俳句添削道場(投句と批評)

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湿気寒や担々麺に滾る赤

回答者 ハオニー

添削した俳句: 秋湿り担々麺の美しき赤

どうしてでしょう
この字面では辛いもの大好きな人が担々麺に感激しているように見えます
質問にも答えつつ、詳しく考察してみます

美しきを「はしき」と読んでいいのか?
いろいろな辞典を探しましたが、名前辞典に「美」を「はし」と読んでもいいとありました
名前辞典にあったのですから、人名への使用例もけっこうあったのでしょう
愛しきから美(い)しきは来ているようです

この句は取り合わせ?
この場合は取り合わせで、秋湿りで一度切れていると読むしかないでしょう
「秋湿り担々麺」と連体形で読むとは絶対に有り得ませんから

問題点と対策
しかし「秋湿り」では状況説明で終わっている感じがします
調べてみたところ「湿気寒(しけざむ)」という、ほぼ同義の季語がありました

「美しき」がこだわりかもしれませんが、ここを少し変えて「辛さ」や「目の前にしたときの熱さ」をしっかりと想像させることができます

基本スキル 対比
寒いことを季語で表現し、担々麺のHotな感じを出します

湿気寒や担々麺に滾る赤

外は寒いはずなのに、汗かきながら担々麺をすする人が見えてくるかもしれません
辛そうな担々麺に怯んで神妙な顔つきをしている人が見えるかもしれません
読み手が「私がこれを食べたら辛いのだろうな」と解釈してくれるよう託しました

ここから先は実験段階
担々麺は黒だと言われたとき用
→湿気寒や担々麺に沈む黒
担々麺は汁なしが普通と言われたとき用
→湿気寒をまぜゆく担々麺赤し
湿気寒が感じられるなんて店が寒い、店が狭いと言われたとき用
→(考え中)

点数: 5

愛犬が名札を舐める捨て案山子

回答者 三日酔いの防人

添削した俳句: 愛犬に舐め回される捨案山子

ハオニー様こんにちは。愛犬と捨て案山子のコントラストを描いていますね。僭越ながら、上五中七、『愛犬に舐め回される』の部分ですが、12音使ってしまっており、少しもったいないのかと・・・
愛犬が舐め、愛犬が舐めるとかにすれば、7、8音で済みます。
舐めたのがどんな捨て案山子だったのか、舐めた時の愛犬の息遣いなども詠えると思いました。

点数: 1

「愛犬に舐め回される捨案山子」の批評

回答者 北のほたる

添削した俳句: 愛犬に舐め回される捨案山子

小型犬を飼っています。散歩中に臭いを嗅いで回ること常です^^
添削ありがとうございました。

点数: 1

洟たれも歳時記めくる夜学かな

回答者 三日酔いの防人

添削した俳句: 歳時記の夜学の如き洟垂らし

虚俊様こんにちは。
夜学という季語、私は知りませんでしたので勉強になりました。ありがとうございます。『夜学』ハイセンスでもあり、なかなか難しい季語ですね。灯火を親しむといった点から、秋の季語なのですね。如き俳句は賛否両論あると思いますが、季語を比喩にしてしまうと、季語が機能しなくなってしまうと思いました。また上五の『歳時記の』ですが、めくるとか、見つめと言った動詞を入れたほうが良いと思いました。
最近は『夜学』と言っても昔のような苦学生のイメージはなくなっており、小・中学生の塾通いなんかも『夜学』と言えると思います。ですので、夜学を比喩にしなくても良いと思いました。
あとは夜学に何を想うかが重要です。
苦学生時代を懐かしむのであれば
歳時記を見つめ夜学の日々想う
定時制に通う、俳句好きを詠うのであれば
歳時記の重き鞄の夜学かな
なんてのもありかと。

点数: 2

初孫をあやして踊る月下かな

回答者 ハオニー

添削した俳句: 孫らの踊月に重ねつ踏む落ち葉

お初にお目にかかります、ハオニーです

「孫ら」を「こら」と読ませるには、ルビを打って「誰がなんと言おうとこう読んでほしい」とすればいいのですが...
気になるところがほかにもあります

重ねつ
→「重ねつつ」の間違いでは?
季語は2つではなく3つあります
月→秋の季語
落ち葉→冬の季語
踊→秋の季語、俳句で「踊る」は盆踊のこと

盆踊りの時期が過ぎて、思い出していることを言いたいから「踏む木の葉」と入っているのだと思います
しかし、俳句を詠む人は感動したワンシーンを思い出しながら丁寧に詠んでいます(私のように添削ばかりしている人を除く)
だから、「孫娘と盆踊りをした感動」を詠むことを私はおすすめします

「木の葉」を外して、「踊る」もしくは「盆踊り」を季語とするのが一番やりやすいです
そして、「孫らの踊」という言葉が寸詰まりになっているところも解消出来ます

ここからは私が手を入れてみた例です
巡り会えた感じを出しつつ
 ひとめぐりして初孫と盆踊り
初孫は幼いという設定で
 初孫をあやして踊る月下かな

点数: 2

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