「冬蝶もその影もまた花を去る」の批評
回答者 平果
添削した俳句: 冬蝶もその影もまた花を去る
季語「冬蝶」の儚さ物悲しさが見事に表現されていますね!
懸念されている「冬蝶」と「花」の季重なりの件ですが、どちらか一方が主であり、また一方が脇であると明らかに判る場合は許容されるという記述を目にしたことがあります。
なにより貴句の「花を去る」は、弱々しい冬蝶が生命の源である花を離れ、その行く先は決して明るくは無いだろうと想像させる働きがあります。なので、このままでよいと感じました。
「影もまた」も、冬蝶という一つの存在全体が終わりへと向かう様が詠み込まれているようで、句の儚いイメージを支えていますね。
...しかし、ここまで書いてきて、「冬蝶」に対する理解は、儚いとか脆いとか弱々しいとかいうもので本当にいいのかという心持ちになりました。どこか、逆境に堪える凛とした力強さがあるような気もしてきました。先行する句をよく読みたいところです。
点数: 2