俳句添削道場(投句と批評)

添削と批評一覧最新の投稿順の4ページ目

「木犀の風立つ山のあなたかな」の批評

回答者 鈴蘭

添削した俳句: 木犀の風立つ山のあなたかな

こんにちは、こちら拝見しました。一旦実景として読ませていただきました。

見えない山の向こうを偲ぶ様子が感じられました。「木犀の風」が素敵ですね、これだけで伝わることが実感できました。「あなた(彼方)」のひらがなも利いていると思います。とはいえどうしても、山の向こうから香るなんてどれだけ持続するんだろうという、フィクション感も拭えない一面が。といって、距離感を縮めてしまうと句意から遠くなるんですよね。

「風立つ山」か「風立つあなた」か問題もありますね。山でピンポイントに風が起こるよりは山の向こうから吹いてくるのだろうと類推できなくもないですが、もっとわかりやすくはなると思います。そういう意味では「あなたより」「風来ぬ」は親切ですが、これらだと倒置法になって真ん中で切れてしまう。調べとしては今が美しいから悩みます。

たとえば木犀で切って本歌取り。木犀が実際に長距離を香ってくる必要がなくなります。これは本歌から取りすぎな気もしますが。

木犀や山のあなたのなほ遠く

あるいは、山の向こうの木犀を想像するなど。

木犀の咲くてふ山のあなたかな(※山かあなたか問題が悪化しています)
山ゆけば木犀咲くと人のいふ

思いつくままで恐縮です。ところで、水原秋櫻子の作品(馬酔木調)がお好きそうだなと思いました。短歌的な文学上の美を追求した人たちです。もうご存じでしたら恐縮ですが、参考になるかもしれません。

点数: 0

「虫鳴きて虫語話せる人となり」の批評

回答者 鈴蘭

添削した俳句: 虫鳴きて虫語話せる人となり

こんにちは、こちら拝見しました。

「虫語」は造語というより複合語だと思います。猫語、鳩語、本箱、靴箱。意味がすぐわかるので特に気にならなかったです。
造語と言われるのは(厳密にはすべての言葉が造語ですが、表現をよくするために避けようという場面においての造語)、読み手に考えさせてしまう場合だと思います。たとえば「虫語を話せる人」を「虫語人(むしごびと)」とやったり、「虫の言葉を話せる能力」の意味で「虫舌」とかやったりしてしまうと、勝手に作らない方がいいということになりますね…。

むしろ「虫語話せる人」が誰なのかが気になりました。虫の声を聞いている作中主体が「虫の言葉を自分も話せるような気がしてきた」と思っているのか、それとも虫たちを擬人化したのか、どちらにも読み取れるようで。(素直に読むと前者でしょうか?)しかし、虫語を話せたら楽しいでしょうね。

点数: 1

「鱗雲釣果を願う釣り人や」の批評

回答者 なお

添削した俳句: 鱗雲釣果を願う釣り人や

不尽さん、こんにちは。
御句拝読しました。
不尽さんは釣りをせずに俳句を考えているのであれば、釣り人の心まで考えずに、ご自身のことをお詠みになってはいかがですか?

また、最後の「や」ですが、どういうお気持ちでしょうか?
切れ字の「や」は、句の中に置かれて、感動やひと区切り、あるいは場面転換の役目をします。ですので、最後に置かれることは普通はないのです。

御句、読み進めていくと、上五季語の「鰯雲」がどこかに飛んでしまって、「あれ?季語は、なんだったっけ?」となるような気がします。

・釣り人の脇で俳句をいわし雲

こういうことではないかと思いました。
これが完成形とかではなく、こういう感じではないかということです。
よろしくお願いします。

点数: 2

「日の暮るる虫の野原に立ちてをり」の批評

回答者 鈴蘭

添削した俳句: 日の暮るる虫の野原に立ちてをり

こんにちは、御句拝見しました。強めの孤独感がスッと立ち上がってきて良い句だと思いました。

「虫の野原」の省略が私は好きですね…。作中の人は、どこか虚ろに立ち尽くしているように見えます(元の意図とは違うかもしれませんが一旦お許しを!)。日が暮れて行って、ここは虫の野原。人の野原では最早なく、自分の方が迷子になっていくような、吸い込まれるような孤独と言いますか……。

ただまあ「日の暮るる」の存在感がかなり大きいので、そこに影響されて孤独感を感じた可能性はあります。虫の音を楽しんでいた場合は、どこかしら推敲の余地ありなのかもしれません。

ありがとうございました。

点数: 1

「街頭の陰にそよぎやゑのこ草」の批評

回答者 鈴蘭

添削した俳句: 街頭の陰にそよぎやゑのこ草

こんにちは、御句拝見しました。
私も初見では「そよぐや」の誤りかと思ってしまいました。名詞形でしたか。文法的には問題ないものの、誤読されやすくて損な気もします。「の」にすれば解決しますが、響きが気になられたでしょうか。

街頭の陰のそよぎやゑのこ草

また、重箱の隅ですが、「そよぎ」の時点で草木限定の表現なので、下五での種明かし感が薄れているかもしれません。中七の時点ではまだわからないようにするのも手かと思いました。思いつきで恐縮ですが、たとえば…。

裏道に縷縷波打つやゑのこ草

点数: 1

添削依頼をする!

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

▼添削依頼された俳句の検索

▼添削と批評(返信)の検索

ページの先頭へ

俳句添削道場の使い方。お問い合わせ

関連コンテンツ