俳句添削道場(投句と批評)

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三日月や身を浄めたる刀鍛冶

作者 腹井壮  投稿日

コメント(俳句の意味。悩みどころ)

皆様こんにちわ。いつもお世話になります。
どう見られても構いませんが理系出身の腹井壮でございます。

この句は日本刀の反り具合や刃先が三日月のイメージと重なったので取り合わせてみました。
刀鍛冶師の仕事は神聖な仕事で尚且つ危険な仕事故必ず身を清めてから仕事に取りかかります。
そんな刀鍛冶師を描きたく詠んでみました。

皆様の御意見・添削を御待ちしております。

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「三日月や身を浄めたる刀鍛冶」の批評

回答者 ハオニー

朝から悔しげなハオニーです
これは成功した「理系の句」ですね
「理系の句」と私が勝手に呼んでいるだけですから、公式用語ではありません
私なりの定義も後述します

まずはこの句を考察してみます
「刀鍛冶」という言葉で、鍛冶をする場所の職人さんだとすぐに分かります
「浄める」という字が「清める」じゃないこともプラスに働いています
「浄」という字に宗教的な匂いや神聖さが加わり、意図通りの効果を得られています

私、季語をあえて「満月や」にしたらどうなるかと試してみました
しかしこれから刀をつくる行程があるわけですから、ここで満ち足りた感じを出しては早すぎる気がしました
「三日月」は正解です
私なりに正解だと考えた理由は感想に置きます

完了の「たり」がきちんと連体形になっているのも、文法はきちんと押さえている方だと分かります

私の感想
身を清め終わった刀鍛冶師から、緊張感や決意を新たにした表情がきちんと見えてきました
三日月は朝に昇り夕方に沈みますから、朝の凛とした空気も鍛冶場の緊張感に作用しています
ここに「三日月」の必然性を確かに感じました

この句は、直さなければいけないところはございません

この言葉じゃないといけない理由が分かり、言葉の経済効率を理解して適切な位置に置いている
そして、感情ではなく別のデータ的な言葉で感情をも想像してもらう
これが理系の句なのだな、と勉強になりました

点数: 1

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「三日月や身を浄めたる刀鍛冶」の批評

回答者 満州逆路

いつも添削お世話になっています。
今回も感想だけですがよろしくお願いします。

静かで穏やかなのに闘志がむき出しというか、森田拓也様もおっしゃっているように鋭い句に感じます。
最初の「三日月や」が夜を想像させ、薄暗い中刀鍛冶が静かに真剣に心を落ち着かせている様子が見えました。
心を落ち着かせているといってもただ落ち着くだけでなく空気が張り詰めているのを感じます。居合の達人を前にしたような緊張感を句から受け取りました。

点数: 2

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「三日月や身を浄めたる刀鍛冶」の批評

回答者 森田拓也

腹胃壮さん

おはようございます。
とても硬質で鋭い句ですね。
かっこいいですね。
少しでも近づきますと、一刀両断にされてしまいそうな句ですね。
「三日月」はよく芸術表現として、三日月にぶら下がるとか、
三日月が突き刺さるとか、使われる気がします。
月の表現といいますと、稲垣足穂さんの『一千一秒物語』とかが巧みで好きです。
でもでも、この句では刀と三日月の反り具合を重ねられた表現だとのことで、
とてもユニークで新鮮だと思いました。
「刀鍛冶」という強く硬質な表現を、「三日月や」というご表現が、
柔らかく優しい句の雰囲気にしていますね。

点数: 1

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