RELACION 〜有力貴族の居候となった少年とその数奇な人生を〜の批評の返信
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RELACION 〜有力貴族の居候となった少年とその数奇な人生を〜の批評(元記事)
居候編のケツまで読みました。
かなり分かりやすい文章で描かれており、やり取りなどのテンポも良く、読みやすい作品であったと思います。
他方で、設定の説明能力には難があるように感じました。
具体的に言えば、6・7・8話に集中しすぎています。また、登笈が『日本に似た架空の国』の出身であるだけに、『日本から異世界に転生した』のか『もともと異世界の「日本に似た国」に住んでいて、移住した』のか『日本から、「架空の現代世界の異国」に移住した』のかの判別がつきにくかったです。
プロを目指すのであれば、『こちら設定資料です。読んでください』と言って別腹で提示するわけにもいかないので、地の文の隙間で小出しにしつつ、設定を紹介する技術は身に着けると良いでしょう。
また、全部を読んでいないのでいかんとも言い難いですが、『展開が遅い』ように感じました。
居候編だけで約1万5千字あるのですが、主人公が主体的に行動する・活躍するシーンがほとんどなく、身の回りのキャラと設定紹介に終始してしまっています。
しかも、恐らく学習院編ではリアもステンネル夫妻もメイドさんも登場しないですよね? もしそうであるなら、『長い間本編に登場しないキャラを紹介する』というのは余り良くないと思います。だって読者が感情移入しづらいもの。
あと個人的には、冒頭の枇杷の国編は要らないんじゃないかなぁ……。こっちも、しばらく登場しないキャラの紹介に終始しているうえに、設定的に重要だから主人公が何かを決心するシーンなどの前振りで回想として使った方が良いと思う。
また、上述とは別の理由でキャラが多すぎると感じました。キャラクターの数が多いと、一キャラあたりに割かれる尺が減って読者が感情移入しづらくなってしまいます。
その上、関係性が複雑化すれば、読者は把握できなくなり、結果的に『読みづらく』なってしまいます。もう少しキャラ減らした方が良いと思う。
主人公のキャラクター性が薄いのも問題ですね。一章の段階で『草むしり→熱中症で倒れかける→義父に話を聞く→隣国に行く』くらいしか活動していないため、全体的に『どういうヤツなのか』『どういう長所を持っているのか』がまるで見えてきません。
特に主人公の長所・得意分野が見えないのは致命的です。読者がポイントを掴みにくいので、物語が全体的に薄味になってしまいます。
何より、読者が主人公に魅力を感じないので、すぐに飽きられてしまいます。
また、居候編が全体的に何のアクション/アクシデントもなく終わるため、作品の方向性が見え辛いのも問題点ですね。
ハッキリ言って、これが恋愛モノなのか、戦記物なのか、アクションなのか、学園ラブコメなのか。戦記物よりであることはわかるんですが、些かスロウスタートに過ぎるように感じました。
とまあ、こんな感じですかね。俺も自分の原稿が修羅場ってて、余り沢山は読めなかったんですが、参考になれば幸いです。
RELACION 〜有力貴族の居候となった少年とその数奇な人生を〜の批評の返信
スレ主 紺色わさび 投稿日時: : 0
大野さん。丁寧に読み込んでいただき、ありがとうございます。
批評の内容に関してもとてもわかりやすく、なるほどと気付かされることばかりで、作品に足りない箇所や作者に足りていない技能が浮かび上がってくることがとてもありがたいです。
設定の説明能力。これは私自身も居候編を書いている最中に悩んだことです。
世界観や国の設定は小出しにして、一話から数話は主人公の性格や状況周りの紹介に努めようとしたものの、学校選択の際に結果として国の説明もせざるを得なくなり、6,7話に一極集中してしまったというのが、後から見返しての見解です。
ただ、これが正解でないことは理解していながら、ではどう改良すればいいのかというのが悩みの種でした。
今70話近くまで書いた状態、私自身がRELACIONの世界観に慣れた状態で居候編の改稿に挑んでみたいと思います。
展開が遅いとのことで、そこは丁寧に書こうとしすぎたのかなと反省しております。
間延びした序盤の展開を小さくまとめて、空いた箇所に主人公が主体的に行動、主人公の性格や魅力が感じられる話を挟もうと思います。
枇杷の国編が要らないということで、これも……いや本当に悩みました。そうですよね。
火鷺と姫愛は次の章で出てくる想定で、その時に「久しぶり」みたいな展開にすると唐突感が出る気がして、じゃあ1話にしっかり入れておかないと……となった結果です。あとは”1話らしい1話を描きたい”ということもあり、故郷が戦火に焼かれるという過去回想を入れたわけですが、確かに母との会話も必要無い感じはしております。
もちろん当時は絶対いいじゃんこれ!! とノリノリでprologueにしたわけですが。
居候編は本当に目立ったアクションも無く、登笈が学習院入学を決めるということだけで終わってしまっているので、確かに私も改良すべきだと思います。
ただ、じゃあどんな掴みを入れるべきかと考え始めるとまた悩んでしまい……祝日一日たっぷり使ってそちらに思考を終始させたいと思います。
わかりやすく、また納得もしやすい批評を書いていただいて、本当にありがとうございます。