ツンデレラを脱がしたい (No: 1)
スレ主 つたぬき 投稿日時:
次回、なんだっけ?
軍略に至る病? 軍略に至る絶望???
…狼に至る絶望とか、そんな感じになります。
主にコボルトと人間のハーフ…
イメージ的には無職の剣王ですわ。
コボルト社会を改革したコボルトの女ボスの話しメイン。
裏切り者の新米憲兵、殺すか迷い中
「裏切り者は二人も要らない…」とか言って
満月に魔女が狼になります。
コバルト色の絶望だったかな?
プロローグ
「8652、ムッ!92か…なかなか…」
太陽は旅人を見ては、数字の羅列を言う変な癖がありました。
数字の意味は分かりませんが、その横顔は真剣で心に刺さるものがありました。
少しでも太陽の興味を引きたくて、北風の女神はとある提案をします。
「おほん、あの旅人は天界から神具を盗み出した盗賊かもしれないが、証拠がない。神が直接身を改める訳にもいかない。
さて、どうしたものか?
ここはボクと知恵、くらべを…ー!」
ドン!
太陽の顔が目の前にある。
壁ドンと呼ばれる、アレだ。
(そ、そこまで反応して来るなんて…それとも、興味を引きたいだけの嘘だとバレたのだろうか?!)
正面から顔を合わせられず、目をそらしてしまいます。
それどころか顔が火照って来て…
「…脱げ」
(へっ…?)
太陽が何を言っているか、北風の女神には、ちょっと、…どころか、全く分からないよ!
(開幕ープロローグ終了)
(本編ープロローグ開始)
狼少女のツンデレラ
旅の魔女は旅の道中、偶然にもコボルトが集まり、狩り…の練習の規模でない軍事演習をしている場面を目撃します。
魔王の復活が噂され、それを裏付けるようなよくない予兆ばかり起きます。
危機感に襲われ、近隣の村にこの事を早速伝えに行きました。
最初、戸惑いながらも旅人の真剣さが伝わり、渋々防衛の準備をしました。
が、コボルトの群れはそんな常識レベルな話しではなく、襲われれば、一溜まりもないのは明らかでした。
(もう少し時間があれば…)
そう考えた旅の魔女は、持てる力と知恵を持って出来る限りの時間稼ぎをします。
それは、思ったよりうまく行き、一月は立て直しに係るだろうと見積りますが、町に帰って来た時、驚愕します!
町は変わっていませんが、変わりなさ過ぎているのです。
自分が出ていった三日前と何一つ変わらず、見張りが片手で数える程度、その見張りにも覇気はなく、今にも昼寝しそうな停滞感がありました。
見張りに向かって怒りの声をぶつけました!
「どうして、あれから防衛の準備を進めてないのですかっ!?」
鬼気迫る表情で見張りを詰めよるも、余りに信じられない詰まら理由を並べて要領が得ませんでした。
町長の宅に息荒く、乗り込みますが、町の要塞化中の工事で足を折り、面会すら許されませんでした。
キレた魔女は役所に火を(幻影)付け、職員を脅し、町長が自宅から役所の前に来るのにゆうに四刻半、日が沈みかけて、ようやくです。
魔女の詰問が始まり、ハゲ頭に油汗がテカリ鏡のようになる程、追い詰めました。
追い詰めてしまいました。
町長はない勇気をかけ集め、魔女を嘘付き扱いして、民衆を焚き付けます!
その口の回ること、堂々とした過剰な身振り手振りに町長になった実力を垣間見ました。
途端に不利になった魔女はオロオロし、半泣きで空に逃げ帰って行きました。
「バーカ!
バーカ! 覚えていろよ、コンチクショー!!!!!」
一晩、森の中で泣きはらすも、どうにも見捨てる訳にいかず、スゴスゴとちょっと同情的な見張りたちと一緒に町の要塞化を進めます。
本当は、避難する必要があったのですが石を投げつけられ、またも逃げ帰って来ました。
心無しか守備隊に対する当たりも強くなってしまい、一人、また一人といなくなります。
それもそのはず、魔女が町長を呼び出し、逆ギレされてから三ヶ月以上経ちます。
魔女ですら、あの時の被害が大き過ぎて逃げたのかと、思いました。
斥候の役目のコボルトが空からチラホラ見え、撃退したりするのですが、軍隊の影すら見えません。
コボルトは穴掘りがうまく、土地勘がなくとも潜伏しようとすれば、出来るかもしれない…
白とも黒とも言えない状態が半年近く続きました。
ツンデレラも、あ、こりゃもういないわ!
謝るか、何も言わず立ち去るか、悩んでいるくらいでした。
ちょうど町長宅で和解の会食をして、明日からまた旅にでも出るかと
思った矢先に、久々さのベッドでパッチリと目を覚まします。
(街が静か過ぎる…)
それに、酷い血の匂い、微かに咀嚼音すら聞こえる。
町長宅に行くと、先ほどまで自分と団欒していた町長、それから、妻と私に石を投げて来た娘が泡を吹いて倒れている。
毒殺だ。
毒が入っいたのには、寝ている時に気づいた。
味や匂いを変えない為に、微量だったのだろう。
魔女を殺すには、足りなかった。
誰かが悲鳴を上げても、それに応える様子はない。
それ程、完璧な陰術。
あたりはコボルトだらけなのに、むしろ深夜より静かだ。
「エクスプロージョン」
派手な爆裂が、複数の赤い対の灯りを引き裂いた。
断末魔が、完璧に犬だった。
それが何回か、行っても騒ぎにならない。
人がいない街、実際そうなのだろう。
何度か、もう百になるコボルトを人の死体…もしくは、誰かを巻き込んでいるかもしれない、を街で使ってはいけない破壊魔法で吹っ飛ばす!
誰かが、「あの魔女、ついにキレやがった!」
そう呼ばれた気がして、ちょっと嬉しくて振り返っても、コボルトがまばらにいるだけだった。
それも、無機質に吹っ飛ばした。
そうこうしていると、ようやく生存者を見つけた。
かなり胸中は複雑だ。
「ま、待ってくれ、俺だ!」
杖を向け、どうしようか迷った。
美形だったので、二人でロマンチックに逃げる…頭に過ったが、怒りですぐに消えた。
「いや、助かったよ! 本当に、コボルトの大群じゃない、もう、これは軍隊だ!!」
つい顔をしかめる。無表情でいたかったのに、あまりにも演技が下手で、それで隠しきれてない程、醜悪な何かが…
「謝るから、杖を下げてくれないか、そ…ククッ」
腹が痛そうな演技をしているが、笑いを堪えているのが丸分かりだった。
震えてしまう声で、破壊の呪文を唱えるはずなのに聞いてしまう。
「ー…何を、何を謝るっていうのっ!? 町長ら家族に毒を盛ったこと! それとも、コボルトの軍隊を引き入れたこと!!?」
決壊した。
善と悪の境界が敗れ、壁の外から善の方へ、悪が流れ込んで来る。
「ははははははハハハッ ッッっ!」
堪えきれなくなった、あの自分にだけは最後まで信じてくれた守備隊の新兵は、溢れ出る人を陥れることの善も悪も越えた絶対の自信を持って 高笑いをしていた。
それが、自分と同じ人間だと本能から信じられなかった。
どうやったら、こんな事態を引き起こし笑っているかを理解出来なかった。
彼は、最も死に遠い私でさえ、恐怖で足が動かなくなるのを掛け無しの勇気を掻き集め進む中、全く死を恐れてなかった。
それと、同時に皆が口を揃え、自分に足りないと指摘し続けていたものを痛み以上に魂に刻みこんだ。
そこには、半年の不信では埋められないシンパシーがあって、溺れそうだ!
「本当に、本当に謝っているんだ…だって、コボルトの親玉が、お前だけは殺すなって、随分と気にいられたね、まぁその分楽しめたのだけどね!」
私の何が、壊れそうなほど「コロセ! コロセ!」と叫んでいる!
「あ、ああ、あああああ!!!!!」
怒りが頂点を過ぎているのに、呪文に頭が追いつかない!
本当に、本当に真心の笑顔というものに抱きしめられた。
それは同情かもしれないし、優越感かもしれない。
ただ、呻き声が漏れていく。
屈辱的なのは、その抱擁に安堵すら感じていることだ!
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コバルト色の頭巾は赤く染まる…!(前編) (No: 2)
投稿日時:
あおい、愛染い、いつまでも続くコバルトブルー…
愛の色…そう聞かれ、何を思い出す?
私の場合は決まっていた。
コバルトブルー…青空のような美しい色。
自分たちの毛は、少し灰色が混じってくすんているが、だからこそ、コバルトブルーに対する想いは完璧を求め、反物染めの里として鬼ーー貴人に重宝された。
…もう、大分過去の話しだ。
故郷に、あの空よりも美しいコバルトブルーの反物が風に靡く光景は、もう無い。
その心もだ。
一度でも濁った心に、あの怖くなるまで自由な色は出せ無い。
この赤く染まってしまった頭巾のように…
満月の夜空を見上げると、月が赤く染まっていた。
いつも苛む頭痛が、少し和らぐ。
ロボ…古代語で人業を意味する。
文字どうりに古代の古代人物が、絶滅危惧種の狼の繁殖用と、環境保全用に絶滅危惧の雌しかいなくなった狼のクローンオスで脳には機械式の人工脳が移植されていた。
古代人はあっさり文明をなくし、絶滅危惧だった青色狼は、急激に進化して二足で歩くようになった。
…500年は立っただろうか?
神と呼ばれた狼とも、人とも言えない私に寿命が近づいていた。
その時に奴と出会ったーーモク・ホウテンと呼ばれる初老の男。
最初の頃、ヤツはこの私をただの狼だと信じて疑わなかった。
古代人が残した古代兵器を狙っていた学者崩れの盗賊だった。
ヤツは、肉トラップから、落とし穴、吊り輪様々な罠に仕掛けたが、全て幼稚すぎた。
だが、年甲斐も無く良い尻の雌の若い狼を見つけ追いかけていたら、落雷に遭い、崖から落っこちてしまった…
あの尻は、500年生きた中でベスト30には入ったと思う!
気付けば、その尻と見間違うような胸のコボルトに介抱されていた!!
実に残念だった。
私は、哺乳類の乳房に興味のない完全な尻派としてインプット、そう設定され造られた存在だったからだ。
それでも年得た股間は、何故か勘違いしたままで、おいおいおっかしーなぁ、コボルトもいいかなぁとハァハァして雌のコボルトにもたれ掛かったら、突然入ってきた雄のコボルトに鉛の玉を数発ボディに打ち込まれ命乞いをした。
その時私がコボルト語を話すことで始祖だとか、神だと分かるや向けられる、なんか軽蔑されているようなゴミをみる視線にきかん棒が何故か反応してしまった。
こう、機械のはずの脳が誤作動したのだ!
タイトル案
コバルト色の頭巾は赤く染まる…!(前編)