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シャロン・ホームズの助手の批評

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シャロン・ホームズの助手(元記事)

また賞に送る予定の一作書けたので、改稿のため感想コメント等をいただけたらと思います。
ジャンルはスチームパンクの冒険活劇です。
全てを読む必要はありません、読んだ範囲での感想で構いません。
感想コメント等をいただけた方が作品を上げていれば、必ず目を通してコメントを返させていただきます。

シャロン・ホームズの助手の批評

投稿者 大野知人 投稿日時: : 0

 十二田さん、お久しぶりです。大野です。
 まず二つ謝っておくことがあって。最後まで読むつもりでいるんですが、コメ欄の字数制限に引っ掛かるので前後編に分かれます。後編は夕方までには送ります。
 不躾ではありますが、『読んでるときに思った事をそのまま描いたメモ』をコピペして貼るので、『のちのシーンでフォローされること』について突っ込んでしまっていたらごめんなさい。

 なお、先に4章まで読んでの感想を書くと『物語の流れや文章は読みやすいが、肝心の推理がかなりお粗末に感じる』というのと、『アクションシーンそのものは良いんだが、結果的に推理ではなくアクションですべて解決してしまっていて面白くはない』。
 結論として『推理要素のあるアクション』として書くなら推理要素をもっとちゃんとやってほしいし、『探偵ごっこがしたいけど探偵として中途半端な子たちが結局アクションで解決する話』として書くなら、地の文で『ダメな推理』としてこき下ろすべきと思うし、もっとアクションシーンに尺と描写を割くべきと思った。
 あくまで四章まで読んだ時点での意見なので、どんでん返しはあるかもと思いつつ、1~4章は概ねこの感想です。
 
第一章について。文章はとても読みやすいんですが、探偵ものの小説としてどうかなと思う点が結構ありました。
・文章は基本的にとても読みやすいです。文章・シーンもよどみなく流れていくので、違和感なく没入出来ました。
・ワトソンがシャロンの記憶力に驚くシーン、物語開始時点で知り合いなら『相変わらずだな』という方が自然では?
・ホームズが列車強盗の犯人をクランカーと気付かなかったのが不自然に思いました。
 そもそも、探偵事務所を構えて既に何件も事件を解決しているなら、当然犯人がクランカーであるケースも少なくないはず。なのに上から服を着ているだけで分からなくなるというのは『探偵』としては不自然では?
 後さらに言えば、そもそも子分は撃っておいて親分を放置して長々推理を披露しているのも謎に感じます。銃を撃つのが嫌な訳でもなく、腕が良いのになぜ?
 
・せっかく後ろに居て奇襲できたワトソンが、なぜしがみついたのかも謎です。武器がないのは良いんですが、頭部を殴るとかもっと手があったのでは?

・で、これが一番の問題点なんですが。ストーリー上、『シャロンの推理』と『事件の解決』が特に結びついてないんですよね。
 列車強盗の事件自体はホームズの銃撃による子分の無力化と、ワトソンの格闘戦によって解決されています。つまり、ホームズが推理をする意味がないんですよ。
 例えば機関室を制圧した後、親分が居ない事に気付いて『じゃあ親分がどこにいるのか』となり、その上で親分を探しに行くならまだ推理の必要があったでしょう。(もっとも、虱潰しがしやすい一本道の列車内でそれをやる意味は薄いですが)ですが、現実的に『犯人を一人でも逃がしたら乗客に被害が及ぶ』列車強盗に対して、端の車両から鎮圧して行った上で親分を制圧するという展開上、やってる事は『虱潰し』な訳です。
 出来れば、シャロンの推理が事件解決に対してもっと有効に働く展開にしてほしかったと強く思います。

・最後に歴史オタクとしての疑問を挟みますが、『科学技術で覇権に手を掛けた帝国』が、『技術の塊』である列車に警備員や軍人を配備していないのは不用心では?
 ストーリーとしては不自然ではないので、今のままでも良いとは思いますが、気になる人はいるかも。

第二章について。
・冒頭のエミリーの『どういたしまして』以降の地の文、『ある/である』が多すぎて若干読みづらいです。
・男根主義がマッチョイズムの和訳なのはよくわかっているんですが、すこし作品の雰囲気を壊している気もします。こだわりがなければわざわざ漢字表記しなくても良いと思う。
・特に貧乏な訳でもなく、『若干空気が読めない』『男性社会で育って女性との距離感がつかめない』などの設定もなく、普段のお礼で自宅に呼ぶ男は人としてかなりダメだと思う。少なくとも俺が見かけたら『お前それは無いって』って後で言います。
 ついでに言えば、もしワトソンがエミリーの好意を理解してやってるなら『同居相手の女性』が居る所に呼ぶのはなお一層マズいと思う。

・エミリーがワトソンにジャックの事件を伝えるシーン。エミリーの語りが淡々とし過ぎて居て、キャラ性が見えないため『言わされている』ように感じます。
 先述のナンパに遭いやすい・『癒し系』等の設定から気弱なキャラと思えば、エミリーはもう少し怖がりながら伝えるべきだと思う。
 あるいはワトソンと同じ医学部(推定)であるなら、『検死をやる人も気の毒に』とか『筋肉も骨も切り方が雑過ぎるよ!』くらいのズレた感想を出してもいいでしょう。――あるいは逆に『この切り方、明らかに内蔵の位置を把握して切ってるよね』でも良いですけど。
 いずれにせよ、『エミリーというキャラ』として非常に弱いと感じた。

・一章でも書いたが、ホームズが『犯人がクランカーである可能性』に備えていないのが謎ですね。一章とは異なり、明確に死体が出ているのだから『この斬り方は余程大掛かりな設備か、クランカーでなければ不自然』みたいな気付き方はしないのだろうかとすら思う(例えば、筋肉に包まれた骨は弾性と剛性が違う上に血でぬめるため、『音を立てずに使える程度の刃物』で骨ごとバラバラにした死体を作るのはとても困難)。

・列車強盗の時と異なり『事件は既に起こってしまった』以上、武装している犯人に真正面から仕掛けるのが謎。銃で無力化してから話聞くとか、尾行して家突き止めて警察呼ぶとか、尾行して武装解除させてから挑むとか、なんかないのか。 
 『とりあえず突撃』は冷静な探偵キャラのムーブではないと感じました。
 ついでに言うと、『そういう我慢が出来ないくらい、謎が好きで謎を解き明かしたい』というキャラなら、もっとそういう風に各シーンで描写すべきと思う。

・二章についても一章と同じ問題点があるんだが、結局シャロンの推理は『警察が居ない所をあたる』という場当たり的かつ、虱潰しと同程度の効果がない。しかも一章と同様、推理そのものは犯人の正体や用いている手段の解明・その後の戦闘に全く影響が出せていない。
 推理が虱潰し以上の効果を持っていないのが特に致命的で、二章時点での活躍だと『探偵』というより『よくしゃべるガンマン』の印象が強いです。

 例えば簡単な虱潰し脱却の手段としては『フム、実の所今夜被害が出る可能性がある現場の内、警察が張っていない場所はここ以外にも5つある。けれども私がここに来たのは他でもない、犯人が選べる逃走ルート上に警察が張っている現場が最も少ない――つまり用心深い犯人が選ぶであろう場所がここなのさ』とか、『まぁ、勘と言われればそうなのだがね、もし犯人がここに現れるとすれば被害者に共通する「ある特徴」に確信が持てるのサ』みたいな、ただ『警察が居ないところに来ました』っていうのはやめてほしいです。
 戦闘面への推理の活用について言うならせめてクランカーであることを想定した上で、トリモチ弾などの機械制御を阻害する道具を持ち込むとか……。

三章について。
・前半はまぁいいと思います。個人的には、別に刑事に頼まずとも『前に奥方の浮気調査を受けたことがあってね、この辺りの配管工とは知り合いなのさ』とするすると地下空間の地図をコネで手に入れて『探偵としての業績』を示してくれても良かったかなぁ。

・イヴが登場して、ワトソンを組み倒すまで大分あるのに『とりあえず鎮圧しておこう』とならないシャロンの心理が謎。もし無警戒と不用心が売りのキャラならもう少しそういう描写をしてほしい。
・目を話していた隙にジェイコブが外骨格を装備していたというのは展開として弱いように感じる。凶悪な殺人犯の確保は癇癪ジジイの相手より優先すべきだろうと思うし、『無能な警察』として書くならそういう揶揄や描写が足りないと感じた。無論、シャロンが言及しても良いと思う。

・人造人間という研究にシャロンが気付くシーン。推理の根拠が特に描写されていないので、推理として面白くない。
 例えば『ここに来るまでに見た電算系の機械部品、タンパク質を樹脂化するための部品に防腐剤まで……ただの強化外骨格の研究だけじゃなさそうだ』なんていう風に、シャロンの推理そのものに対して読者が読み解ける情報があればいいんだけど、それなしに『キミは気付いたようだね』『残念ながら悪い予感が当たったようだ』『そう……実は!』って言われても、読者は置いてきぼりで面白くない。

・『ジェイコブが切裂きジャックとして活動していたのは、自分の芸術を理解できる人間を探すため』という推理。推理そのものに穴はないのだが、『他の動機』が薄すぎる上にこれ以前の部分でジェイコブの動機をミスリードする物がまったく登場しないため、推理として純粋に面白くない。

長所。良かった点

色々あるんだけど、後編でまとめて書きますね。

良かった要素

文章

スレッド: シャロン・ホームズの助手

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