 0

夕暮れの薮蘭からも虫の声

回答者 ハオニー

添削した俳句: 夕暮れて薮蘭漏るる虫の声

薮蘭は季語といえるかどうかの位置にいる言葉のようですね
季語とは言えないと初めて知りました

声が漏れると比喩的に言いたい気持ちは分かります
しかし作者さんが虫の声と言い切っている以上、聴こえているのは伝わります
「どこから聴こえる?」という情報だけあれば、漏るると説明する必要はないです
虫の声も比喩的な季語なので、「漏るる虫の声」と比喩を2つ重ねる作戦は難しいかな?と思っています

夕暮れや薮蘭からの虫の声
夕暮れ→薮蘭→虫の声
と、カメラワークが出来ている提案の句もありますし

夕暮れの薮蘭からも虫の声
と、虫の声が薮蘭から野原や花壇内へと広がっていくような提案の句もあります

私の限られた頭では「漏るる」が活かせる手直しは浮かびませんでした...

点数: 1

度々すみません

回答者 雨々

添削した俳句: 新涼や昨夜の麦茶の飲み残し

書き忘れたことがありました。

上五の「新涼や」について。

新涼という季語歳時記によりますと

秋に入ってから感じる涼しさのこと。「涼し」だけでは、夏の季語となる。夏の暑さの中
で感じられる涼しさではなく、「涼しく過ごしやすい季節」になってきたことをいう。
また、
立秋を過ぎてもまだまだ暑い日が続く。そんな中で時折涼しい風が吹いたりすると、
「ようやく秋らしくなってきましたね」などと言い交わす。その気分が「新涼」である

とのこと。
ここから考えますと 夏の気配の残る秋の涼しさ、「麦茶」の存在価値としていい感じです。
しかし、何でしょう、少し居心地が悪い。
もう一度 句をよく読んでみますと、問題は「飲み残し」にあると気付きます。
「新涼」とは、言葉の響きそのものもあるとは思いますが、
とても清らかで凛とした、爽やかなイメージです。
それと「飲み残し」から漂う生々しい生活感が相容れないのでしょう。
(ときおり そういった組み合わせのギャップで大成功している句にも出会いますが
それはまた別のテクニックやら大変な話だと思います。)

ということで この句には「新涼」とそのまま掲げるより、新涼の傍題である「秋涼し」を使うことを提案します。
生活感との違和感が少し解消される響きではないでしょうか。

点数: 4

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