「稲倉の棚田の案山子九人をり」の批評
回答者 秋沙美 洋
鳥越さん、こんにちは。
御句読ませて頂きました。
情景が目に浮かぶ一句でした。
本来案山子を数える時は「一体二体」または「一本二本」と数えます。おそらく作者はそんなこと百も承知で、敢えて「9人」と擬人化を取り入れたのでしょう。そしてこの擬人化が、とても上手くいっていると思いました。
「をり」と言い切っているのが成功した理由だと考えます。「九人をり」と断言する事によって、棚田を守る案山子の不思議な力強さ、威圧感を感じました。「この棚田はこいつらが守っているのだ」と。
具体的な地名を出しているのも功を奏していますね。案山子にたじろぐ野鳥の姿まで見えてきそうな、実に臨場感のある一句でした。
点数: 1
添削のお礼として、秋沙美 洋さんの俳句の感想を書いてください >>
日本の棚田百選の一つ、長野県上田市稲倉の棚田にて。
関係ないことですが、昨日、山口誓子の「季語随想」の初版を手に入れた。嬉しい。読み易くて名エッセーだと思う。