俳句添削道場(投句と批評)
みつかづさんのランク: 師匠40段 合計点: 237

みつかづさんの俳句添削依頼

最新の投稿順に並んでいます。回答が付いた投稿が先頭に移動します。

増す陽気おむつ卒業パンツの夜

回答数 : 9

投稿日時:

卒業の後に廃校泣く恩師

回答数 : 3

投稿日時:

就活は内定彼を卒業す

回答数 : 5

投稿日時:

雨の卒検ハンドルの手は震え

回答数 : 6

投稿日時:

みつかづさんの添削

「つなぐ手の冷たき夫や花の塵」の批評

添削した俳句: つなぐ手の冷たき夫や花の塵

初めまして。こんにちは。みつかづと申します。
貴句、拝読しました。
キツいと受け取られる表現もあるかと思いますが、真剣に考えての事です。
長文です。お含みおきください。

結論:誤読される危険性が極めて高いおそれあり

理由と考察:
トップページには、句の字面、作者、更新日時しか表示されません。
字面を冷静に見ていきますと、以下の様な読解が自然に成り立ってしまいます。

「(夫と)手を繋いだ」→「その手の何と冷たい事であろうか」→「花の塵」
→「ゆきえさんの夫が亡くなられた時の記憶をお詠みの句ではないか?
亡き夫の手を棺の中で握った時のことかもしれない。
夫が好きだった桜の花びらも添えて…」と。

句中の「や」が「冷たき夫」を強調、あるいは問い掛け(活用語の連体形に
接続している場合、疑問、問い掛け、反語の意味も在る)する構造に
なっている以上、どうしても「死別の句」と読まれてしまう可能性が高くなります。
現実はそうでなくても。

語の意味や位置関係に注意すべきなのは自立語(名詞、動詞など)だけでなく、
付属語(助動詞、助詞)も同様です。

句に「添」えるべき単語、句から「削」ぐべき単語(添削):
作者コメント「歩くときは手をつなぐ」を拝見しますと、
「夫の手の冷たさ」自体には大きな比重は無いと私は判断しました。
ですが、「夫のリハビリなどの介助の景の句」である可能性も否定できません。
誤読を避ける方向で、私なりの案を以下に提示いたします。

A:手を繋ぐ夫の先に花の塵
B:手を繋ぐ夫ゆつくり花の塵

A案は、夫と手を繋いで歩く光景。前方に散り落ちた桜の花。
夫の手を繋いでいるのは作者。
B案は、夫の屋外での歩行練習や介助の様子。
「ゆつくり」によって時間の流れを柔らげ、季語の印象と調和を目指しました。
夫の手を繋いでいるのは作者とは限らない(介助者)

この様にしますと、「夫との死別」なんて誰も思わないのではないでしょうか。

以上、ご参考までに。ご覧いただき、ありがとうございました。

点数: 1

「退社後のガシャポン家電屋はのどか」の批評

添削した俳句: 退社後のガシャポン家電屋はのどか

初めまして。みつかづと申します。
貴句、拝読しました。

感想の結論:一体どの様な景なんだろう?
作者の感動は何処にあるのだろう? 全然分からない……。

季語はどれかな?」と追っていきますと、「のどか」しか見当たりません。
「のどか」とは、以下の意味を持つ単語です。
1:静かでのんびりとして落ち着いているさま。
2:空が晴れて、天候が穏やかなさま。うららかなさま。
3:ゆったりとくつろぐさま。急がないで気長に構えるさま。
4:気にかけないさま。のんき。

また、「家電屋はのどか」にある助詞「は」。
「が」は格助詞(英語ならa、an)、「は」は副助詞(英語ならthe)。
共に、名詞のすぐ後に付いて連用修飾語になりますが、含みが違います。
「は」はより一般的です。

「家電屋はのどか」
読者は何を想像するでしょうか?

・その家電屋、繁盛してなさそう。経営難?(1の意味より)
・作者は家電屋の中に居るのに、「天候が穏やか」とどうして分かるんだろう?
 強い風が急に吹いてもおかしくないのに(2の意味より)
・ガシャポンでほしいものが出てきても、作者は気にしないのかな?(4の意味より)

いずれにせよ、「家電屋」が季語「のどか」に掛かかって家電屋の状態を
説明していますので、読者は季語としての力や印象は弱く、あるいは無いと
受け取るのではないでしょうか?

1点アドバイス。
最初のうちは、作者コメントに「どの様な情景を、どの様な気持ちで
俳句に詠んだのか?」を詳しく書く方が良いでしょう。
ここは『添削道場』ですから、句の17音の字面と作者コメントを比較して、
作者が俳句を詠んで読者に伝えたい事と乖離しているかどうかを参加者が判断し、
言葉が足りていなければ「添」え、多過ぎていれば「削」ります。
それが「添削」ですので。

以上です。

点数: 0

「羽田便穀雨の山河下に見ゆ」の批評

添削した俳句: 羽田便穀雨の山河下に見ゆ

こんばんは。いつもお世話になっております。
貴句、拝読いたしました。

東京への旅の記憶と季節感が交差し、機内からの風景と「穀雨」という時候が、
美しく重なり合っているように思いました。
北国にお住まいとうかがっておりますので、「穀雨」という言葉に
込められた思いも、ひとしおのことと拝察いたします。
長く厳しい冬を越え、ようやく芽吹きの雨を迎えるという実感は、
南方の者には想像もつかない重みがあるのではないでしょうか。

そのうえで、私なりに少しだけ言葉を添えてみました。
ご笑覧いただければ幸いです。

A:穀雨なる山河幾つも過ぐる窓
⇒ 視点を飛行機の窓に寄せ、節気「穀雨」の穏やかさを
引き立てようとする試みです。

B:羽田への窓も故郷も穀雨なり
⇒ 窓の向こうの風景と、心の内にある故郷の情景、
その両方を「穀雨」と重ねてみました。

いずれも、原句の雰囲気を損ねないよう意識したつもりです。
一案にすぎませんが、何かのご参考になれば嬉しく思います。

私は、「添削」とは言葉を削ったり足したりするだけでなく、
句意や背景に「添う」ことでもあるのではないかと考えております。

次に、拙句「尋ぬるや鳥は散る花散らぬ花」にコメントを頂き、
ありがとうございました。
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/30116

お題の「落花」は、私にとって実体験とは結びつきにくいものでした。
そこで今回は、やや実験的な構成を試みた句となりました。
戸惑いもおありだったかと思いますが、穏やかに受け止めていただけたこと、
感謝しております。

なお、私の句における季重なりや季違いは、あくまで詩的効果として
選んだ結果であり、「写生」、「詩的論理の中の実景」を意識しているつもりです。
(時には 実景xと実景yを重ねるので、厳密な写生ではない事もあります)

とはいえ、表現力はまだまだ未熟ですので、
さらに工夫を重ねて参りたいと考えております。

句やコメントを通して、学ばせていただけましたら幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました。

点数: 1

「花散るや屋根職人の大笑ひ」の批評

添削した俳句: 花散るや屋根職人の大笑ひ

こんばんは。
貴句、及び作者コメントの両方(貴句「屋根職人大笑いせり桜散る」の分も)
拝読しました。以下、長文です。お含みおきください。

独楽爺さんが仰られていた様に、「季語が動く」と私も思いました。
「桜散る」、「花散る」でないとダメな理由が見付けられませんでした。
上記の季語は「晩春、植物」の分類で、頃・時としての焦点よりも、
桜が散るという「現象」や「散っているもの」としての焦点を持ち、
故に「儚さ」などの印象を持つ季語ではないかと考えました。

そして、読者の視線を上から下に誘導していく性質も持つ季語なので、
屋根職人と取り合わせると読者の視点は慌ただしくなるかもしれません。
また、季語、屋根職人、大笑ひが結び付いた時に「落下事故」の印象も僅かに
出てしまうかもしれません。
(けが負う程じゃなかったので、職人2人が大笑いしたとの解釈もできてしまう)

そして、〇〇職人の〇〇の部分は読者にとっては二次的な情報です。
書かなくても特に問題は無く、その場合は読者が自由に想像できる余白になります。
「どうしても屋根職人と書きたい」のであれば6音も使わず、
4音の「屋根工」、3音の「屋根屋」で十分ではないか?と私は考えました。

以上より、私の添削例は、時系列順に以下の3つ考えてみました。
A:花時や屋根屋二人の大笑ひ
B:花過ぎや屋根屋二人の大笑ひ
C:夏隣屋根屋二人の大笑ひ

作者が「桜散る」、「花散る」といった「植物の状態、現象を表す季語」を
お使いの意図が「季節の明示」だけではなく「情景を彩る背景」であったなら、
A~C案のどれも、主役を覆い壊さずに全体を支える形になると思います

次に、貴句「屋根職人大笑いせり桜散る」へのコメント欄で気になった事です。
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/30072

1.「せり」と完了形にした
確かに完了の意味はありますが、助動詞「り」には継続用法、存続用法もあります。

2.その後の動詞が「せり」ですから
古語辞典で調べましたが、「せり」という動詞は辞典に載っておりませんでした。
文語文法的には以下ではありませんでしょうか。
名詞「大笑ひ」+サ変動詞「す」の未然形「せ」+助動詞「り」の終止形

3.職人の屋根に談笑~
談笑は、「打ち解けて楽しく語り合うこと」を意味する単語です。
時間経過にやや幅があります。
2人の職人は仕事する為に屋根に上っており、語り合いまではしていないでしょう。
精々、一瞬だけ大笑いする程だと私は思います。

4.~桜散りそむる
「そむる」が平仮名ですので幾つかのパターンが考えられます。

・補助動詞「初む」
→マ行下二段活用ですので、句末に来る場合は「散り初む」。

・染めるという意味の他動詞「染む」
→マ行下二段活用ですので、句末に来る場合は「散り染む」。
マ行下二段活用(め/め/む/むる/むれ/めよ)

・動詞「散る」+染まるという意味の自動詞「染む」+助動詞「り」
→「散り染めり」。
自動詞「染む」→マ行四段活用(ま/み/む/む/め/め)
助動詞「り」は四段活用動詞の已然形、サ変動詞の未然形(エ段の音)に接続し、
自身の活用はラ変動詞と同じです(ら/り/り/る/れ/れ)

以上です。ご覧いただきありがとうございました。長文失礼いたしました。

点数: 1

「入学や背もたれ知らぬままでいて」の批評

添削した俳句: 入学や背もたれ知らぬままでいて

こんばんは。貴句、拝読しました。

深いですよね。「表面をなぞるだけでは見えてこない」タイプの句でしょうか。
季語「入学」はそのままの意味と季節感、入学されたお孫さんの未来の示唆の
ダブルの意味合いがあるのでしょう。
動詞+打消しの助詞で「知らぬ」。後には「ままでいて」。
音楽の作詞の様でもある、何処と無く不思議な感じがします。

きっとお孫さんが小学校にご入学されて、「背もたれ知らぬままでいて」は
「子供の様な感性、「何故?」との疑問を持つ事をいつまでも忘れないで
育ってほしい」、
「どこぞのお偉いさんの様な、背もたれにふんぞり返る様な大人には
ならないでほしい」との心情が、詩的に伝わってくる様に、また、
独楽爺さんが追い求める「余白の美」、「俳句に王道は無い」が
ヒシヒシと伝わってくるかの様に、私には感じられました。

以上です。ありがとうございました。

点数: 1

みつかづさんの添削2ページ以降を見る

トップページへ
添削依頼をする!

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

▼添削依頼された俳句の検索

▼添削と批評(返信)の検索

ページの先頭へ

俳句添削道場の使い方。お問い合わせ

関連コンテンツ