「雨音のサブマシンガン蝦夷の梅雨」の批評
こんばんは。お久しぶりです。
(↓実は、「初めまして」ではありません。↓
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/23487)
このたびは拙句「高鳴りやスプリンターズステークス」にコメント、
ありがとうございます。
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/27374
以下、長文である旨お含みおきください。
「季語でない[蝦夷梅雨]を季語に見立てた句」はこちらだったのですね。
「蝦夷梅雨」は新季語候補として「雨が降る場所と時季」が漢字の字面で
どなたにも理解できるものですし、他の方達が
「いいね。季語として使ってみよう」と思い立ち、名句として知れ渡り、
歳時記・季寄せの編纂者達が「これは季語として認めて良い」と判断されれば、
後世の歳時記に載る可能性は大いにあるものと私は考えます。
4音で季節感+場所+現象+人の感情を表現できるとしたら、定着さえすれば
かなり使い勝手が良い季語として使えるのですからね。
一方、拙句の「スプリンターズステークス」は季語の代用としては
漢字が1文字も無く、競馬やゲーム「ウマ娘プリティーダービー」に
興味が無い方にとっては句を見ただけでは何の事かサッパリ分かりませんので、
当然季節感も分かりません。
また、「競馬」に関係する事にしか季語の代用としては使えませんので
句材の季語の代用としては非常に使いにくく、後世の歳時記に掲載される可能性は
極めて低いと私は考えております。
12音も使って「仲秋+中山競馬場の短距離レース」という情報しか
無いのですから、とても効率悪いですよね。
「チャレンジと言える程のものでもない」、「初夏の季語として、
競馬のG1レースである「日本ダービー」が季寄せに掲載されているので、
それに準ずる使い方であれば、国内の競馬のG1レースなら
ギリギリ使えなくはないか」位の認識です。
知名度が更に低くなりますので、G2やG3は流石に季語の代用には私はしません。
さて、貴句。
作者コメントに「鉄砲雨」とありました。
(私が国語辞典で調べた際に載っていた意味:弾丸の様に強く降る大粒の雨)
そして「蝦夷梅雨」を季語の代用になさるのですから「雨音の」、または
「サブマシンガン」のどちらかは外せるのではないかと私は考えます。
夏井いつき先生なら、「雨音を発てない、うるさくない鉄砲雨が
あるなら持ってこい」と仰るでしょうし、代用季語「蝦夷梅雨」に鉄砲雨の意味が
内包されているのなら、貴句は「代用季語を例えてはいるが、単語同士の
印象の落差が少ない印象」になってしまいます。
いっその事、代用季語「蝦夷梅雨」の意味を深掘りし、テーマを壮大になさるのは
如何でしょうか? 例えば以下の様に。
「蝦夷梅雨は北海道に何をもたらすのか?」(What)、
「蝦夷梅雨を見聞きしているのは誰なのか?」(Who)、
「蝦夷梅雨が明けていくのは、北海道のどの地域からなのか?」(Where)、
「蝦夷梅雨を見聞きした本州の方達は何故驚いているのか?」(Why)、
「蝦夷梅雨が明けると、北海道はどの様に変化するのか?」(How)等。
季語が季語として歳時記に載せられている所以は、以下でしょうからね。
「いつの季節」(When)+「他の要素」=「季節感を裏付ける感情的側面」
北海道という情報が重なり易い等の点もあるとは思いますが、
季語として認められれば様々に作れそうな気がいたします。
・蝦夷梅雨や後にホッコータルマエ来
・蝦夷梅雨や電話の遠き友の声
・弟の綴るブログの蝦夷梅雨よ
・ラーメンを啜る音消す蝦夷の梅雨
・出張やホテルの窓の蝦夷の梅雨
本州人ですし、私如きの力では精々この程度しか詠めませんが、
何かのお役に立てれば幸いです。
今回は以上です。
ご覧いただきありがとうございました。