添削と批評一覧最新の投稿順の20625ページ目
蕗の薹探して歩く帰り道
回答者 よしはむ
添削した俳句: 蕗の薹天に芽ふけば春模様
こんにちは。
蕗の薹とは、早春に野山などで顔を出す蕗(ふき)の花茎のことで、春の季語です。
さらに下五で「春模様」と詠んでしまっていることから、この句は季重なりとなります。
俳句には2つ以上季語を入れてはいけないというルールがあります。
この句の場合、蕗の薹が現れれば春がきたことがわかりますので、春模様は蛇足となります。
少々、句意が変わってしまうかもしれませんが、春が来たことを知るために蕗の薹を探して歩くという俳句にしてみました。
指摘事項: 季重なり
点数: 1
「晩秋のアラビア人の夜逃げかな」の批評
回答者 森田拓也
添削した俳句: 晩秋のアラビア人の夜逃げかな
腹胃壮さん
おはようございます。
いつもお世話になり、どうもありがとうございます。
「紅牡丹」から季語の意味や花言葉を連想する重要性を教えて下り、
どうもありがとうございました。
花言葉を広く知ることで、句に効果的に使えますよね。
今さっき教えていただいた、藤田湘子先生の『新版 20週俳句入門』と
『新版 実作俳句入門』の2冊を買いました!
大切に読み込みますね。
どうもありがとうございます。
この句は大笑いしました。
「晩秋の」「夜逃げかな」と寂しげな季語や言葉があるのですが、
「アラビア人の」がとても句全体に効いていて、
日本的な「晩秋」に対して「アラビア人」の異国性がとても面白いですね。
まあ、夜逃げされたアラビア人さんは気の毒なんですけどね(笑)。
点数: 1
「三日月や身を浄めたる刀鍛冶」の批評
回答者 ハオニー
添削した俳句: 三日月や身を浄めたる刀鍛冶
朝から悔しげなハオニーです
これは成功した「理系の句」ですね
「理系の句」と私が勝手に呼んでいるだけですから、公式用語ではありません
私なりの定義も後述します
まずはこの句を考察してみます
「刀鍛冶」という言葉で、鍛冶をする場所の職人さんだとすぐに分かります
「浄める」という字が「清める」じゃないこともプラスに働いています
「浄」という字に宗教的な匂いや神聖さが加わり、意図通りの効果を得られています
私、季語をあえて「満月や」にしたらどうなるかと試してみました
しかしこれから刀をつくる行程があるわけですから、ここで満ち足りた感じを出しては早すぎる気がしました
「三日月」は正解です
私なりに正解だと考えた理由は感想に置きます
完了の「たり」がきちんと連体形になっているのも、文法はきちんと押さえている方だと分かります
私の感想
身を清め終わった刀鍛冶師から、緊張感や決意を新たにした表情がきちんと見えてきました
三日月は朝に昇り夕方に沈みますから、朝の凛とした空気も鍛冶場の緊張感に作用しています
ここに「三日月」の必然性を確かに感じました
この句は、直さなければいけないところはございません
この言葉じゃないといけない理由が分かり、言葉の経済効率を理解して適切な位置に置いている
そして、感情ではなく別のデータ的な言葉で感情をも想像してもらう
これが理系の句なのだな、と勉強になりました
点数: 1
「スマホ越し自分の目では見ない薔薇」の批評
回答者 腹井壮
添削した俳句: スマホ越し自分の目では見ない薔薇
満州逆路さん、おはようございます。
目もくれず歩きつかれて気づく百合
の時と同じコメントしか出来ませんので省きますが満州逆路さんの本格川柳の力は認めております。さらにその才能を開花させる為時実新子の句をなるべく多く読んでみて下さい。彼女はもともと川柳作家ですが川柳に俳句の技法を取り入れたり時には俳句も詠んでいます。
点数: 0