俳句添削道場(投句と批評)

平果さんの添削最新の投稿順の6ページ目

「冬蝶もその影もまた花を去る」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 冬蝶もその影もまた花を去る

季語「冬蝶」の儚さ物悲しさが見事に表現されていますね!

懸念されている「冬蝶」と「花」の季重なりの件ですが、どちらか一方が主であり、また一方が脇であると明らかに判る場合は許容されるという記述を目にしたことがあります。
なにより貴句の「花を去る」は、弱々しい冬蝶が生命の源である花を離れ、その行く先は決して明るくは無いだろうと想像させる働きがあります。なので、このままでよいと感じました。
「影もまた」も、冬蝶という一つの存在全体が終わりへと向かう様が詠み込まれているようで、句の儚いイメージを支えていますね。

...しかし、ここまで書いてきて、「冬蝶」に対する理解は、儚いとか脆いとか弱々しいとかいうもので本当にいいのかという心持ちになりました。どこか、逆境に堪える凛とした力強さがあるような気もしてきました。先行する句をよく読みたいところです。

点数: 2

「初霜に山は錦のほうかむり」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 初霜に山は錦のほうかむり

「山の上にも織る錦」と歌われる通り、色とりどりの紅葉に染まった山の美しさには目を奪われますね。その山の様を「錦」の頬被をしているようだと捉えるのは、面白い表現だと思います。細かい指摘でお気を悪くなさらないでいただきたいのですが、「ほうかむり」ではなく「ほおかむり」ですね。

さて、その「ほおかむり」が冬の季語であって、「初霜」と季重なりになってしまっており、更に、言葉で表現されていませんが、紅葉の景を詠んだものであるという点が、この句の難しいところですね。
「錦のほおかむり」という表現の面白さが貴句の芯だと思いますので、「初霜」を省き、「山は錦のほおかむり」はそのままに、新たな上五を考えたいところ。しかも、その五音に「紅葉」を入れず(入れると秋と冬の季重なり)、紅葉を表現するとなると、冒頭で引いた『紅葉』の歌にかなり寄ってしまうのですが、「赤黄色」くらいしか、私には浮かびません。

赤黄色山は錦のほおかむり

となるわけですが、この句における「ほおかむり」は、実際の手拭い等のことではなく、紅葉の比喩です。季語を比喩として用いて句に据えていいのか。私は勉強不足で分かりません。もし比喩が駄目だとするとなると、この句は諦めなければならなそうです。この点について、御存知の方がいらっしゃれば教えていただきたく存じます。

点数: 1

歌留多翔び十三坊主今何処

回答者 平果

添削した俳句: 百人一首の坊主何処へ三ヶ日

百人一首歌留多の句は、景も立ち易く、人の心も投じ易く、私も詠んでみたいと思う季語の一つです。歌留多で遊んでいるうちに坊主札が何処かにいってしまったという状況は、歌留多取りの激しさを想像させると共に、坊主が自分勝手に出奔したかのようなおかしみがありますね。

貴句の「百人一首の」は八音あり、百人一首の札が翔ぶイメージとしては重いと感じたため、季語を「三ヶ日」から「歌留多」に替えて、軽量化を図りました。「翔び」で、札が飛翔する如くに激しい歌留多取りの様子を詠み込み、その激しい歌留多取りが繰り返された結果、十三枚の坊主札が何処かへいってしまったという滑稽味を「今何処」というとぼけた言葉で支えてみました。

歌留多翔び十三坊主散々(ちりぢり)に
歌留多翔び姫も坊主も散々に
歌かるた読めども見えぬ札もあり
蝉丸は行方不明や歌かるた
幾枚は兄の筆なる歌かるた

かなりふざけた詠みぶりになってしまいましたね。
参考になりませんが、一応コメントとして残させていただきます。

点数: 1

「冬の波力溜めつつひきにけり」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 冬の波力溜めつつひきにけり

寒々とした海に引いては寄せる波には、粛々たる力強さが感じられますね。寄せるために大きく引いた波の一瞬を捉えた佳句だと存じます。「けり」にも、その力強さが表現されていますね。

「回廊の」の句では大変失礼を致しました。貴句を元に自分なりに考えを進めたいと思った結果、原句から離れることになってしまいました。これからは、「手直しした俳句」の欄ではなく、この「コメント」欄に拙句として載せるように致します。

点数: 1

「黒猫の雪に足跡真白かな」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 黒猫の雪に足跡真白かな

真っ白な雪に黒猫が残す足跡は果たして何色なのだろうか? 黒猫であるにも拘わらず、それは真っ白な足跡であったよ。このような気付きは面白いものだと思います。

しかし、上記の答に当たる部分「それは真っ白な足跡であったよ」まで述べてしまうと、他の方々が御指摘なさる通り、「雪」と「白」のイメージがダブってしまい、もったいない印象を受けます。なので、答えを省略するのも一つの手ではないでしょうか。あんまり上手く作れませんでしたが、三句。

雪明り足跡残す黒き猫
黒猫はしつかと踏めり夜の雪
黒猫の足跡の色深雪なり

また、足跡さえも省いていいのではとも思っています。雪という大きな景と黒猫という小さな対象は、それだけで句になるように感じます。

朝の雪黒猫どこに逃げ行くや
黒猫もしづかに眠る夜の雪
黒猫は雪にまろびて楽しさう

逆に、足跡を活かして黒猫を省いたらどうでしょうか。

足跡の主訪ねて雪明り

これは、猫と雪の衝突も無くなるし、類想句もたくさんありそうだし、イマイチですね。
僅かでも御参考になれば幸甚です。

点数: 1

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