「ピリ辛や大根の葉の一夜漬」の批評
回答者 丼上秋葵
添削した俳句: ピリ辛や大根の葉の一夜漬
こんばんは!おくらと申します。
拙句「名月」の句に対するコメントのお礼と「大根葉」の質問にお答えにまいりました。
ご指摘の通り、「大根葉」は季語ではありません。あくまでも季語は「大根」です。
申し訳ございません…orz
まず、謝らなければいけないのは、私が「大根葉」は辛いものだと思い込んでいたという過ちです。私の祖母が作ってくれていた「大根葉の漬け物」もやはり辛かったので、そういうものだと誤解していました。故に、前述のような感想になってしまった訳です。
「大根葉の一夜漬」が「ピリ辛」であるとは限らない以上、千日草様の句意を尊重するのであれば、「名月」の拙句に直していただいた訂正句の形がベストだと思います。季語を主役に据え置いて、「大根」葉で締めた方が体裁としては引き締まると思います。
私が作句の時、特に気をつけているのは
・句を読んで視覚的な情景が浮かび上がること
・主役の季語を説明せず、季語のイメージに思いを託すこと
上記の二点です。
節句「名月」の句ですが、作句の背景としては、いつものようにぼーっとスマホを見ながら歩いていたのに、不意に空を見上げたらあまりにも〈月がきれいだったので〉そのまま見とれてしまった、という体験が下地にあります。
うつくしやスマホしまひて見上ぐ月
と詠んでしまうと、季語である「月」自体もともと〈うつくし〉いイメージを持った言葉なので、「カレーは辛いなぁ」的な安直な印象を与えてしまいます。そこで、「名月」という季語に〈なんてうつくしいんだ〉という気持ちを託して、その結果、どういう視覚的情景が生まれたかを詠んだわけです。
ただ、久田様のご指摘の通り、オチが分かりやすすぎて、それはそれで安っぽくなってしまったのですが💦
「大根葉の一夜漬がピリ辛」という、ややもすると説明句に読めてしまうのが、悠様の「只事」と評する所以だと思います。
少しでもご参考になれば、幸いです。
点数: 1