「枯葎静寂破るクラクション」の批評
おはようございます。
取り合わせの俳句の練習でしょうか?
◆コメントにある「漢字が多すぎる気がします」はあまり気になりません。
五文字しかありませんし。
前半に固まっているとはいえ、読みにくいというほどでもなく。
◆「枯葎」は狭い風景の季語なので、中七下五の言い回しと相性があまりよくない感じです
◆中七下五の「静寂破るクラクション」
ここに問題がありそうです。
1.「静寂を破る」は描写ではなく自分の感想・説明っぽいです、また、J-POPなどでよく出て来る(言い方が悪いですが陳腐な)言い回し。これで七音も使っています。
2.「クラクション」といえば【突然に鳴る大きな音】の代表格で、当たり前感が出ていること。クラクションは静寂を破るもの。
当たり前のことでも、誰も気づかず俳句にされたことがなかったら「新たな発見」として感動できるのですが、この句はどうでしょう
3.1と2が組み合わさった結果、「静寂破るクラクション」は誰かがどこかで使ったような十二音になってしまって、新鮮さが・・
推敲の方針として、
俳句に「静寂破る」をどうしても残したいなら「クラクション」よりもっと独自性のあるものを使いたいところ。
ただし私個人は「静寂破る」を残すのはあまりお勧めできません。もっと風景を描写することで「静かな空間なのではないか」と読者に思わせたいです。
「クラクション」を残すなら「静寂破る」という陳腐な表現を回避したいところ。
その上で、季語「枯葎」が合っているかどうか、上五でいいかどうか、を検討です。「静かな空間」を思わせるための季語変更は考えられそうですよ
・枯葎無余地駐車へクラクション
↑ あまり良くない推敲。季語が生かされていません
・クラクション響き渡れる枯野かな
↑ 静寂の中のクラクションに特化した推敲。これも陳腐ですが。
この句にとって大切なものが季語「枯葎」なのか「クラクション」なのか「静かな空間」なのか。ご自身で推敲してみてください。