終末に抗ってみよう。の批評の返信
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終末に抗ってみよう。の批評(元記事)
初めまして、日暮一星です。
第七話まで拝読させていただきました。
まず文章に関してですが、文法や表現力に問題はないように思います。
ただ、全体的に説明的な文体で、文章から『動き』をあまり感じませんでした。余分な説明などの文章も多いように感じ、読み応えはあるものの馴染みにくさも覚えます。短文を織り交ぜてみたりしてリズムをつけると読みやすくなるかと。説明よりも、情景描写や人物容姿にもっと筆を割いてもいいでしょう。堅実的でしっかりとした、重みのある文章を書ける方だと思うので。
冒頭を読んだ感想ですが、物語の芯が見えず体力を使ったような読後感でした。節々にイベントを挟んで物語を動かしているのは分かります。しかし、なかなか物語における主人公の目的や行動原理が見えず、漠然としたままだらだらと話が進んでいるような印象を受けました。
地の文で『ヒロインと出会い、物語はこれから始まる』という旨のナレーションが入ってはいますが、語るのではなく、読者にそう期待させるようイベントで見せたほうが物語へ引き込めるのではないでしょうか。主人公の目的は冒頭でなるべく早めに明らかにしましょう。ゴールが見えれば、読者に「これからどう話が進むのか」「どうやってそこまで行くのか」と興味を持ちますし、書き手としてもそのイベントを経て物語にエンジンが掛けられます。
世界観はいわゆる『終末系』ものだと思いますが、冒頭を見る限り、いよいよ世界が崩壊するような危機感や緊張感はほとんど感じられなかったのは痛いです。希望を諦めたような主人公の視点も合わさって、それらを早い段階から見せずに説明で処理しているためだと思われます。
また、細かな設定(もしくは明かしかた)の粗も見受けられました。
例えば“咳血症”の説明。文中に『今までの人類を最も多く病死させてきた最悪の病気』とあり、次に『この病気を治すための特効薬は存在しない』とありますが『温かく安静に、栄養を摂るのが一番』と書いてあるのを見て「ん?」と思いました。最悪の病気の割には普通の風邪みたいに治るんだなぁと。第四話の冒頭に『人に伝染するものではない』ともあり、いささか都合のいい印象も覚えました。
スラム街の中でのシーンなので『貧困層の人にとっては』という解釈もできるのですが、その場合なら文頭に『一般から富裕層の人からすればただの風邪の一種でしかないが、スラムの住民にとっては最悪の病気だ』というような切り口が必要かと。
二つ名が印象的なキャラクターが度々登場しますが、今後中心になるキャラクターを中心に、その名をあえて解説しないほうがより印象的に映ると思います。わざと明らかにしないことで「このキャラはいったい何者なのか」という読者の想像を煽る手法ですね。ヒロインが持つギフテッドと同じ類いです。一気に新しいキャラを登場させると読者は覚えるのに苦労するので、言及させていただきました。
総合的に、基本的な文章はできていると思うので、
・文章の添削とリズム
・冒頭の進め方
・設定の語り方ではなく『見せ方』
を意識すればさらに面白い作品に仕上がると思います。
終末に抗ってみよう。の批評の返信
スレ主 ミツム 投稿日時: : 0
ありがとうございます。正直、読んで頂ける方も意見を頂ける方もいなかったので、非常に耳に痛い話でした。いつまでも独り相撲をしていた、ということが今回わかってよかったです。これからはきちんと読者の興味を惹きつけるような導入や、文章のリズムや構成に注意していきたいと思います。