没入(訂正:転生)の批評の返信
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没入の批評(元記事)
初めまして。以下、所感です。
①舞台設定がわからない
世界観についても場所についても説明がないまま始まるため、その時点でかなり没入感が削がれてしまいました。
SF企画という前提から何となく近未来をイメージしていたのですが、「農家」との単語で前提が覆り、以降も具体的な説明がない点がストレスでした。
中腹にゴラン地区との記載がありますが、「イスラエルとシリアの国境近く」という普遍的イメージのない地域であるため、説明としては機能していないように思われます。
冒頭に一行「山奥の小屋」「(何らかの建材)の家」「(任意の部屋名)」や「(季節・時期)の(時間帯)の路傍」など、軽くで良いので場所と時間の設定が欲しいと感じました。
②キャラクターがわからない
キャラクターについて、名前以外に提示される情報がなく感情移入が困難でした。
アナンがダニエラを愛していること、ダニエラとレオールが両想いであることは分かります。
しかし、彼らの年齢、容姿、家柄、育った背景、上記の相手を愛するに至った理由、そして普段の性格すら、会話からはっきりと読み取ることは出来ませんでした。
短編において、それらの説明を割愛するケースは確かに存在します。ですが、そういった作品は往々にして世界観が現代日本であったり典型的な洋風ファンタジーであったりと、ある程度「お約束」に基づいているからこそ説明を省いても通じるようになっている印象です。
例えば現代日本が舞台なら「女子高生」の一単語で年齢と性別まで絞り込めます。「女騎士」と言われれば金髪に銀の鎧の美しい剣士がイメージされやすいのではないでしょうか。
本作ではそういった肩書きの提示もないため、キャラクターたちの人物像が最後まで上手く読み取れませんでした。
また、主人公に相当するであろうレオールの登場が最後になる点も読解に悪影響を与えていたように思われます。
③展開の接続が弱い
主人公が殺された後、メルクとして転生する展開に「そういう設定/ストーリーだから」という以上の説得力がなく、ご都合主義的に感じられました。主人公の意志や努力・成長が介在しておらず、ただ幸運によって上手くいったように見えるためカタルシスがありません。
たとえば、転生のために何かとても苦労をするなら、ハッピーエンドが単なる幸運ではなく主人公の苦労に対する報酬として機能するため、結末をより歓迎することができるのではないでしょうか。
また、『蜘蛛の糸』よろしく主人公の転生できた理由が生前の善行に基づくなら「密かな善性が報われる」という形で読後感の気持ちよさに繋がりますし、
主人公を助けた上位存在が、実は「生前主人公に惚れていたが、主人公とヒロインの幸せを願い想いを秘めたまま亡くなった」過去を持っていたりすれば健気な悲恋として成立すると思います。
いずれもベタな例ではありますが、接続の弱さを改善する助けにはなる印象です。
(現状、案内役の男が主人公に良くしてくれる理由が不明瞭です)
総合して、情景をイメージしにくい短編という印象でした。
しかし、気になった点はあくまで指針や情報の取捨選択であり、文章それ自体は十分に内容が理解できるものになっていると感じます。
この批評が何らかの役に立ちましたら幸いです。
没入(訂正:転生)の批評の返信
スレ主 ぷりも 投稿日時: : 0
まずは数々の連投でご迷惑をおかけしましたことをお詫びします。申し訳ありませんでした。
もう感想つかないと思っていましたが、コメントいただきありがたく思います。
①SF企画に合わせて書き下ろしたのですが、ちょっと転生ネタをSFとするのは拡大解釈しすぎてしまいました。
あとこの話は実際の出来事を絡めていたため、舞台設定はそちらから流用したため手抜きになってしまいました。
ご興味おありでしたら「斧 イスラエル 生まれ変わり」で検索するとベースとなった実話がヒットするかと思います。
②おっしゃる通りです。企画は三千字以上という設定だったので、あまり長くしすぎないようにしようと意識しすぎて説明不足になりました。時代もいつの話かわかりませんね。
レオールが最後に登場するというのが悪影響というのはハッとしました。深く考えてませんでした。今後の参考にしたいと思います。
③転生することが当たり前のようになっているというのも考えもしませんでした。この地区は転生することを強く信仰しているという事実をそのまま設定に使ってしまいましたが、読者視点から見ると説得力に欠けますね。
総じて、実際のエピソードに頼りすぎて読者への説明、描写が不足していたのが反省点であると感じました。
ありがとうございました。